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冥王の断罪
24話 冥王の捜し物
しおりを挟む国王は子供達の問題を胸に抱えながら冥王を協定の間で待っていた
「冥王ハデス様が到着しました、これよりここに来ます」
「あぁ分かった…お主も下がってよいぞ」
「はっ!失礼します」
「キースよ、先程から腕が震えるのだが」
「陛下もですか、私も何故か震えが」
「レインお主は…どうした額に汗が出ておるぞ」
「冥王様の気配に怒りがあるのを感じます、陛下と宰相の震えは本能的に出ているものです」
「レイン…お主」
「今は友として言わせてもらう、俺は今騎士団長達を呼ばなくて良かったと、心から思っている、レイ、キース冥王様はかなり怒っている、それも国を滅ぼしかねないほどに」
「「・・・・・・・・」」
「お前がそこまで言うならそうなんだろう」
「キース、レイン…力を合わせここを乗り切るぞ!」
「「はっ!」」
そしてセバスが扉を開き冥王ハデスと12体の将軍が入ってきた
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「うむ、久しいな国王」
「はいっお久しぶりです」
「「・・・・・・・・」」
もはや宰相と近衛騎士団長は本能的恐怖で動けなくなっていた
「さて今日は、儂の私用で来た」
「私用ですか?」
国王が何とか返事ができているのは、返事をしなければ死ぬと心の底からの恐怖のお陰である
「うむ、その前に協定を更新をしよう」
「はいっ宰相!協定書を!」
「…はい!こちらです」
「見た所前と変わりないな、ではここにサインをし、更新を終わらせよう」
そうして冥王ハデスと国王のサインが書かれ協定の更新は終わった
「さて本題に入ろう」
「本題ですか?」
「儂は今日、王妃に会いに来た」
「王妃に?何故ですか!」
「お主には関係ないことだ」
「関係なくなどありません!セナは私の妻です!」
「黙れ!妻も守れぬ弱者の分際で!」
冥王の怒りが国王達を動けなくした
「セバス!そこの宰相を連れ、今すぐ王妃を連れて来い!」
宰相はセバスに担がれ王妃の所に案内をさせられた
「…理由をお教えください」
「さっき言ったであろう王妃に会いに来たと」
「会うのが目的ですか?」
「それ以外もあるがな」
それから長い沈黙が部屋を支配した
そしてセバスが戻って来て
「冥王様もうすぐ来ます」
「おぉそうか楽しみじゃの、で?似ていたか?」
「いえ私もまだ見ておりません」
「何故じゃ?」
「やはり冥王様が、先に見たほうが良いかと」
「お主は真っ事よく分かっとるの!」
それからすぐ扉をノックする音が聞こえた
コンコン「陛下、冥王様が私をお呼びと」
「そうじゃ、はよ入って来い!」
「では失礼します」
そうして入ってきた王妃は腰まで伸びた黒く綺麗な髪、眼はルビーのような赤、何処か妖艶で気品がある姿であった
「?何故冥王様の配下たちは頭を下げているのですか?」
セバスを筆頭に将軍達もけして王妃を見ないようにしていた
「お主が王妃か」
「はいそうですが」
「やはり似ておる…その首飾りは今も動くのか?」
「はい私の血に反応し光ります」
「やはり!お主が!」
「冥王様では?」
「あぁそうじゃあの子に持たせた首飾りじゃ」
「おめでとうございます、冥王様」
「「「おめでとうございます」」」
「あぁやっと見つけたな」
「?これは私の父の一族に伝わるアイテム、冥王様は何かご存知なのですか?」
「うむ説明しよう、さて国王部屋を借りるぞ」
「私もその話を聞いていいでしょうか」
「……まぁいいだろう」
「では応接室に…」
こうして冥王達は、部屋を変えることに、そして冥王の目的の断罪が始まる
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