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ハンター生活
57話 変異種
しおりを挟むセイは、セナ達が一緒に旅に出ることを知った翌日、朝から1人庭で剣を振っていた
「(さて、どうしたものかな)」
「(母様達が一緒に行くなら、まずは冥王様の所に行くべきだな)」
「(問題は、その後なんだよね)」
「(シスターの魔法で、魔獣達を元に戻せるか、まずは魔物から練習して欲しいし)」
「(その為には、魔物を生きたまま捕まえなくちゃいけない)」
「(だけど、魔物は凶暴だから捕まえれる魔物を探さなくちゃいけない)」
「(捕まえれる魔物は、やっぱりスクワロル種、リスの魔物なら捕まえやすいか?)」
「(でもスクワロル種は山や森の領域にいるけど、数が少ないから見つけるの大変なんだよな)」
「ふぅ、困ったな…」
「セイ様、何か悩みでもあるのですか?」
「ゼバスさん、ちょっとシスターの魔法で…」
「治す魔法だと、冥王様から聞いております」
「俺は、シスターの魔法なら魔獣達を元に戻せると思ってるけど、いきなり魔獣でやるのはどうなるか分からないから、魔物でやりたいんだよ」
「そうですね、でも魔物は凶暴ですよ」
「そうなんだよ、だから捕まえられる魔物を考えてたんだけど、スクワロル種かなって思ったんだけどな…」
「スクワロル種は、見つけるのがかなり運ですから、それで困っていらしゃったんですか?」
「どうしたらいいかとな」
「なら魔獣達に理由を説明して、協力してもらえばよろしいかと」
「いいのか?」
「魔獣の中には最早生きていく希望を持てない者もいます、人に戻ることを願いながら諦めた者達には、マーサ様は希望になり得る方なので、心良く引き受けるかと」
「なら頼もうかな」
「はい、私から冥王様にご連絡しておきます」
セイ達が話していると、王都全体に鐘の音が響き渡った
「っ、これは!」
「緊急の鐘がなるとは」
「セバスさん、俺ギルドに行ってくる!」
「はい、セナ様達は私めが」
「任せました!では!」
セイは、急ぎハンターギルドに行き、マスターから話を聞いた
「マスター!これは何の鐘だ!」
「セイ来たのか、なら東の門に行くぞ!」
ギルドマスターとセイは、急ぎ東の門に行くために、屋根の上を走って向かった
「よし!着いたぞ!」
「「「マスター!」」」
「それで何が起きた!」
「「「それが…」」」
「何だ!はっきり言え!」
セイは、遠くから王都に向かって来る魔物を見ていた
「あれは…レッドベアか?」
「なに!レッドベアだと」
「そうだが、デカいな変異種か?」
「あれはデカすぎる、変異種だな」
「火を腕と脚に纏ってるな、他の所は魔力纏ってるし、あれを倒すのは大変だぞ」
「お前なら倒せるか?」
「倒せるけど、被害が出るぞ」
「どのぐらいだ」
「あれを倒すなら、強力な魔法を使わないと無理だから、魔法の余波でしばらく、この門は使えなくなるな」
「そうか、ならやってくれ」
「いいのか?余り手加減できないぞ」
「仕方ないだろ、民間人に被害を出さないためにも」
「分かった、なら本気で仕留めるぞ」
「ああ、頼む」
「なら俺も前には誰も立たせるなよ」
「分かった」
全員が距離を取りセイは魔剣を構えた
「「「マスターいいんですか?」」」
「何がだ」
「「「こんな子供に頼んでも」」」
「お前らは知らないか、セイの魔法は強力な力だ、それにあの剣を見てみろ」
「「「魔剣!」」」
「そうだ、それも世界最強の魔剣の1つ魔剣ハーデスだ、あれを使えばより強い魔法を撃てる」
「「「魔剣ハーデス…」」」
「変なことは考えるなよ、あれはハーデス家の血筋しか使えない魔剣だ」
セイは、レッドベアと20メートルの距離になった時、魔剣を振り下ろした
「よし!行くぞ!【氷剣零断】!」
セイが、放った【氷剣零断】はレッドベアを縦に斬り、切断面から周りを凍らせていった、そしてセイの前からレッドベアの後20メートルがセイの魔法の余波で凍りついた
「よし!討伐完了!」
「よし!じゃねぇ!」
「何だよマスター」
「お、お前!どうするんだよ!これ!」
「マスターは被害がでても良いって言ったよな!」
「言ったぞ!だけどな!俺は地面が斬られるだけかと思ってたんだよ!」
「知るか!それをできるのは風属性だけなんだよ!」
「なら!風属性でやればよかったろ!」
「無理に決まってるだろ!相手はかなりの火を纏ってたんだぞ!そんな相手に風属性で攻撃したら、火が強くなるかもしれないだろ!」
「だが!土属性ならここまでの被害は出なかったろ!」
「何言ってんだよ!土属性でやっていたら地割れみたいになってたぞ!」
「はぁ!なら水属性なら良かったろ!」
「水属性でやったら水蒸気爆発の危険があっただろ!」
「しかし!これだとしばらく門が使えないだろ!」
「だから!最初に門が使えなくなるって言ったろ!」
セイとギルドマスターは、それから騎士団が来るまでの間、言い争いをし続けた
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