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冥王の領域
91話 2637代?
しおりを挟むセナの護衛の手配をする為に、セバスが出て行き、部屋には冥王とセイがだけが残った
2人きりになったセイは、冥王に建国について相談し始めた
「それで、少し相談があるんだけど」
「何じゃ?言ってみなさい」
「ルージュに頼まれて建国する事になったんだけど、どうすればいい?」
「ルージュ?エルフか?」
「そう、ハーデス王国の復活がエルフの悲願らしくて、頼まれたんだよね」
「…そうか、エルフはまだハーデス王国を忘れてないんじゃな…」
「忘れるどころか、ハーデスって名乗ったら、ハーデス家の名を穢すな!って怒るぐらい、大切に思ってたよ」
「ほっほっほっ、昔からエルフは、ハーデス家を大切に想ってくれてたからの」
「それで、ルージュの話を聞いた母様が、俺に建国しろって言い始めて」
「ほお、それでセイが建国する事にしたのか?」
「旅が終わったらだけどね」
「それでよい、もしセイが建国できなくても、セイの子孫の誰かがその内建国すじゃろ」
「俺もそう思ったんだけど、母様が子孫に苦労をかけたくないから、俺の代で建国しろっていい始めて、俺が生きている間に建国する事になったんだよね」
「気持ちは分かるが、大丈夫なのか?建国してからの方が大変じゃろ?」
「法律とか色々決めて、国として回るようにしなくちゃいけないからね」
「そうじゃ、それだけは時間をかけてするしかないからの」
「それで、相談なんだけど、冥王様ならハーデス王国の、初代からの記録を受け継いでるよね?」
「ああ、初代から儂の代までの記録は全て保管しておる」
「なら、建国じゃなくて、そのまま引き継ぐ形にしたいんだよ」
「…それはつまり、セイがハーデス王国2637代国王になるのか?」
「えっ!そんなに長いの!」
「当たり前じゃ、ハーデス家は遥か昔から、存在しておるのじゃから」
「…マジか、ならその歴史も全て子孫に受け継がせなきゃ」
「その前にセイとセナが継ぐのが先じゃな」
「歴史の全部を覚える自信ないよ?」
「儂も無理じゃ、だから大事なことだけを覚え、後は記録として書物にする」
「ふぅ~、なら安心だな」
「歴史もそうじゃが、法律もハーデス王国の物を使うのか?」
「まあ、使えるところは全部使おうかと、それにシスターの魔法が成功すれば、武官と文官が揃うと思うし」
「そうか!部下たちが人に戻ればそのまま雇えるからの!」
「そうすれば、大変な作業を結構削ることができるし、国として早く回るようになるよね?」
「うむ、準備だけは儂がしておこう」
「本当!ありがとう!」
「いいんじゃ、ハーデス王国の復活の為に、国王であった儂が何もしない訳には、いかぬからの」
セイと冥王が国の話をしていると、セバスが戻って来た
「冥王様、セイ様、護衛の手配が終わりました」
「そうか、ご苦労であった」
「なら、俺は先に母様達の所に戻ってるから、護衛がメイトに着いたら、一緒に来るよ」
「ん?セイはこのままここにおればよいだろ?」
「それが、母様達にはここに来ること伝えてないから、今日中に戻らなくちゃいけないんだよね」
「そうなのか、流石にセバスでも今日中にメイトに行けんからの」
「私はセイ様ほど魔力を持っておりませんから、流石に3日はかかります」
「流石に黙って泊まると、母様が心配するから今日はこのまま帰るよ」
「分かりました、では護衛の者達には、明日メイトに向けて出発させます」
「どのぐらいで、メイトに到着する?」
「そうじゃな、5日後には着くの」
「なら、5日後に護衛と一緒に、会いに来るよ」
「うむ、わかった」
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