異世界転生漫遊記

しょう

文字の大きさ
上 下
137 / 285
トーカス王国

130話 入国

しおりを挟む


「セイ!待ってたぞ!」

セイが国境検問所を抜けると、ガイト、ミーシャ、ロスト、ソウカの4人が待っていた

「待ってたって、俺に何か用でもあったのか?」

「そんなの、冥王様の城で、歴史の本を読めるセイが、何者か気になったからに決まってるだろ!」

「そうよ!何者か教えなさい!」

「だから、ただの強いハンターだって」

「それは絶対に嘘、騎士と揉めて、無事な時点で、ただの強いハンターじゃない」

「なんだ見てたのか?」

「はい、職員が燃える所から見てしまって」

「そうか」

「それで、セイさんの魔法は、空を歩く魔法って聞いていたから、どうやって炎を出したのか気になってしまって」

「あの炎は、俺には関係ないぞ…ただ、この剣が不届き者に罰を与えただけだ」

セイは、剣を抜き、4人に見えるよう、横にして見せた

「…もしかして魔剣ですか?」

「ソウカ、そんな訳ないだろ」

「そうよ、魔剣なんて作り話よ」

「ガイトとミーシャに同意」

「そうだ、よく分かったな」

「「「…えっ~~!」」」

「やっぱり」

剣を見たソウカは、ただならぬ雰囲気を感じ、もしかしてと思いセイに確認した

ソウカの話を、否定していた3人は、セイが認めたことで、大声を上げて驚いた

「セイ!本当に魔剣なのか!」

「そうだ、この剣は本物の魔剣だぞ」

「魔剣ってお伽噺じゃないの!」

「何言ってんだよ、魔鉱石から作られた武器は見たことあるだろ?」

「魔器なら見たことあるけど、魔剣と何か関係があるの?」

「知らないのか?魔剣は魔器と同じで、魔鉱石から作られるんだぞ」

「そうなのか!」

「なら、どうして魔器と魔剣は、呼び方が違うの?」

「確か、俺が聞いたのは、魔鉱石から作られた武器の中で、魔力の伝導率、切れ味、耐久値、全てに優れた武器が、魔剣って言われてるらしい」

セイは、昔、セバスに聞いた、魔剣の話を4人にした

「…でも、確か魔器って、そんなに黒くなかったと思うけど」

「それは、魔力の伝導率の差だよ」

「魔力の伝導率だけで、そんなに色が変わるものなのか?」

「優れた魔剣程、色がより黒くなるんだって」

「なら、真っ黒のこの剣は…」

「それだけ優れた魔剣の証だな」

「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」

4人は、もう一度、セイが持つ魔剣を無言で見つめた

「あっ!ガイト!」

「「「っ!」」」

「っ、すまねぇ、つい触りたくなって」

ガイトは、魔剣をよく見たくなり、触ろうとした事ろで、セイがいち早く気付き、魔剣を腰に戻した

「…はぁ、ガイトは、職員がどうなったか見てたんだろ?」

「見てたが、触るぐらいなら、いいかと思って」

「駄目に決まってるだろ、下手するとお前もあの職員と同じ様に…」

「っ!怖!」

セイに言われ、職員と同じ様に、黒焦げにされると思ったガイトは、凄いスピードでセイから離れた

それを聞いていた3人も、慌てて後ろに、少し下がった

「嘘だよ、俺が持ってれば、黒焦げにはされないぞ」

「…本当か?本当に黒焦げには、されないのか?」

「ガイト、ビビリ過ぎだ」

「そうよ、本当情けない」

「お前らだって、後ろに下がっただろうが!」

「でも、ガイトほどじゃない」

「そうね、あの慌てようは、思い出すと笑えるわ」

「この!言いたい放題言いやがって!」

「ふっ、ビビリのガイトは♪」

「弱虫ガイト♪」

「ぶっ殺す!」

「「逃げろ~♪」」

ミーシャとロストに、馬鹿にされたガイトは、2人に襲い掛かったが、うまく躱され、また追いかけ始めた

「あの3人は、いつも、ああなのか?」

「…はい、お恥ずかしい限りです」

「それだけ、仲が良い証拠だろ」

「ふふ、それもそうですね」

セイとソウカは、追いかけっこする3人を、笑いながら見守っていた





しおりを挟む
感想 65

あなたにおすすめの小説

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

処理中です...