150 / 274
トーカス王国
143話 セイの目的
しおりを挟む騎士達に稽古をつけた次の日、朝食を食べているセイは、ヒサカ達、ディカン家の者達に、王都に向かう為、今日、都市ディカンを出発する事を伝えた
「…セイ様、今日、出発してしまうのですか?」
「ああ、出来れば、早めに作戦を終わらせたいからな」
「ですが、1週間程なら、遅れても」
「いや、俺の目的が、どれだけ時間が掛かるのか分からないから、トーカスの問題は、早めに終わらせたいんだ」
「セイ様の目的とは?」
「言ってなかったか?冥王様の命令で、林王に会いに行くだよ」
「「「「「えっえぇーー!」」」」」
「っ…驚き過ぎだ」
セイの目的を聞いた、ディカン家の者達は、大声で驚いてしまい、セイは耳を押さえながら、文句を言った
「っと、すみません、冥王様の命を受けているとは思わなくて」
「私もです、てっきり、旅をしているだけかと」
「いや、ヒサカには言っただろ、目的を手伝ってくれって」
「ヒサカ、そうなのか?」
「…目的を手伝って欲しいとは言われてましたけど、冥王様の命で林王様に会いに行くとは、聞いていませんでした」
「そうだったか?」
「はい」
「なら、ついでに、目的について話しておくか、ヒサカ達にも関係あることだし」
「私達に関係ある事ですか?」
「ああ、ディカン家に関係する事だ」
「それはいったい?」
「ハーデス王国の復活だ」
「「「「っ!ハーデス王国の復活!」」」」
セイは、エルフ達に頼まれ、ハーデス王国を復活させる事を、伝えた
「セイ様!本当ですか!?」
「ああ、母様がやる気になったからな」
「いったい何処を国土に?」
「とりあえず、冥王様の領域を国土にして復活される」
「なるほど、冥王様の領域を…しかし、魔獣達がいては、エルフ達を呼ぶことは…」
「それは大丈夫だ、魔獣を人に戻す方法は見つけてある」
「本当ですか!」
「ああ、既に戻っている者もいる」
「それは喜ばしい限りです…私達も、魔獣を人に戻す方法を探してはいたのですが、全く見つける事が出来なくて」
「そうなのか!それは大変だっただろう」
「いえ、他の公爵家も一緒に、調べていた事なので」
「そうか、なら、その事を、しっかり冥王様に伝えておく、よく調べ続けてくれた」
「いえ、私達は、先祖より託された使命を全うしただけです」
セイは、ヒナイトの話を聞き、未だに、魔獣を人に戻そうとしていた者が居たことに、心から喜びを感じていた
「…さて、そろそろ行くか」
「では、都市の門まで送ります」
「そうか、なら頼む」
「はい!」
朝食を食べ終えたセイが、王都に向けて出発しようとすると、ヒナイト達が、馬車で都市の門まで送って行った
「なら、俺は先に王都にいるから、ヒナイト達は、作戦通りに動いてくれ」
「お任せください、必ず成功させます」
「頼んだぞ」
「「「「はい!」」」」
「じゃぁ王都で会おう!【魔装】!」
「「「「っ!セイ様!…居ない」」」」
セイは、【魔装】を使い、王都に向けて走り出した
~ヒナイト、ヒサカ
アルフェス、アナベル~
ヒナイト達は、いきなりセイが、【魔装】を使い走り出した事に驚き声をかけたが、セイは既に居なくなっていた
「…今のはセイ様の魔法でしょうか?」
「違うぞ、今のは【魔装】だ」
「【魔装】?初めて聞きました」
「そうね、私も初めて聞いたわ」
「アナベルとヒサカは、魔法が使えないから、知らなくて当たり前だ」
「それで、【魔装】とはいったい何ですか?」
「魔法師には、魔力を使った【魔技】と呼ばれる技が、いくつかあるんだ、【魔装】はその中の1つだ」
「【魔技】…お父様も使う事が、出来るのですか?」
「私は、【魔装】と【魔威】なら使えるぞ」
「なら、アナベルは?」
「っ!それは…えっと…その…」
「まさか使えないの?」
「…アナベル、アルフェスはまだ習得できておらん」
「あら、どうして?セイ様や貴方は習得できてるんでしょ?」
「アルフェスは、【魔技】の練習をサボっているからな!」
「なっ!父様!」
「アルフェス!」
「っ、はい!」
「ここでは、人目があります、今すぐ屋敷に帰りますよ…帰り次第分かっていますね?」
「っ、はい…」
アルフェスは、サボっている事を、ヒナイトにバラされ、アナベルに連れられ屋敷に戻って行った
「あれは、長くなるな」
「そうですね」
278
お気に入りに追加
1,262
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
死んでないのに異世界に転生させられた
三日月コウヤ
ファンタジー
今村大河(いまむらたいが)は中学3年生になった日に神から丁寧な説明とチート能力を貰う…事はなく勝手な神の個人的な事情に巻き込まれて異世界へと行く羽目になった。しかし転生されて早々に死にかけて、与えられたスキルによっても苦労させられるのであった。
なんでも出来るスキル(確定で出来るとは言ってない)
*冒険者になるまでと本格的に冒険者活動を始めるまで、メインヒロインの登場などが結構後の方になります。それら含めて全体的にストーリーの進行速度がかなり遅いですがご了承ください。
*カクヨム、アルファポリスでも投降しております
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる