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「お父様
ただいま帰りました」
「あぁ お帰り
どうだったかい?」
アンジェリカの 赤い目と鼻をみて
察しはついていたが
優しく問いかけた

「はい 学ぶものが多くて
少し感情が落ち着くのに
 時間がかかりそうです
でも 今までになく 充実しておりますわ
行かせていただいた お父様に感謝いたします」

どうもお利口の答えだ

「そうか
楽しかった?」
「えぇ 子供達と………遊んでませんわ
なんてこと!シスターとお話ばかりで
遊んでません!今から」
「アンジェリカ いまから
そうそう 今から
隣の国のえっと
第二王子が挨拶にこられるよ
着替えておいで」
「え!畏まりましたわ
お父様 次は子供達と遊びますわね
ふふふ」
「そうしておいで」
ちょっと まだまだ 肩の力が抜けてないな

さて 王子も来ることだし
リザもそろそろだろう

二人をもてなすか

「マチルダを呼んでもらえるかな」
「畏まりました」


「旦那様 お呼びとか」
「うん  隣の第二王子のラインハルト様が
来るんだけど 知ってるよね」
「伺っておりますよ」
「でさ ちょっと何泊かしてもらおうかなぁ
なんて思ってるんだけど
リザもそろそろ到着だろうし」
「畏まりました
そのつもりでご用意させてもらいます」
「頼むよ
アンジェリカには もっと
肩の力を抜いてもらって
年相応のお嬢様になってもらいたいからね」
「そうですわね
10年間のお妃教育が抜けません
抜けなくてもいいのですが 
もっと 楽しいことを見つけないとですわね」
「そうそう 頼むね」
「はい」




「マリア 今日いらっしゃるのって
たしか ラインハルト様だったと思うのだけど」
「そう 伺っておりますよ」
「どんな方なのかしら」
「さぁどんな方でしょうか?」
「とりあえず着替えないとね」
「そうでございますね」



着替えて待つこと2時間
応接室で待っていると
「お嬢様 いらっしゃいますよ」
「わかったわ」

馬車が止まり
中から二人降りてきた

「いらっしゃいませ
ラインハルト様」
お父様がお迎えの言葉を

「ブレシア公爵
顔をあげてくれ
こちらこそ 寄らせてもらった
すまないな」
「とんでも御座いません
光栄にございます
ラインハルト様
こちらを紹介しても?」
「ああ この美しいご令嬢を是非」
「アンジェリカ ブレシアと申します」
「ラインハルトだ リザ殿に少し似ているな」
「叔母をご存知でしょうか」
「リザ殿には よくからかわれている」
お父様が慌てて
「ラインハルト様
申し訳ありません
きつく申し付けます」
「いいんだよ 
リザ殿くらいだよ
キチンと私に物を言ってくれるのは
感謝してるよ」
「そう言っていただけると助かります
どうぞ こちらへ」
「ありがとう アンジェリカ嬢
エスコートさせてもらえるかな?」
「ありがとうございます」

使用人全てが
ほわぁっとなっている
美男美女
そう 公爵と奥方の再来

最近エスコートなど
してもらっていなかったので
アンジェリカの顔が 真っ赤になっています

「アンジェリカ嬢
猫はお好きかな?」
「はい 大好きです」
「そうですか」
それだけ聞いて 黙るラインハルト

おかしな事を聞くのね?
不思議顔のアンジェリカ

「ラインハルト様
お掛けください」
「ありがとう 公爵
公爵もアンジェリカ嬢もお座りに」
「ありがとうございます」

お茶が運ばれてきて
当たり障りのない話が続いていたときに
公爵が
「ラインハルト様は この後どちらに?」
「特にないので 
こちらに少し滞在させてもらおうかと
思っている
リザ殿も近々来られるようなので
城下に宿を取ろうかと思っていたのだか
領地に滞在を許して貰えるか」
「そうでしたか
いえ 私の方こそ 
この城に滞在をお願いしようと
思っておりました
如何でしょうか
仰る通りリザも帰って参りますし」
「それは 助かるが
実は 猫を連れているのだよ」

公爵は!
その猫は 宿屋でアンジェリカが
可愛がっていたあの猫では?

「構いません アンジェリカも
猫が大好きで 
先日も泣く泣く別れたところです」
「それは もしかして…」
侍従の方に何かおっしゃって
「連れてきても良いだろうか?」
「どうぞ」
そして
連れて来られた猫は
「ミャ!」

アンジェリカはそれを見て 固まった

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