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林王の領域
194話 リントの正体
しおりを挟む「…リント、素直にお前の正体を教えてくれるなら、五体満足の状態で、明日の朝を迎えられるぞ?」
セイは、全身から魔力を放出させ、リントを威圧しながら、手に持っている魔剣ハーデスを抜いた
「いや~それは無理な話だなっ!」
セイに威圧され、冷や汗を流しているリントは、チラッと後ろを確認した後、【魔装】を使い、一気に木の上に登り、その場から逃げ始めた
「逃がすか!」
リントが、チラッと後ろを確認している所を、見逃さず見ていたセイは、リントが逃げると直ぐに【魔装】を使い、リントの跡を追いかけ始めた
リントは、セイを撒く為に、木の枝や葉っぱを上手く使い、エルフの森の中を、猛スピードで走り抜けていた
セイは、リントを見ながら、その後ろをついて行っていた
「…やばいな…距離が離れるどころか、だんだん近づいて来ているな」
リントは、木の枝と枝の間を飛び移りながら、時々後ろを見て、セイの居場所を確認していた
「よし!あと少しだ!」
セイは、【魔装】に大量の魔力を使い、リントより速いスピードで走り、後は少しの所まで来ていた
「止まれ!【風剣断風】!」
セイは前に居るリント目掛けて、【風剣断風】を使った
【風剣断風】は、魔剣を振り、風の斬撃を飛ばす魔法
「なっ!不味い!」
セイ【風剣断風】に気づいたはリントは、避ける為に、慌てて木から降りた
「もう一丁!【火剣火円】!」
リントが、地面に降りるのを見ていたセイは、慌てて降りたせいで、体勢が整っていないリント目掛けて、【火剣火円】を使った
【火剣火円】は、魔剣を振り、火の斬撃を飛ばす魔法
「ヤバっ!【魔拳】!熱っ!」
体勢が整っていなかったリントは、飛んでくる【火剣火円】を、【魔拳】を使い吹き飛ばしたが、【火剣火円】の熱により、拳をヤケドした
「へぇ~やるなぁ」
セイは、リントが【魔拳】を使い、【火剣火円】を吹き飛ばしている間に、リントの後ろに移動し、【火剣火円】を吹き飛ばしたリントに感心していた
「…はぁ~、分かった、降参だ、俺が言える事は全部話そう」
セイに後ろを取られたリントは、ため息を吐きながら振り返り、諦めた表情で、両手を上げた
「なんだ、もう諦めるのか?」
リントの諦めた表情を見たセイは、少し残念そうに質問した
「当たり前だろ…全く本気を出して無いあんたに、俺の拳が火傷させられたんだぜ?…もし本気を出されたら、火傷どころか、手足の1本か2本、確実に取られるだろ?」
セイに質問に、リントは、拳の火傷を見せながら答えた
「そうだな、足の1本は確実に斬ってたな」
リントの言葉を聞いたセイは、リントの足を見ながら同意した
「っ~~~勘弁してくれ…」
セイに、足を見ながら斬っていたと言われたリントは、全身に悪寒が走り、両腕で自分の身体を抱きしめた
「さて、お前はいったい、どの魔獣の王の部下だ?」
セイは、両腕で自身の身体を抱きしめいるリントを見ながら、真剣な表情で質問した
「っ!よく俺が、魔獣の王の部下だと分かったな?」
セイの質問に、リントは、驚きの表情を浮かべ、自身を抱きしめている、両腕を下ろしながら、感心した様子で質問した
「あれだけの力を持ってるんだ、魔獣の王達が、そんな男を、野放しにはしないだろ?」
リントの質問に、セイは、リントが【火剣火円】を吹き飛ばした時に使った、【魔拳】を思い出しながら答えた
「成る程な、確かに魔獣の王達が、俺クラスの魔獣を、野放しにはしないな」
セイの話を聞いたリントは、納得の表情を浮かべた
「それで、どの魔獣の王だ?」
「…魔王コクウ様だ」
セイが、リントを見ながら質問すると、リントは、真剣な表情で答えた
「っ!魔王の部下なのか!」
リントの答えに、セイは驚きの表情を浮かべた
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