3 / 8
目覚め
しおりを挟む
入学式。首席の彼は最初に言葉を述べる。
「晴天の…」
スピーチが終わり教室に向かう。
この学園は貴族や平民など関係なく受験によって選抜される。平民にも可能性ができるように試験は基本的に別々となっている。SクラスからDクラスまでのいずれかに全員が配属される。平民は最高でも原則としてBクラスからだ。学ぶ環境にいなかった平民がここまでくること自体が大変名誉となっていた。
だが今年は少し違った。
ガラガラ
「よう!俺はスウェート。よろしくな!」
「ゼロ。」
Sクラスは合計で15人。入学した時点では貴族しかいないこのクラスも定期テストによって入れ替わり卒業時にはそこまで比率は変わらなくなる。
「これで全員揃ったな。俺はこのクラスの担任のシエロだ。これからよろしくな…それにしても今年のSクラスは凄まじいな。戦場の英雄に勇者、おまけに全員それぞれ家の神童とまで言われるほどの奴らとは。こりゃ教えることないだろ。」
そう。勇者がいるのである。平民でありながら勇者の能力に覚醒した人間。
今日は特に何もなかったのでそれで終わりだったがゼロはいつものように戦場へと向かう。
「皇帝陛下。今日は?」
「一旦停戦だ。」
「はい。」
初めての休戦命令。
「魔王がついに目覚めた。勇者がお前のクラスにいただろう。各国は一旦停戦。協力して魔王を討つことにした。魔王は別格だ。お前を派遣してもいいがそれで失うわけにはいかない。嬉しいことに我が国は勇者が発見された。それを派遣すればいいだろう。」
「はい。」
「今日は休め。」
「はい。」
帝国に損失を出させるわけにはいかない。
ひとまずゼロは魔王を見に行った。
意識はない。ただ暴れ回っているだけだ。まだ目覚めたばかりの興奮状態となっている。
勇者たちではこれはおそらく倒せないだろう。
今倒すこともできるが国の近くに来るギリギリまで放置することにした。
侵略された土地を根こそぎ奪う為だ。
転移して戻ってくると目の前に父親がいた。
「どこにいっていた。」
「いえ。」
「うーん。まあいい。休めと言ったら休んでくれよ。」
「はい皇t…!」
「うん?どうした。」
「これは今すぐに対応すべきでしょう。国益に影響する。」
「何を言っている。ぜ…「皇帝陛下!」ろ?どうした。そんないあわてて。」
「魔神が!」
「何を言っている。魔神なんて伝承上のものじゃ…「いいえ。」?」
「この圧倒的な魔力は神の領域ですね。」
「なんだと!?それならば今すぐ各国と連絡を取らねば!」
「!」
「まだあります!」
「エンシェントドラゴンが眠りから目を覚まし、3方向からの攻撃です!」
「はぁ!?」
「近くの国は全て壊滅いたしました!」
「これはまずいな…「パチン」どうした?」
「今この国に結界を張り巡らせました。これでこの国の中にいる限り安全でしょう。」
「本当か?」
「ええ。」
「よくやったぞ。わしは少し調べ物をしてくる。代わりに各国と対談をしてくれ。」
「はい。」
「それじゃあ後は頼んだぞ。」
「晴天の…」
スピーチが終わり教室に向かう。
この学園は貴族や平民など関係なく受験によって選抜される。平民にも可能性ができるように試験は基本的に別々となっている。SクラスからDクラスまでのいずれかに全員が配属される。平民は最高でも原則としてBクラスからだ。学ぶ環境にいなかった平民がここまでくること自体が大変名誉となっていた。
だが今年は少し違った。
ガラガラ
「よう!俺はスウェート。よろしくな!」
「ゼロ。」
Sクラスは合計で15人。入学した時点では貴族しかいないこのクラスも定期テストによって入れ替わり卒業時にはそこまで比率は変わらなくなる。
「これで全員揃ったな。俺はこのクラスの担任のシエロだ。これからよろしくな…それにしても今年のSクラスは凄まじいな。戦場の英雄に勇者、おまけに全員それぞれ家の神童とまで言われるほどの奴らとは。こりゃ教えることないだろ。」
そう。勇者がいるのである。平民でありながら勇者の能力に覚醒した人間。
今日は特に何もなかったのでそれで終わりだったがゼロはいつものように戦場へと向かう。
「皇帝陛下。今日は?」
「一旦停戦だ。」
「はい。」
初めての休戦命令。
「魔王がついに目覚めた。勇者がお前のクラスにいただろう。各国は一旦停戦。協力して魔王を討つことにした。魔王は別格だ。お前を派遣してもいいがそれで失うわけにはいかない。嬉しいことに我が国は勇者が発見された。それを派遣すればいいだろう。」
「はい。」
「今日は休め。」
「はい。」
帝国に損失を出させるわけにはいかない。
ひとまずゼロは魔王を見に行った。
意識はない。ただ暴れ回っているだけだ。まだ目覚めたばかりの興奮状態となっている。
勇者たちではこれはおそらく倒せないだろう。
今倒すこともできるが国の近くに来るギリギリまで放置することにした。
侵略された土地を根こそぎ奪う為だ。
転移して戻ってくると目の前に父親がいた。
「どこにいっていた。」
「いえ。」
「うーん。まあいい。休めと言ったら休んでくれよ。」
「はい皇t…!」
「うん?どうした。」
「これは今すぐに対応すべきでしょう。国益に影響する。」
「何を言っている。ぜ…「皇帝陛下!」ろ?どうした。そんないあわてて。」
「魔神が!」
「何を言っている。魔神なんて伝承上のものじゃ…「いいえ。」?」
「この圧倒的な魔力は神の領域ですね。」
「なんだと!?それならば今すぐ各国と連絡を取らねば!」
「!」
「まだあります!」
「エンシェントドラゴンが眠りから目を覚まし、3方向からの攻撃です!」
「はぁ!?」
「近くの国は全て壊滅いたしました!」
「これはまずいな…「パチン」どうした?」
「今この国に結界を張り巡らせました。これでこの国の中にいる限り安全でしょう。」
「本当か?」
「ええ。」
「よくやったぞ。わしは少し調べ物をしてくる。代わりに各国と対談をしてくれ。」
「はい。」
「それじゃあ後は頼んだぞ。」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる