異世界転生漫遊記

しょう

文字の大きさ
上 下
152 / 274
トーカス王国

145話 山賊?

しおりを挟む


セイが王都に向けて出発してから、1週間が経った

セイは、デニスと別れてからは、何事も無く進み、王都の近くまで来ていた

(この道を真っすぐ進めば、昼前には王都に着くな)

「と、止まれ!」

「ん?」

セイが道を走っていると、痩せこけた1人の男が、道を通れない様に立っていた

「どうした、何か用でもあるのか?」

「か、か、金目の物を置いていけ!」

セイは、走るスピードを落とし、その男の前で止まると、男は身体を震わせながら、剣を構えた

「何だ、山賊か?やめとけ、身体震えてるぞ」

「う、うるせぇ!命が惜しければ金目の物を置いていけ!」

「はぁ、お前、こういう事するの、初めてだろ?」

「な、何言ってやがる!は、初めてな訳ないだろ!」

「いや、そんなに緊張していたら、誰でも分かるぞ」

「うるせぇ!くらえ!」

「ぐっ、ぼっ、がっ」

「はぁ、アホらし」

セイは、斬り掛かってきた男の剣を避け、横腹、鳩尾、顎の順番に、一発ずつ殴り気絶させた。

セイは、気絶した男の首根っこを掴み、木の根元にまで連れて行った

「おい!起きろ!」

「ん゙っ、いったい何が?」

「起きたか」

「っ!お前は!」

「立とうとするな、そのまま座ってろ」

「ゔっ、分かったから、肩から手を離してくれ」

起こされた男は、目の前にいるセイから逃げようとしたが、肩を押さえられ、渋々、木の根元に座った

「それで、お前はどうして、山賊何かをやろうとしたんだ?」

「それは…」

「まぁ、大体は予想出来るが、お前の口から聞きたくてな」

「俺は、元々王城で働いてたんだ」

「そうなのか!てっきり近くの村から追い出されたのかと!」

「違うに決まってるだろ!全く予想出来てねぇじゃねぇか!」

「いや、普通山賊になる奴って、暴れん坊の馬鹿か、口減らしで村に居ることが出来なくなった奴ぐらいだろ?」

「それはそうだが」

「それに、お前凄い痩せてるから、普通絶対に口減らしだと考えるだろ」

「痩せてるのは仕方ねぇだろ!もう4日も何も食べてないんだぞ!」

「それにしては元気だな」

「空元気だよ!」

「仕方ない、ほら、俺のパンやるよ」

「っ!いいのか?俺何も持って無いぞ」

「遠慮するな、早く食え」

「ならありがとう、っ!うっ、うっ、うめぇ、うっ、うっ、本当にうめぇ、うっ、うっ」

セイにパンを貰った男は、泣きながらパンを食べた


男がパンを食べ終わると、セイは山賊になった理由を聞いた

「それで、王城で働いていたお前が、どうして山賊をやろうとしたんだ?」

「俺は、宰相直属の部下の文官として働いていたんだ」

「それって結構上の役職だろ?」

「ああ、宰相に何かあった場合、代わりを務めることが出来る役職だ」

「なら余計に不思議だな、お前何かやらかしたのか?」

「やらかしてねぇよ!第1近衛騎士団長にハメられただけだ!」

「ん?第1近衛騎士団長にハメられたのか?」

「ああ!あのクソ野郎、自分の失敗を俺に擦り付けやがって!」

「そうかそうか、それは無念だろ(この男使えるな)」

「当たり前だろ!こっちは死ぬ程勉強して文官になったのに、家柄だけで近衛騎士団長になったクソ野郎にハメられたんだからな!」

「なら、復讐するか?今なら手伝ってやるぞ?」

「はぁ?何言ってやがる!そんなの無理に決まってるだろ!」

「それがそうでも無いんだよな」

「どういう事だ?」

「あのな…」

セイは、近い内に、公爵家が人類至上主義を滅ぼす為に、王家に闘いを挑む事を教えた

「嘘だな!そんな事、絶対に起きるはずがねぇ!」

セイの話に驚いた男は、立ち上がりながら、セイの話を否定した


「いや、必ず起きるぞ、なんたって俺が作戦を考えているんだからな」

「お前、何者だよ」

「そうだな、四家の公爵家当主が、跪く立場にいる人間だ」

「あり得ねぇ、王家にも跪かない公爵達だぞ、そんな人間居る筈がない」

「それが居るんだよ」

セイの表情を見た男は、その言葉に嘘がないことを読み取り、額から汗を流した

ゴック「もし、お前に付いていけば、あのクソ野郎を絶望させることが出来るのか?」

「出来るぞ、それどころか、お前が優秀なら、文官として、また働くことも出来る」

「本当だな?嘘だったら一生掛けて償わせるぞ」

「いいだろう、その代わり、死ぬ気で手伝えよ?」

「分かった、あのクソ野郎に絶望を味合わせる為に、お前に付いていく」

「よし、決まりだな、それでお前の名前は?」

「俺はクロス、よろしく頼む、えっと」

「俺はセイ フォン ハーデスだ」

「セイさん、よろしく頼む」

「ああ、任せておけ」






しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

死んでないのに異世界に転生させられた

三日月コウヤ
ファンタジー
今村大河(いまむらたいが)は中学3年生になった日に神から丁寧な説明とチート能力を貰う…事はなく勝手な神の個人的な事情に巻き込まれて異世界へと行く羽目になった。しかし転生されて早々に死にかけて、与えられたスキルによっても苦労させられるのであった。 なんでも出来るスキル(確定で出来るとは言ってない) *冒険者になるまでと本格的に冒険者活動を始めるまで、メインヒロインの登場などが結構後の方になります。それら含めて全体的にストーリーの進行速度がかなり遅いですがご了承ください。 *カクヨム、アルファポリスでも投降しております

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

処理中です...