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林王の領域
191話 林王の涙と強者の気配
しおりを挟む~林王~
「・・・・・・・・・・・」
「「っ!林王様!」」
林王と失望したセイが、広場出て行くの見るている事しか出来なかった林王は、暗い表情をしながら、無言でルーファとハントを包み込んでいる木を、地中から出し、ルーファとハントを解放した
解放されたルーファとハントは、慌てて林王の前に跪いた
「…ルーファ、ハント…私はハリボテの王なのでしょうか?」
林王は、跪いているルーファとハントに、悲しい表情を浮かべながら質問した
「「っ!」」
林王の質問に、ルーファとハントは、目を見開き、驚きの表情を浮かべた
「・・・・・・・・」
林王は、驚いている2人を、悲しい表情を浮かべながら、無言で見つめた
「っ…もしや、セイ様にそう言われましたか?」
林王に見つめられたハントは、覚悟を決め、恐る恐る林王に質問した
「はい」
「「っ!」」
林王は悲しい表情のまま返事をし、返事を聞いたルーファとハントは、林王が何故悲しい表情をしているか分かり、眉間に皺を寄せ、拳を握りしめた
「…私達、エルフの王族は、ハーデス王家を目標に、長い間努力をしてきました…ですが私は、ハーデス家の後継者に、失望されてしまった…エルフの王族として、これ以上の不名誉な事はありません」
ルーファとハントよ反応を見た林王は、泣きそうな表情を、ルーファとハントに見られない為に、空を見上げ、拳を力強く握り、肩を震わせながら、一粒の涙を零した
「「っ!林王様…」」
林王の涙を見たルーファとハントは、林王に、どういった言葉をかければいいか分からず、ただ林王の涙を見ない為に、頭を下げるしかなかった
その後暫く、空を見上げる林王と、頭を下げている、ルーファとハントが広場に残された
~セイ~
「…有り得ねぇだろ!最初に俺は、冥王様からの伝言を伝えに来たって、ちゃんとを言った筈なのに!なんでエルフの長老は、あんな傲慢な態度で接してくるんだよ!」
広場から離れたセイは、長老達の愚痴を言いながら、エルフの里の外に向っていた
「セイ様!話し合いは終わりましたか!?」
セイが里の外に向かっていると、セイを見つけたアルビルが、セイに声を掛けながら、セイに近づいて来た
「…ああ、終わった」
声を掛けられたセイは、立ち止まり、アルビルの方を向き答えた
「なら!皆で里の中を案内しますよ!」
アルビルは、立ち止まったセイの前まで行き、ダイナ達がいる方向を指差しながら、セイを誘った
「いや、急いで冥王様の下に戻る必要が出来たから、また今度にするわ」
アルビルに誘われたセイは、申し訳無そうに断った
「そうですか、では次来た時に、里を案内しますね!」
セイに断れたアルビルは、少し残念そうにしたが、直ぐに笑顔に戻り、セイが次に、里に来た時に、案内をする事を伝えた
「ああ、その時は頼むよ、じゃぁまたな」
アルビルに返事をしたセイは、里の外の方を向き、アルビルに別れを告げ、そのまま里の外に向かった
「お気をつけて!」
アルビルは、里の外に向かうセイに向かって両手を振りながら見送った
「…さて、都市ロイに帰るか…」
エルフの里の外に出たセイは、【魔装】を使い、木の上に登り、木の枝と枝の間を飛び移りながら、都市ロイに向けて出発した
「っ!!!!!」
暫くセイが、木の枝と枝の間を、飛び移りながら移動していると、いきなり強者の気配が、森の中に現れた
「この気配、魔獣なのか?…魔獣なら、ただの変異種どころじゃないぞ」
セイは立ち止まり、気配のする方向を見つめた
「(…この距離なら、まだ気づかれてないし、知らない振りをしても大丈夫なんだが…林王が動かない限り、エルフ達じゃ、絶対に倒せないな)」
セイは気配のする方向を警戒しながら、どうするか考えていた
「(…う~ん、エルフ達に被害が出るのは、ハーデスの者としては、見逃せないな)…仕方ない、行くか」
考えを纒めたセイは、里に居るエルフ達の為に、気配のする方向に向かい始めた
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