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トーカス王国
132話 覆面の者達
しおりを挟むガイト達に追い掛けられ、【魔足】を使い逃げたセイは、地図を見ながら、空を移動していた
(…別に、俺の事を、ガイト達に教えてもよかったんだけど、あの4人とは、また何処かで会う気がするんだよなぁ~)
(おっ!あそこが、地図にある村か?…ちょっと村人に聞くか)
セイは、自身が見ている地図と、実際に今いる場所が合っているか、確認する為に、村から少し離れた場所に降りた
「っと、周りに人はいないな…(国境検問所の前みたいに、警戒されるのは面倒だし、さっさと村に行こ)」
地面に降りたセイは、周りに人が居ないことを確認して、村に向かって走り始めた
暫く走っていると、空から見えていた村に着き、セイは門番に話を聞いた
「ねぇ、おじさん、この村って、クロム村であってる?」
「ん?そうだぞ、ここがクロム村だ」
「なら、良かったよ、道は間違えないみたいだな」
「兄ちゃん、道が分からないのか?」
「いや、地図を見て来たんだけど、合ってるか確認したかっただけ」
「ほぉ~兄ちゃんは、地図を持ってるんだな」
「借り物だけどな」
「太っ腹な奴も居たもんだな」
「それは俺もそう思う…それでこの村には特産とかある?」
「いや、特にねぇな、この村は、ハービス王国から来る奴が、泊まる宿ぐらいしかないぞ」
「そうか…なら、次の街に進むよ」
「なら気を付けて行けよ」
「分かってる!」
セイは、門番と別れ、次の街に進み始めた
少し村から離れてから、セイは【魔装】を使い、猛スピードで道を進んでいた
途中、商人達を追い越しながら、道を進んでいると、セイの耳に剣と剣がぶつかり合う音が聞こえた
(っ!何処だ?)
セイは走るのを止め、【魔装】の魔力を耳に集中させながら、何処から音が聞こえるのか調べ始めた
(…何処だ…っ、女性の声が聞こえるな)
(…森の中だな…一応見に行くか…)
セイは、道から外れ、音が聞こえた森に、入って行った
(…あれは)
セイが、静かに森を移動していると、山道で2台の馬車が、20人以上の、覆面をした者達に襲われていた
(…少し様子を見るか)
セイは、見付からない為に、静かに木に登り、上から様子を確認した
「ヒサカ様を、お護りしろ!」
「「「「はっ!」」」」
(さっきの女性の声は、あの護衛か…結構強いな)
襲って来る覆面の者達を、馬車の護衛達は、上手く連携して対処していたが、相手の連携が上回り、徐々に押され始めた
(あの覆面の者達、かなりの訓練を受けてるな、危ない時はすぐに下り、それを他の者がちゃんとカバーしてる)
(未だに、護衛達に死者が出てないのは、あの強い女性が、危ない所を、毎回助けてるお陰でだな)
(それでも、仲間を助けれてはいるけど、敵を倒せてはいないな…このままだと、確実に負けるな…仕方ない、助けるか)
「【風斬】【光斬】【火斬】【水斬】【闇斬】」
セイは、一気に5回連続で魔法を放ち、馬車の護衛だけに集中していた覆面の者達は、いきなり来た魔法に、対処する事が出来ず、一気に半分以上が犠牲となった
「「「「「っ!」」」」」
「「っ!何者だ!」」
覆面の者達を率いていた者と、強い護衛の女性は、魔法が来た方向に顔を向け、木の上にいるセイを見つけると、本能的に恐怖を感じ、身体が攻撃体勢をとった
「ただの通りすがりのハンターだ」
「「「「「っ!」」」」」
セイは【魔装】を使い、一瞬で木を降りて、質問に答えた
「…何故、我らを攻撃した」
「いや、誰がどう見ても、覆面をして、馬車を襲ってる奴は悪者だろ?」
「だが、お前には関係ない事だろ」
「そうだな、この馬車の中の人も、それを護衛する人達も、俺は知らないな」
「では、何故首を突っ込む」
「う~ん、女性を見捨てたっていう、罪悪感を抱かない為?」
「そのような、くだらない理由で、我らの仕事の邪魔をするのか!」
「まぁ、そうだな」
「貴様!」
「これが運命だったと思って諦めろ」
「やれ!」
「「「「「はっ!」」」」」
セイは、魔剣を抜き、襲って来る覆面の者達と戦い始めた
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