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林王の領域
239話 過去編 ゴルの決断
しおりを挟む「っ!ハーデン!」
ゴルの跡を追っていたセバスは、怯えた様子で走っているハーデンを見付け、大声で呼び止めた
「ッ、ブルルルル…」
セバスに呼び止められたハーデンは、セバスに気付き走るのを止め、怯えた様子のままセバスに近付き始めた
「ハーデン、いったいどうしたのです?貴方がここまで怯えるなんて…」
セバスは、近付いて来たハーデンの首元を撫でながら、不思議そうにハーデンの顔を見た
「ブル、ブルルル…」
ハーデンは、セバスに撫でられながら、何か伝えたそうな眼でセバスを見た
「っ!まさか!ゴル様の身に何か!?」
ハーデンの眼でを見たセバスは、ゴルの身に、何かが起きたことに気付き、急いでゴルの下に走り出した
「セバス殿!ゴル様の愛馬が居ましたが!ゴル様に何かあったのですか!?」
セバスがゴルの下に走り出して直ぐ、ハルスがセバスに追い付き、途中で見たハーデンの事を聞いた
「っ!ハルス様!…分かりません、ですが、ゴル様がハーデンを逃がしたという事は、それ程危険な存在が居るという事です」
セバスは、追い付いて来たハルスに驚きながらも走るのを止めず、走りながらゴルの身に起きている事を伝えた
「っ!では急ぎましょう!」
「ええ!」
セバスの話を聞いたハルスは、驚きながら走るスピードを上げ、セバスもハルスに続くように、走るスピードを上げた
「「えっ…」」
ゴルの下に着いたセバスとハルスは、目の前に広がる光景を見て、ショックを受けた表情を浮かべた
「グッギャッギャッギャ!」
「ごふっ…」
セバスとハルスの目の前には、深い闇を纏った生き物が、嬉しそうに笑いながら、腕でゴルの腹をぶち抜いていた
「「っ!ゴル様!」」
「来るな!!!はぁはぁはぁはぁ」
「「っ!」」
セバスとハルスは、直ぐにゴルの下に駆け付けようとしたが、2人の声を聞いたゴルが、大声で2人を止めた事で、2人はその場で足を止めた
「はぁはぁはぁ…っ~、セバス!命令じゃ!はぁはぁはぁ…っ今直ぐ兵を連れて逃げよ!!はぁはぁはぁ」
腹をぶち抜かれたゴルは、苦しそうに息を切らしながら、セバスに命令をした
「しかし!ゴル様は!」
「っ~分からぬか!?儂が命じたのだ!!お前は命を賭けて!命令を全うしろ!!」
「っ~分かりました…」
ゴルに命令されたセバスは、ゴルの命令を無視して、ゴルを助けようと動き出したが、セバスの動きに気付いたゴルが、覚悟を決めた眼でセバス見ながらもう一度命令し、セバスは悔しそうに返事をした
「グッギャ!グッギャッギャ!!」
「っ逃さぬぞ!お主の相手は!儂じゃろ!!」
深い闇を纏った生き物は、セバスとハルスを殺す為に、ゴルの腹から腕を抜こうとし始めたが、深い闇を纏った生き物の動きに気付いたゴルが、深い闇を纏った生き物の腕を掴み、深い闇を纏った生き物の動きを止めた
「ごふっ…」
深い闇を纏った生き物の動きを止めたゴルは、身体に力を加えた事により、口から血を吐いた
「グッギャッギャ!」
深い闇を纏った生き物は、口から血を吐くゴルを見て、嬉しそうに笑った
「っ~セバス!さっさと行け!!」
ゴルは、深い闇を纏った生き物を見ながら、セバスに大声で命令した
「っ~」
「すみません、セバス殿!」
ゴルの命令されたセバスは、悔しそうに拳を握り締め、それを見たハルスは、セバスに謝りながらセバスを担ぎ上げ、その場から逃げ始めた
「申し訳ありませんゾル様…ゴル様を…御守り出来ませんでした…」
ハルスに持ち上げられたセバスは、遠退いて行くゴルを見ながら、泣きながら冥王に謝った
「グッギャギャ!!」
深い闇を纏った生き物は、セバスとハルスが逃げた事に怒り、自身の邪魔をしたゴルを空いている腕で殴った
「ぐっ…泣くなセバス!お主の役目は!此奴の情報を!国に持って帰る事じゃ!!儂の家族の事を頼んだぞ!!」
殴られたゴルは、苦しそうに顔をしかめた後、離れて行くセバスを見ながら、一族の事を頼んだ
「っ、はい!この命に代えましても!」
ゴルに一族の事を頼まれたセバスは、涙を流しながらゴルに向かって敬礼をした
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