異世界転生漫遊記

しょう

文字の大きさ
上 下
55 / 270
ハンター生活

49話 懸賞金

しおりを挟む


 セイ達は荷車を押しながら王都に戻っていた

「セイ!これ凄く大変なんだけど!」

「車輪の大きさがバラバラだからだな」

「もっとしっかり作ってよ」

「仕方ないだろ初めて作ったんだから」

「左にすぐ行っちゃう」

「後少しなんだから文句言うなよ」

「分かってるけど、前大変なんだよね」

「後も大変なんだけど」

 セイとサラは文句を言いつつ王都に到着した

「着いた!」

「あぁ、やっとな」

「これからどうする?」

「まずは荷車を持ってこよう」

「そうだね、なら私が取ってくるよ」

「なら頼むよ、俺はサンダーホルスを見てる」

「なら行ってくるね」

 サラが荷車を取りに行っている間、セイは通行人にずっと見られ続けた

「セイ、持ってきたよ」

「ならこの荷車は壊そうか」

「ちょっとすみません」

「ん?何か用?」

「この荷車を壊すって聞こえたんですが」

「ええ、車輪もガタガタなので、必要ないかと」

「なら貰ってもよろしいですか?」

「いいですけど何に使うんですか?」

「孤児院の荷車しようかと」

「もしかして孤児院の関係者なんですか?」

「ええ孤児院の院長をしています」

「セイ、あげようよ」

「そうだな」

「いいんですか?」

「いいですよ」

「ありがとうございます」

「いえ、私達も元孤児なので、助けになるなら」

「そうなんですか、本当にありがとうございます」

 セイ達は院長と別れ、ハンターギルドに向った

「解体場を借りなきゃ」

「なら俺が受付に行ってくる」

「なら待っているね」

 セイはギルドに入って行った

「くっさ!昼前より臭い!」

「「「「はぁ?」」」」

「本当に職員が可哀想だな」

「坊主!喧嘩売ってんのか!」

「近づくな!汗と加齢臭が臭い!」

「このクソガキが!」

セイは殴りかかって来た男をカウンターで沈めた

「後何?ハンターの女性は平気なの?」

「「「「いや、我慢してるだけよ!」」」」

「「「「えっ…」」」」

「だろうね、よく我慢してるよ、俺なら近くに行くのも嫌だね」

「「「「分かる!近くに来てほしくない!」」」」

「「「「そんな…」」」」

「ちゃんと毎日体拭いてる?」

「「「拭いてる!」」」

「絶対に適当に拭いてるでしょ」

「「「そんな事は!」」」

「それに、女性からしたら、せめて2日に1回は大衆浴場で、石鹸を使って体洗ってほしいでしょ」

「「「「その通り!」」」」

「「「でも金が…」」」

「だからハンターの男は、結婚できないんだよ、エール2杯我慢すれば毎日入れるのに、それが出来ないから女に嫌われる」

「「「「分かる!いくら稼げても臭いとねぇ」」」」

「「「よし!今から風呂に行ってきます!」」」

ギルドから男のハンターがいなくなり、セイは空いた受付に向った

「あれ?マスターが受付してたの?」

「ああ、この時間は皆受付したくないって言うから、俺が代わりに」

「大変だね、まぁ風呂には入るみたいだから、これからは少しは大丈夫なんじゃない?」

「そうだといいが、それで何のようだ」

「解体場を借りたい」

「何だ今日狩りに行ったのか?」

「時間があったからね」

「それで何処に行った?」

「草原だよ」

「今、草原は魔物が少ないだろ」

「本当だよ、ブラックホルスしか見つからなかったけど、急にサンダーホルスに襲われて戦闘になるし」
 
「っ、倒したのか!」

「まあね、ちょっと手こずったけど倒してきたよ」

「本当か!よくやった!」

「褒められることしてないけど」

「いや、あそこのサンダーホルスが強すぎて、他の魔物が逃げてるんだよ」

「なら、戻ってくるかもね」

「ああ、それじゃ解体場の許可と一応強いサンダーホルスか確認するぞ」

「分かった」

セイはギルドマスターを連れて、サラの下に向った

「これが、倒したサンダーホルスだよ」

「やっぱりか!懸賞金出るぞ!」

「どういうこと?」

「このサンダーホルスは、強すぎて懸賞金が掛かってたんだ」

「「へぇ~」」

「反応が薄いな」

「いや、確かに強かったけど、懸賞金が出るほど強いとは思わなくて」

「それはお前らが強いからだよ!」

「懸賞金いくら?」

「確か、金貨150枚だったはずだ」

「何だそんなもんか」

「はぁ?金貨150枚だぞ!」

「いや、母様が普通にお小遣いで金貨10枚ぐらいくれるし」

「金持ちの家だからな!」

「そうか?」

「セイは、初めて貰ったお小遣いが、金貨10枚だったから」

「なら嬢ちゃんは?」

「私は、銅貨10枚だよ」

「なら金貨150枚は驚くよな!」

「驚くけど、セナさんと暮らし始めてから、私も金貨10枚貰ってるから」

「お前もか!」

「まあ、元王妃の家だし、そんなもんだよ」

「はぁ~、もういい、ならお前らは解体場に行ってろ、俺は懸賞金持ってくるから」

「「分かった」」


セイ達はそのまま解体場に向かい、マスターは金持ちの金銭感覚にショックを受けながら、懸賞金を取りに戻った



お金の価値
大金貨=十万円
金貨=一万円
銀貨=千円
銅貨=百円

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ ★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位! ★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント) 「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」 『醜い豚』  『最低のゴミクズ』 『無能の恥晒し』  18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。  優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。  魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。    ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。  プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。  そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。  ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。 「主人公は俺なのに……」 「うん。キミが主人公だ」 「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」 「理不尽すぎません?」  原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。 ※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

処理中です...