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冥王の領域
70話 領主 ボコス チャカ
しおりを挟むセイ達は、ウルの家の庭に泊まり
朝から町を出発する準備していた
「セイ!サラ!マーサ!」
「マリさん?」
「マリさんどうしたんですか!」
「セイ!サラ!マーサ!逃げる準備をしなさい!」
「急にどうしたんですか?」
「マーサ!また領主があんた達を捕まえに来たの!だから早く逃げる準備を!」
「本当ですか!」
「セイ様とセナ様を起こしてきます!」
「ん゙~何すごい騒がしいけど」
「セイ様!領主が来ます!」
「ん?領主?何しに来んの?」
「セイ様達を捕まえるためです!」
「・・・・はぁ、懲りてないな」
「セナ様は、まだ寝ているので?」
「昨日は遅くまで起きてたから、まだ寝てるよ」
「なら早く起こさなくては」
「起こさなくていいよ」
「ですが!」
「領主とは、俺が話を付けておくから」
「何をする気ですか!」
「う~ん、脅迫?」
「そんな事をしたら指名手配されますよ!」
「大丈夫だよ、指名手配は領主だけじゃなくて、国王の許可がいるから」
「国王陛下が許可を出したらどうするですか!」
「絶対に出さないよ、俺が本気を出したら、どれだけの被害が出ると思ってるの」
「しかし、確実に他の貴族から目をつけられますよ」
「そんなの気にしてたら、旅が面白く無くなるよ」
「はぁ、ならセイに頼みましょう」
「シスターいいの?」
「仕方ないわよ、いざとなれば逃げればいいから」
「じゃぁマリさん領主の所まで案内して貰ってもいいですか?」
「えっ、ええ、いいけど本当に大丈夫なの?」
「セイなら大丈夫だよ」
「そうね」
「なら案内するからついてきて」
「分かった」
マリはセイを連れ、町長の家に向った
「本当に大丈夫かしら」
「セイなら大丈夫だよ」
「そうですね、セイ様は強いですから」
「セイ様に怪我をされることができる者は、世界に一握りしかいませんから」
「あら、当たり前でしょ、私の息子ですから」
「「「「セナ様!」」」」
「起きてたのですか?」
「ええ、少し前から馬車の中から聞いていたわ」
「それならセイ様を止めてくださいよ」
「無理よ、セイは昔から縛られるのが嫌いだもの」
「それはそうですが」
「セイは前世の経験から妥協しすぎると、自身を滅ぼすって考えてるの」
「しかし、世の中それでは問題ばかり起きますよ」
「何言ってるの、セイはある程度は問題にしないのよ、だけど相手が無理に事を進めると、容赦しないのよ」
「そういえば、セイ様から理不尽な事はしないですね」
「そうよ、結局相手しだいなの」
「なら、安心ですね」
セイはマリに案内され、領主の元に向かっていると、レオンと領主が揉めている声が聞こえてきた
「早く魔法師を出せ!」
「だから言ってるではないですか、今この町の魔法師は私の叔父だけです」
「だが!私は聞いたのだ!」
「何をですか?」
「約10年前に、この町から逃げた魔法師が帰ってきていると!」
「誰がそんな事を…」
「そんな者はどうでもいい!早く私の前に連れてこい!」
「呼んだ?」
「セイ!何で出てきたんだ!」
「いや、領主の馬鹿が呼んでるって聞いたから」
「馬鹿だと!貴様無礼であろう!」
「はぁ?お前ほどじゃねぇよ」
「貴様!何様のつもりだ!」
「えっ俺様?」
「「ぶっ…」」
「貴様…まあいい貴様私の部下になれ!」
「普通に嫌だけど」
「なんだと!この高貴な私の部下になれるのに、断るのか!」
「お前は高貴じゃないから」
「貴様!もう許さん!お前達!」
「「「「「はっ!」」」」」
「この者を処刑にしろ!」
「「「「「はっ!」」」」」
「悪く思うな坊主」
「いや別に、それより自分の身の安全を考えたほうがいいよ」
「なんだと」
セイは、領主の部下達に囲まれたが、全く気にも止めていなかった
「それで、領主名前何だけ?」
「ふん!下賤な者に教えてやろう、私はボコス チャカと言う、貴様ごときが知るには過ぎた名だ!」
「ふ~ん、まあどうでもいいけど」
「なっ!」
「それよりさ、前から聞きたかったんだけど、教会の金横領してるよね」
「「「「「えっ…」」」」」
「…何を言っているそんな訳無いだろう、変な言いがかりはよせ」
「いや、普通に教会のシスターの給料が、月に金貨10枚ぐらいなのはおかしいだろ」
「「「「「うそ…」」」」」
「…何を根拠に言っている」
「普通にシスターが、今月の給料はいくらだったって言ってたから」
「本当に横領をしたのですか!」
「知らんな、私には関係ないことだ」
「関係なくないですよ!」
「もし横領があっても、私ではなく部下の誰かだろう」
「っ、あなたって人は!」
「ふん!そんなことより、早くそいつを殺せ!」
「「「「「「っ…」」」」」」
「何をしているのだ!早く殺せと言っているだろう!」
「無理だぞ、こいつ等はもしお前が横領していたら、自分達も教会から調べられると思っているからな」
「ちっ、使えんゴミが、仕方無い私自ら殺してやろう、くらえ【火蜂】!」
領主はセイに向かい魔法を使った…
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