3 / 5
第一章
1話
しおりを挟む
…世の中には優秀すぎるが故に憎まれる対象になることもよくある。
…かくゆう俺もそういうやつなのだろう。成績優秀、容姿端麗、運動神経抜群。誰もが喉から手をだしても欲しそうなものを全て持っている。だが、みんなは知らない。
…俺が容姿以外は全て努力して身につけたことを。
…天才なんかではないただの努力家だということを。
…だが、それでも優秀であって天才ではなかった。
…圧倒的な才能はなかった。
…そういうものにとても憧れていたが、俺にはなかった。
「……ふぁぁ。なんか変な夢を見たな。」
「おはよう。黎。」
「おはよう。姉さん。」
…俺は御堂財閥の跡取り息子だ。だからこそ努力してその名に恥じない人間になってきたつもりだ。
「それじゃあ行ってくる。」
「行ってらっしゃいませ。」
…俺が通っているのは四葉高校という名門の学校だ。日本で1番頭が良く、なんでも揃っているため、天才の集結する場所としても名高い。幼稚園から大学院まであるが、内部受験があり、上に上がるためには上位30%に入らないといけない。だが、もうそれは勉強しなくても点が取れるような天才ばかりなので一見すると風景はそこまで変わらない。
…物思いにふけってしまっていたらいつのまにか帰りの車の中だった。今日は何かおかしいようながする。嫌な予感がした次の瞬間、今までに感じたこともないようなものすごい地震が起きた。
ゴゴゴゴォォォォォォ!
「坊っちゃま!大丈夫ですか!?」
「ああ。なんとか。すぐに家まで戻るぞ。」
「承知いたしました。」
…道路が混乱する前に猛スピードで家まで帰ってきた。
「一体何があったんだ?」
「今調べています。」
…今の揺れはなんなんだ?何が起きたんだ?
「わかりました。世界各地で大地震が発生。場所関係なく地震が起き、沿岸部は総じて津波の被害が起き、各国で雷、竜巻、台風、洪水、などが起きています。さらに隕石が大量に降ってくるとNASAから連絡が入っております。」
「姉さんは帰ってきているか?もう1分ほどで来る予定です。当主夫妻はすでに核シェルターに入りました。」
「そうか。家のものは全員1時入るように。俺は姉さんが来たら一緒に行く。」
「わかりました。」
…それからは大変だった。避難が完了してからそこで災害などが収まるのを待っていたが、俺は情報収集に徹することにした。父さんはオンラインで各国の首脳を集めて会談していたようで、母さんは家にいた使用人やメイド、執事なんかの人数確認とシェルター内の掃除なんかを一緒にやっていた。姉さんも手伝っているようだ。
…自動的に必要な情報を集める機能が完成したので一時仮眠を取ることにした。
「すまない。少しだけ眠る。お前も適当に休んでくれ。」
「承知いたしました。」
…なんだ?ここは?俺は眠っていたはずじゃなかったか?
ー私はあなたを成長させる。プログラムです。始まる前にこれを読んでください。
…どういうことだ?
御堂 黎という名の少年へ
これをお前が呼んでいるということは俺はすでにいないだろう。
押し付けてしまうようですまないんだが、役立つと思うから俺の力をやる。
ただ、今のお前には俺の力に耐えられないから少しずつ渡していこうと思う。
力と一緒に俺の記憶も渡す。
俺がどういう人物であったかを知りたければ、頑張ってくれ。
力は原則お前が成長すれば渡されるレベルアップ方式だ。
成長プログラムはそれのことだ。
それじゃああとは頼んだぞ。
…一体なんだこれは?
ーそれでは成長プログラムがインストールされます。よって、ナビは終了いたします。
…俺はどうすればいいんだ?
「うーん。」
…いったいあの夢はなんだったのだろうか?心なしか体が軽いようだ。情報を見ていく。これを見る限り、ものすごいことになっていそうだな。外は。
…それにしてもだいぶ収まったようだから良かった。復興費用がすごいことになりそうだが、まあなんとかなるだろう?ん?なんだこれは?こんなことはあり得るのか?
「起きてるか?」
「はい。」
「たった今入った情報だ。これを見てくれ。」
世界各国にダンジョンのようなものが出現。
全部で100個の大穴が隕石によって開いたが、全てまるでゲームのダンジョンのような作りになっている。そのほかにも様々な場所でゲートのようなものが出現。そのほか急に常識を超える力を持つ人が現れている。
「これは…」
「事実のようだ。一刻も早く父さんに伝えなければ。」
「会議に参加した方が早いでしょう。」
「ああ。緊急事態だ。仕方がない。」
ピロン
…軽快な音とともに会議に入る。
「失礼します。」
「誰だ?」
「御堂 雷蔵の息子黎と申します。緊急事態のため入らせていただきました。」
「俺はこのグループを教えた覚えはないぞ。」
「今ハッキングして入りました。そんなことより、大変です。これをご覧ください。これはインターネットから膨大な情報を確認し、A I が事実を確認、最適化し、見やすくしたものになっています。」
「本当なのか?」
「ええ。こんな嘘をつく意味がわかりません。それでは後はお願いします。」
ピロン
…会議のメンバーはそうそうたる面々だったな。何が起きているのか調査してもらわないと。
「全ての軍のデータベースにアクセスできるようにしてくれ。状況を確認したい。」
「わかりました。たしかバックドアが仕込んであったと思うのでそれを使ってアクセスします。」
「わかった。頼んだぞ。」
…もしかしたらさっきの夢は現実なのかもしれない。調べる必要があるな。
ー今日の雑談ー
ゆー「ども。ゆーです。なんかこれだ!って思うものを感じられたら是非お気に入り登録をしていってください。」
…かくゆう俺もそういうやつなのだろう。成績優秀、容姿端麗、運動神経抜群。誰もが喉から手をだしても欲しそうなものを全て持っている。だが、みんなは知らない。
…俺が容姿以外は全て努力して身につけたことを。
…天才なんかではないただの努力家だということを。
…だが、それでも優秀であって天才ではなかった。
…圧倒的な才能はなかった。
…そういうものにとても憧れていたが、俺にはなかった。
「……ふぁぁ。なんか変な夢を見たな。」
「おはよう。黎。」
「おはよう。姉さん。」
…俺は御堂財閥の跡取り息子だ。だからこそ努力してその名に恥じない人間になってきたつもりだ。
「それじゃあ行ってくる。」
「行ってらっしゃいませ。」
…俺が通っているのは四葉高校という名門の学校だ。日本で1番頭が良く、なんでも揃っているため、天才の集結する場所としても名高い。幼稚園から大学院まであるが、内部受験があり、上に上がるためには上位30%に入らないといけない。だが、もうそれは勉強しなくても点が取れるような天才ばかりなので一見すると風景はそこまで変わらない。
…物思いにふけってしまっていたらいつのまにか帰りの車の中だった。今日は何かおかしいようながする。嫌な予感がした次の瞬間、今までに感じたこともないようなものすごい地震が起きた。
ゴゴゴゴォォォォォォ!
「坊っちゃま!大丈夫ですか!?」
「ああ。なんとか。すぐに家まで戻るぞ。」
「承知いたしました。」
…道路が混乱する前に猛スピードで家まで帰ってきた。
「一体何があったんだ?」
「今調べています。」
…今の揺れはなんなんだ?何が起きたんだ?
「わかりました。世界各地で大地震が発生。場所関係なく地震が起き、沿岸部は総じて津波の被害が起き、各国で雷、竜巻、台風、洪水、などが起きています。さらに隕石が大量に降ってくるとNASAから連絡が入っております。」
「姉さんは帰ってきているか?もう1分ほどで来る予定です。当主夫妻はすでに核シェルターに入りました。」
「そうか。家のものは全員1時入るように。俺は姉さんが来たら一緒に行く。」
「わかりました。」
…それからは大変だった。避難が完了してからそこで災害などが収まるのを待っていたが、俺は情報収集に徹することにした。父さんはオンラインで各国の首脳を集めて会談していたようで、母さんは家にいた使用人やメイド、執事なんかの人数確認とシェルター内の掃除なんかを一緒にやっていた。姉さんも手伝っているようだ。
…自動的に必要な情報を集める機能が完成したので一時仮眠を取ることにした。
「すまない。少しだけ眠る。お前も適当に休んでくれ。」
「承知いたしました。」
…なんだ?ここは?俺は眠っていたはずじゃなかったか?
ー私はあなたを成長させる。プログラムです。始まる前にこれを読んでください。
…どういうことだ?
御堂 黎という名の少年へ
これをお前が呼んでいるということは俺はすでにいないだろう。
押し付けてしまうようですまないんだが、役立つと思うから俺の力をやる。
ただ、今のお前には俺の力に耐えられないから少しずつ渡していこうと思う。
力と一緒に俺の記憶も渡す。
俺がどういう人物であったかを知りたければ、頑張ってくれ。
力は原則お前が成長すれば渡されるレベルアップ方式だ。
成長プログラムはそれのことだ。
それじゃああとは頼んだぞ。
…一体なんだこれは?
ーそれでは成長プログラムがインストールされます。よって、ナビは終了いたします。
…俺はどうすればいいんだ?
「うーん。」
…いったいあの夢はなんだったのだろうか?心なしか体が軽いようだ。情報を見ていく。これを見る限り、ものすごいことになっていそうだな。外は。
…それにしてもだいぶ収まったようだから良かった。復興費用がすごいことになりそうだが、まあなんとかなるだろう?ん?なんだこれは?こんなことはあり得るのか?
「起きてるか?」
「はい。」
「たった今入った情報だ。これを見てくれ。」
世界各国にダンジョンのようなものが出現。
全部で100個の大穴が隕石によって開いたが、全てまるでゲームのダンジョンのような作りになっている。そのほかにも様々な場所でゲートのようなものが出現。そのほか急に常識を超える力を持つ人が現れている。
「これは…」
「事実のようだ。一刻も早く父さんに伝えなければ。」
「会議に参加した方が早いでしょう。」
「ああ。緊急事態だ。仕方がない。」
ピロン
…軽快な音とともに会議に入る。
「失礼します。」
「誰だ?」
「御堂 雷蔵の息子黎と申します。緊急事態のため入らせていただきました。」
「俺はこのグループを教えた覚えはないぞ。」
「今ハッキングして入りました。そんなことより、大変です。これをご覧ください。これはインターネットから膨大な情報を確認し、A I が事実を確認、最適化し、見やすくしたものになっています。」
「本当なのか?」
「ええ。こんな嘘をつく意味がわかりません。それでは後はお願いします。」
ピロン
…会議のメンバーはそうそうたる面々だったな。何が起きているのか調査してもらわないと。
「全ての軍のデータベースにアクセスできるようにしてくれ。状況を確認したい。」
「わかりました。たしかバックドアが仕込んであったと思うのでそれを使ってアクセスします。」
「わかった。頼んだぞ。」
…もしかしたらさっきの夢は現実なのかもしれない。調べる必要があるな。
ー今日の雑談ー
ゆー「ども。ゆーです。なんかこれだ!って思うものを感じられたら是非お気に入り登録をしていってください。」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
雷鬼
まるたこ
ファンタジー
現代に現れたモンスターによって変わった世界で出会う2人から始まる。
※舞台は日本ですが現実とは違う世界線だと思って見てください。
◆◆◆◆や改行によって時間が飛んでたりします。
設定緩く気ままに書いてます。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる