81 / 273
冥王の領域
75話 ボルス チャカ 3
しおりを挟むボルス達が、セイの事を理不尽だと言っているのを聞いて、文句を言い始めた
「理不尽なのは、お前達だろ?」
「「「「「「なっ!」」」」」」
「どういう意味よ!」
「そのままの意味だよ」
「儂らがお主に理不尽な事をしたと言うのか!」
「そうだ」
「なら何をしたと言うのだ!」
「俺はこの町の教会で育ち、小さい頃に魔法が使えるようになった、それを聞いた領主は無理矢理、俺を部下にしようとした、それは理不尽じゃないか?」
「儂はそんな話、聞いてない!」
「だが事実だ、そして俺は王都に逃げるはめになった、理不尽だろ?」
「領民が領主の命令を聞くのは当たり前でしょ!それを無視した貴方が悪いんでしょ!」
「なっ!お前は何を言っている!」
「私達は、領民を守り続けているのよ!それなのに敬う事もせず、命令を無視して逃げただけじゃない!」
「はぁ、お前もボコスと同じだな」
「待ってくれ!孫はまだ世間を知らぬのだ!慈悲をやってくれ!頼む!」
「何故、御爺様が頼むのです!悪いのはこいつではないですか!」
「黙れ!この馬鹿孫が!領民に命令できるのは、領民の安全と暮らしを良くするときだけだ!自身の欲望の為に命令はできんのだ!」
「ですが!私達は貴族です!平民が逆らっては、いけない存在です!」
「…お主にそれを教えたのは誰だ?」
「お父様と一族の皆です!」
「なんという馬鹿なことを…」
「ふっ、先代領主だけは理解しているな、貴族がそこまで偉くないことを」
「なっ!ふざけないで!」
「お前は何も分かってないな、貴族は所詮魔法師の一族ってだけで、他は平民と変わらない人だという事を」
「違うわ!貴族は支配する一族よ!支配される平民と一緒にしないで!」
「先代領主として、これを聞いてどう思う?」
「…儂の一族は、ここまで堕ちていたのか、だが頼む!チャンスを与えてくれ!」
「お前の一族が、いつから腐り始めたかは知らないけど、これを正すことはできないだろ」
「それでも頼む!儂の命に変えて絶対に理不尽な貴族にはしない!だからチャンスを与えてくれ!」
「う~ん…でもな~……はぁ、仕方無い1度だけチャンスをやる」
「本当か!」
「1度だけだ、もし次に理不尽な事をしていたら、その時はお前の一族が滅ぶ時だ」
「分かっておる!、絶対にそうならぬように儂が変えてみせる!」
「なら今回だけは助けてやる」
「ありがとう、本当にありがとう」
「まあ、頑張れ」
セイは【魔威】を解き、そのまま門を出ていった
~先代領主ボルス~
セイが居なくなり、ボルスは一族を𠮟り始めた
「お前達は、今日の出来事をどう思う?お前達が平民だと見下している者に、当主を殺され、相手の慈悲で命を救われた、この出来事をどう思う!」
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
「儂はお前達が恥ずかしい、儂は教えたはずだ、領民を護るのが貴族の役目だと!なのに平民だと見下し蔑んだ!」
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
「役目を忘れ、欲望の為に動き、結果死にかけた!お前達は所詮その程度の人間なのだ!何が貴族だ!何が支配する者だ!恥をしれ!」
「「「「「「…申し訳ありません」」」」」」
「儂は残りの生涯をかけて、一族を生まれ変わらせる!もしお前達が変わらぬ時は、儂がお前達を殺す!」
「「「「「「なっ!」」」」」」
「当たり前じゃ!そうしなければ一族を護れぬのだ!肝に銘じとけ、変わらなければ死が待っているとな!分かったか!」
「「「「「「っはい!」」」」」」
「ならば、全員庭に行け!儂自らお前達を教育し直す!」
「「「「「「はい!」」」」」」
それから夜遅くまで、先代領主は一族をしごき続けた
118
お気に入りに追加
1,260
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
死んでないのに異世界に転生させられた
三日月コウヤ
ファンタジー
今村大河(いまむらたいが)は中学3年生になった日に神から丁寧な説明とチート能力を貰う…事はなく勝手な神の個人的な事情に巻き込まれて異世界へと行く羽目になった。しかし転生されて早々に死にかけて、与えられたスキルによっても苦労させられるのであった。
なんでも出来るスキル(確定で出来るとは言ってない)
*冒険者になるまでと本格的に冒険者活動を始めるまで、メインヒロインの登場などが結構後の方になります。それら含めて全体的にストーリーの進行速度がかなり遅いですがご了承ください。
*カクヨム、アルファポリスでも投降しております
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる