異世界転生漫遊記

しょう

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林王の領域

236話 過去編 茶色い熊

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「っゴル様…いったい何を感知したのですか?」

額から冷や汗を流すゴルを見たセバスは、自身が感じ取れていない魔力があることに気付き、真剣な表情で質問した

「禍々しい魔力じゃ…まるで、この世の全ての負の感情を濃縮した様な魔力じゃ、こんな魔力は、儂は初めてじゃ」

セバスに質問されたゴルは、少し怯えた様子で、感知している禍々しい魔力に付いて説明した

「「っ!(あのゴル様が!怯ている!?)すぅ~はぁ~…」」

怯ているゴルを見たセバスとハルスは、驚いた表情を浮かべた後、直ぐに魔力を感知できるよう、深呼吸をしながら目を閉じ、集中してゴルが感知した禍々しい魔力を、感知しようと始めた

「(…セバスとハルスでは、この魔力を感知するのは無理じゃろうな…感知出来るなら、森に入った時に感知出来ていたはずじゃ…さて、この魔力の発生源は何処じゃ…)」

ゴルは、セバスとハルスが禍々しい魔力を感知しようとしているのを見ながら、禍々しい魔力の発生源を探し始めた

「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」

ゴルと共にエルフの森に入ったエルフ達やハーデスの兵達は、ゴル達3人の邪魔をしない為に、音を立てずに静かに3人を見守った


「・・・・・・・・無理です、何も感知出来ません…」

暫くして、ゴルが話した魔力を感知しようとしていたセバスは、ゴルが話した魔力を感知出来ず、悔しそうに感知をするのを止めた

「…私もです」

セバスが感知を止めて直ぐ、ハルスも悔しそうに感知をするのを止めた

「(やはり無理じゃったか…儂の方も無理じゃ)っ!見付けたぞ!」

ゴルは、セバスとハルスが感知を止めたのを見て、自身が探していた禍々しい魔力の発生源を、探すのを止めようとした瞬間、森の奥に、禍々しい魔力の塊があるのを発見した

「「???」」

セバスとハルスは、ゴルが何を見付けたのか分からず、不思議そうに首を傾げた

「セバス!ハルス!付いて来い!」

ゴルは、不思議そうにしている2人を無視して、自身の愛馬のハーデンを操り、森の奥に向かって走り出した

「「は、はい!」」

セバスとハルスは、慌てて馬を操り、ゴルの後を追い始めた

「お前達も急げ!」

ゴルの後を追い始めたセバスは、後ろに居るエルフ達とハーデスの兵達に、付いて来るよう声を掛けた

「「「「「「は、はい!」」」」」」

セバスに声を掛けられたエルフ達とハーデスの兵達は、慌ててゴル達の後を追い始めた



禍々しい魔力の塊がに向かって進み始めたゴル達は、向かう途中、いきなり茶色い熊に襲われた

「ガァアアアアアア!!」

「ヒッヒーン!」

「っ!落ち着けハーデン!」

「っブルルル…」

いきなり現れた茶色い熊に、ハーデンは驚き、その場で暴れ始めたが、ゴルが素早く手綱を引き、ハーデンを落ち着かせた

「「ゴル様!ご無事ですか!?」」

ゴルの後ろに居たセバスとハルスは、ゴルを守る為、慌ててゴルの横まで移動し、ゴルの無事を確認した

「うむ、無事じゃ…それよりあの熊、魔法を使うぞ」

ゴルは、セバスとハルスを見ず、茶色い熊を見ながら無事だと伝えた後、茶色い熊が魔法を使う事を2人に伝えた

「「っ!」」

ゴルの言葉を聞いたセバスとハルスは、慌てて茶色い熊を警戒した

「ガァアアアア!!」

セバスとハルスが警戒した瞬間、茶色い熊は、魔力を纏った腕を地面に叩き付け、地面から土で出来た棘が飛び出す土魔法を使った

「っ!ハーデン!回避じゃ!」

「ヒッヒーン!!」

「「…くっ!遅れた!」」

「「ブル…」」

ゴルは素早くハーデンの手綱を引き、迫りくる土で出来た棘を回避したが、セバスとハルスは、ゴルより少し反応が遅く、悔しそうに馬から飛び降り、セバスとハルスが乗っていた馬は、土で出来た棘が直撃し、そのまま棘に貫かれて死亡した

「…すみません」

「すまない…」

セバスとハルスは、亡くなった馬を見ながら、悔しそうに謝った


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