「結婚してくださいますか?」辺境伯の嫡男は隣国の公爵令嬢を囲いこみたい

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妖精

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初めてクリスティーナと会った時を
思い出していたが 後ろで カサッ 音がした
「サイラス?」

あぁ ここに来て良かった
今回は凄く当たりの回だ
オリビアを辞めさせて良かったのかも
もしかしたら 今まではワザと会わせないようにしていたかもしれない 

「クリスティーナ様」

振り向くと 光の加減で 淡いブロンドの髪がプラチナに見えてしまう 
紫色の大きな瞳が 髪の色と相まって
妖精が現れたかのようだ


「妖精姫……」

「サイラス?妖精姫って?」
首をコテンと傾けて 尋ねてくる

あぁもうたまらない 抱きしめたい
ギュウギュウと抱きしめて離さないのに

「サイラス!」
「あっ!はい!」
「どうしたの?少し疲れてるんじゃない?」

疲れてなんか……軽く意識が飛んでいるだけです!はい

「いいえ クリスティーナ様をお見かけしたので 疲れなんて何処かに行ってしまったようです」
「まぁ お上手ね」
「本当の事ですよ」
「うふふ あっサイラスが来ているってことは 紅茶が飲めるわね♪」
「ええ ロゼッタさんが 丁度切れたところだと 仰っていたので 良かったですが お待たせしてしまっておりましたか?」
「ううん 大丈夫よ 昨日切れたばっかりだから 今日飲めるなら 嬉しいわ」
「そんなに気に入ってもらえて ホントに嬉しいです」

「サイラス 聞いてくれる?」
バラに囲まれた東屋まで 歩いてきた
そこで クリスティーナはお茶をしながら
話しかけてきているのだ

「いかがなさいました?」
こちらは 座らずにクリスティーナの
やや斜め後ろに立っている
昔から ここで二人は話す様にしている

「カミラが 辞めちゃったの」
私が辞めさせましたけど…
「お姿を拝見していないとは 思っておりましたが お屋敷を出られたのですね」
「そうなの 結婚する訳ではなかったみたいなんだけど いきなりだったので 寂しくって」
「それは お可哀そうに」
抱きしめて慰めたい……罪悪感もあるけれどね

「でも 仕方ないものね でもサイラスがお茶を持ってきてくれたから 少し浮上したわ ありがとう」
「クリスティーナ様 お役に立ててよかったです」


そこで侍女が 
「サイラスさん 奥様がお呼びだそうですよ」
あぁ 邪魔が入ってしまう……ゔ
「はい ありがとうございます
では クリスティーナ様 余り落ち込まないでください 失礼いたします」
「ええ ありがとう」

そう別れを告げて リザのもとへ行く為に
気を引き締める

「父上の仰ったように もうそろそろ
打ち明けたほうが……あっ!グリド王国!」
心配事を思い出したらしい


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