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林王の領域
229話 過去編 ゴルの考え
しおりを挟む「さて…兵士達!今直ぐ負傷者達を運べ!急ぐんじゃぞ!一秒の遅れが仲間を殺す!!」
ルイ共に、巨大なヘビに祈りを捧げていたゴルは、祈りを止めた後、大声で兵士達に命令した
「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」
ゴルの命令を聞いた兵士達は、急いで負傷者の下に向った
「騎士達は!亡くなった者達を遺族に渡せる様!箱に入れる為の木を切りに行け!」
ゴルは、兵士達が負傷者の下に向ったのを確認した後、大声で騎士達に命令した
「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」
ゴルの命令を聞いた騎士達は、木を切る為に近くの森に向った
「ヘビの仲間がおる可能性が有る!騎士達は!三人一組で動き!必ず2人が周りを見張るようにするじゃ!」
ゴルは森に向かって行く騎士達見ながら、三人一組で動くよう指示を出した
「「「「「「「「「「分かりました!」」」」」」」」」」
ゴルの指示を聞いた騎士達は、直ぐに三人一組になり、真剣な表情を浮かべ、周りを警戒しながら、森に入って行った
「…むっ!こら!其奴は軽傷じゃろう!重傷者から運べ!」
ゴルは、真剣な表情で森に入って行く騎士達を見送った後、負傷者を運んでいる兵士達の方を見渡し、足を負傷した兵士を運んでいる兵士を見付け、大声で怒鳴り付けた
「は、はい!…すまんな」
ゴルに怒鳴られた兵士は、慌てて大声で返事をした後、申し訳無さそうに謝りながら、足を負傷している兵士を、地面に降ろした
「良いって、前王様の言う通りだ、幼馴染だからといって、俺を優先するのは間違ってる!ほら!あそこの騎士!早く運ばないと死ぬぞ!」
地面に降ろされた兵士は、足の痛みを我慢しながら、巨大なヘビに噛まれた騎士を指差した
「っ~すまん!…おい!大丈夫か!?」
ゴルに怒鳴られた兵士は、悔しそうに顔を歪めた後、謝りながら巨大なヘビに噛まれた騎士に向った
「それで良い、友を優先したいのは痛いほど分かる、だが、国に仕える兵士なら、友より、目の前で苦しんでいる者を優先しなければならん、でなければ、民は兵士と騎士を信頼してはくれん」
ゴルは、悔しそうに騎士の下に走る兵士を、慈愛に満ちた目で見た後、覚悟を決めた表情で、負傷者を運ぶ兵士達を見渡しながら話した
「…それは曽お祖父様が、国王だったから言えるのです、兵士と騎士達は、家族や友を守る為に、軍に入ったのですから」
ルイは、ゴルの横まで来て、ゴルの顔を見ながら、ゴルに話し掛けた
「それは分かっておる!だが!ここは戦場じゃ!友より仲間を!仲間より民を!それが兵士と騎士の務めじゃ!」
ルイに話し掛けられたゴルは、ルイを方を見ず、負傷者を運ぶ兵士を見ながら話した
「ですが…」
「ルイ!今のお主では分からん!儂の考えは!数多くの戦場に行き!数多く民を守れず!数多くの兵を亡くた経験からきている!!」
ゴルの話しを聞いたルイは、ゴルの話に反論しようとしたが、ゴルはルイが納得していないと感じ、ルイの方に振り向き、怒った様子で自身の考えの元を話した
「・・・・・・・・」
ゴルの話を聞いたルイは、少し拗ねた表情でゴルを見た
「はぁ~、ルイ…お主はまだ若い、いずれ儂の考えを理解する時が来るじゃろう、その時、お主が儂と同じ考えを持つかは分からん…じゃが、これだけは覚えておけ、優しさだけでは、民を守り導く事は出来ん、時には厳しさが民を守り導く事もある…分かったか?」
ルイの表情を見たゴルは、少し疲れた表情で溜め息を吐き、両手でルイの肩を掴み、真剣な表情でルイを見ながら話した
「…はい」
ゴルの話しを聞いたルイは、悲しい表情をしながら、返事をした
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