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剣の道
36話 冥王と話 3
しおりを挟む冥王とセナは魂の役割をセイから聞いた
「うむ魂の役割は分かった、そしてお主が前世の記憶を持って持っているのも」
「ですが、何故神様は、記憶を持って生まれ変わらせたの?」
「世界を発展させる為に、俺の前世の知識が役に立つと思ったからだね」
「世界の発展?」
「この世界はかなり長い間、発展が止まっているから、少し刺激を与えたかったんだよ」
「うむ、そうじゃな、かれこれ2000年は停まっとる」
「それはおかしな事なのですか?」
「うむ、儂はわからぬが、神は、おかしいと思ったのだろう」
「俺からしても、かなりおかしいと思うけどね」
「セイからしても?」
「えぇ、この世界は発展が遅すぎる、人間がいるのにここまで遅いのは理由があると、俺も思う」
「では、セイはこの世界を発展させる方法を、知っておるのか?」
「最初はそれを探そうと思いましたけど、今はもう考えてないですね」
「どうして?神様はそのために、記憶を残したのでしょ?」
「だって無理ですよ、この世界は、魔素がかなり発展の邪魔をしてますから」
「魔素が発展の邪魔じゃと?」
「だって魔素のお陰で人は強くなるし、魔素のせいで薬の出来上がりが変わるし」
「それは当たり前の事じゃろ?」
「そうよ、魔素のお陰で人は生きていけるのだから」
「魔素が無ければ人は、もっと頭を使ったよ」
「どういう事?」
「俺の前世の世界は、魔素が無かったから、すごく強くても剣で熊を倒せるぐらいだったよ」
「それは…弱くないか?」
「そうですね、この世界なら15歳で熊ぐらい倒せます」
「魔素が体を強くしてるからね、でも本来の人間は、それ程弱いんだよ」
「では、獣人は?」
「俺の前世には、人間しかいなかったよ」
「何?なら他の種族は?」
「いなかったよ、多分この世界は、魔素のお陰で、色々な種族が産まれたんだよ」
「ならばセイの前世は人間だけの世界だと?」
「そうだよ、人間と動物、後は虫と魚ぐらいかな?」
「なら魔素の無い世界は、どうやって発展していったの?」
「研究したからだよ」
「「研究?」」
「えっこの世界は、研究しないの?」
「そもそも研究?は何をするのじゃ」
「物事を深く考えたり、調べたりすることだよ」
「何を考えたり、調べるの?」
「そうだな、何故火は燃えるのか、何故雨は降るのか、何故雷は鳴るのか、ありとあらゆる事を、考え、調べ、実験をするそれが研究だよ」
「でもそれが何の役に立つの?」
「例えば火なら料理に必要でしょ?でもこの世界は、魔素のお陰で誰でも火を着けることができるけど」
「そうね、魔法師じゃなくても、料理に使う火なら誰でもつけれるわね」
「なら魔素や魔力無しで火をつけられる?」
「えっ…無理だわ」
「儂も無理だな、セイはできるのか?」
「時間はかかるけど、できるよ」
「どうやって?」
「原始的なら木と紐を使って」
「木と紐だけで火がつくのか?」
「つくよ、後で見せてあげる」
「なら楽しみにしておこう」
「私も楽しみだわ」
「話はずれたけど、つまりこの世界は、魔素のお陰で成り立っているけど、魔素のせいで発展が進まない、たから俺にはこれ以上の発展は多分無理だと思うんだ」
「なるほどの、では魔素のなしの研究とやらをすれば良いのでは?」
「いやそれが無理なんだよね」
「あらどうして?」
「さっきも言ったけど、普通薬の出来上がりは、人によって左右されないからだよ」
「どういうことじゃ?」
「この世界は物を作る時、作りての魔素に空気中の魔素が反応して、効力を変えてしまってるから、人によって出来が全く違うんだよね」
「それだと研究は駄目なの?」
「実験の結果が、変わっちゃうから」
「なるほどの、つまりセナの前世は同じ事を誰がやっても同じ結果になるんじゃな?」
「そうだよ、薬なら同じ材料を同じ工程でやれば同じ効き目の薬ができる、けどこの世界は、1人1人違う効き目になっちゃう、それじゃ駄目なの」
「だから魔素のせいで発展しないと」
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