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トーカス王国
153話 宰相に会いに来た目的
しおりを挟むサクアの本名を聞いて、怒りだしたクロスとダグラは、宰相に殴られた後、直ぐ様、部屋の隅に行き、愚痴を言い始めた
「…俺は悲しい、宰相様程の完璧超人に、何一つ弱点が無いなんて」
「ダサい名前だけが唯一の弱点でしたのに…それが偽名だったなんて!」
「くっそ!太陽と月の神官め!何が天は2つを超える才を与えないだ!2つどころか10個は与えてるだろ!」
「クロス様の言う通りです!エルフ特有の顔立ち、魔法師に成れる血筋、宰相に成れるだけの文才、剣を持てば騎士を圧倒する強さ、他国に潜入出来る才能、…それだけも腹立たしいのに、サクアというちゃんとした名前!心の底から腹が立ちます!」
「お前らなぁ、俺がどれだけ努力したか知らないで、よくそんな事が言えるな!」
ゴン「ゔっ」ゴン「ぐっ」
クロスとダグラの愚痴を聞き、腹が立ったサクアは、後ろから2人の頭に拳骨を落とし、気絶させた
「気絶したな…それでセイ様、私に用が有ったのでは?」
2人の気絶を確認したサクアは、椅子に座っているセイの方を向き、要件を聞いた
「ああ、少し確認したい事が有ってな」
「確認したい事?それはいったい?」
「サクアは、トーカス王家が、ハーデス王国の貴族の子孫だと言われたら信じるか?」
「っ!有り得ませんね、トーカス王家がハーデス王家に仕えていたなど、絶対に有り得ない事です」
「エルフからしたら、それが当たり前の感想だよな…」
「はい!私達エルフの里には、ハーデス王国の歴史を記した書が、大切に保管されています、その書にトーカス王家の事など、一切書かれておりません!」
「だが、ディカン家のヒナイトから聞いた話だと、名前を変えていると言っていたぞ?」
「本当ですか!」
「ああ、この国の王家と公爵家は、ハーデス王国の貴族の子孫だと言っていた」
「…公爵家がハーデス王国の貴族の子孫なのは知っています。しかし、もしトーカス王家がハーデス王国の貴族の子孫だったなら、名前を変える必要が何処にあるのか分かりません」
「そうなんだよ、俺もそこが引っ掛かるんだよ。ハーデス王国の貴族の子孫、それを最初から言っていれば、冥王様の保護が受けられた筈なんだよ」
「なのに言わなかった、怪しいですね」
「だろ?何か目的があって変えたなら、冥王様の保護がある方が、目的を達成し易いはずなんだよ」
「ますます怪しいですね」
「それに、トーカス王家が隠している戦力、何処か怪しいだろ」
「隠している戦力ですか?そんな存在が居るんですか?」
「なんだ知らないのか、俺もヒナイトから聞いたんだが…」
セイは、ヒナイトから聞いた話を、サクアに話した
「トーカスの英雄、モンズを殺した5人組…そんな存在が居るんですか?」
「ヒナイトが言っていた話が事実なら、今もトーカスに居る筈だ」
「…長年トーカスに潜入していますが、初めて聞きました。宰相の私でも知らない存在が王家に仕えて居たとは…」
サクアは、長年潜入していた自分が知らない存在が居たことに、ショックを受けた
「ここまでサクアに話した理由は、トーカス王家を滅ぼす、手伝いをしてほしいからだ」
「っ!トーカス王家を滅ぼすんですか!?」
「ああ、公爵家と協力してだがな」
「公爵家と協力して…(セイ様と公爵家が協力して、トーカス王家を滅ぼす、目的は多分、人類至上主義の撲滅だな、これに協力すれば、私も林王様の命を完遂出来る)」
トーカス王家を滅ぼすと聞いたサクアは、自身の任務の為にも、協力する事にした
「分かりました、是非協力させて下さい」
「そうか、なら作戦を話し合おうか」
「はい!」
セイとサクアは、トーカス王家を滅ぼす作戦を話し合い始めた
次回から公爵家の話になります
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