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出会い
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「ひっくひっく…」
迷い込んだ森への入口
初めて来た所で ウロウロしちゃ駄目だって ロイに云われていたのに 花がキレイでつい ここに居て下さいって言われたところから 動いてしまった
自分も怖いと思っているのに
近くで泣き声が聞こえる
「そこにだれかいるの?」
そう聞いたら 泣き声がやんだ
「ねぇ いるならでておいで」
誰も出てこない 泣き声は止んだままだ
「ぼくもね まよっちゃったんだ
だから でてきてくれたら うれしいな
だって ぼくだけだったら こわいから
いっしょに いてくれない?」
その時
ガサガサと茂みの中から 女の子が
出てきた
その子を見て アランは
「クリスティーナ」
自分が教えてもいないのに 名前を呼ぶこの男の子は 誰なんだろうと不思議に思ったけれど
「おにいちゃんも こわいの?
ティナが一緒にいてあげるね
いっしょだったら こわくないからね」
と アランのそばに来て 手を握った
「ありがとう ティナも もうなかないでいいね」
「おにいちゃんも こわくないね
よかったね」
アランに微笑むと アランの顔が真っ赤になっていた
クリスティーナの顔は まともに見れなかった
「おにいちゃん?おかおがまっかだよ?
おねつがあるのかな?」
そして 一生懸命手を伸ばし 背伸びをして 僕のおでこに手を当てようとする
「おにいちゃん ちっちゃくなって!」
ちっちゃく?
あぁ 屈むんだね 膝を曲げて
ティナの手が 額に届くようにした
「あっ とどいた」
満足気にニッコリすると
「あのね ティナがおねつ?おかおがまっかになったらね お父様やお母様たちが こうするの だからティナも おにいちゃんにするの」
「そうなんだね ティナは優しいね
おにいちゃん ティナがしてくれたから
もう赤くないよ ありがとう」
クリスティーナが優しい子でよかった
まぁ 分かっていたけどね
でも 初めて来たのに まさかクリスティーナに会えるなんて なんて幸せなんだろう もっと大きくなってティナを守れるようになるからね 頑張るよ僕は
「お嬢様~どこですか~」
「クリスティーナお嬢様~」
「お嬢様~」
「ほら 探しに来てくれたよ 行こうか
声はあっちから聞こえるから」
「うん♪」
そして 初めて手を握って二人で歩いていった
人影が見えるところになると 手を離し
立ち止まって
「もう 大丈夫だよ あそこに探してきてる人達がいるよ 見えるかな?」
「うん!みえるよ!おにいちゃんは
いかないの?」
「ぼくは ここで見てるからね」
「うんわかった おにいちゃんありがとう またね!」
「うん またね」
そしてティナは駆け出していった
途中立ち止まったかと思ったら
振り向いて
「お兄ちゃんのおなまえは?」
と精一杯大きな声で聞いてきたので
「サイラスだよー」
「サイラスおにいちゃん バイバイ」
と手を振って 前を向いて走っていった
「お嬢様!どちらにいらしたんですか!
探しましたよ!奥様も心配されておりますよ」
「ティナね おうちがわからなかったの
でも サイラスおにいちゃんが来てくれたから こわくなかったよ」
「サイラスおにいちゃんとは?…」
「とりあえず 奥様の所に参りましょう」
「そうね それからね」
無事にティナを連れて行ってくれたらしい
「こちらにいらしたんですか?」
頭の上で 怒っている声がするのは
気のせいだろうか
「どれだけ心配したと思っているのですか!あれだけ動いてはならないと 言いましたよね 私は!」
「ごめんなさい ロイ」
「さぁ こちらに来て下さい!」
引っ張られていって こってりしぼられたよ
「クリスティーナに会ったんだ」
「え!」
「会えたんだよ 初めて来たのにね
改めて誓ったよ 僕は早く強くなってクリスティーナを守っていく 誰にも渡さない」
「素晴らしい幸運ですね
迷子になって?怒られて?その代償で
クリスティーナ様に出会えるなんて」
「ゔっ……」
「応援はしておりますが 怒られる様をクリスティーナ様に見られたら 恥ずかしいですけどね」
「今度からは言いつけを守る」
「そうされてください 貴方も王位継承権をお持ちの方なのですから」
「分かった」
コクンとロイの方を向いてうなずいた
「お分かりになって頂いて 安堵いたしました あっでもこの事は ご領主様 うちのおじいちゃんには 報告しますからね」
「えー(・_・;)」
「なんせ アラン様の初めての遠出ですからね 逐一報告しろと言われてますから」
「セバスには 言わないで!」
「駄目です」
「うっ……」
「泣き真似も通じません」
「(・д・)チッ」
「あ!もう絶対言いますからね!」
「お願い!お願いします!」
「まぁまぁ ロイさん 許してあげなよ
お願いされてるじゃないか」
「ロゼッタさん……」
「あんた 名前はなんて言うんだい?」
ロゼッタの前に立って
「おれ サイラスって言います
今回からロイさんの手伝いで こさせてもらいます よろしくお願いします!」
ペコリと頭を下げる
「ごまするのかうまいよな」 とはロイの呟き
「ロイさん なんか言ったかい?」
「いいや」
「ならいいけど あんたサイラスって言うんだね あたしゃ ロゼッタって言うんだ よろしくね こんなちっさいのに ハキハキしてるし 物怖じせずに 偉いじゃないか!」
「ありがとうございます!」
「ロゼッタさんがそう言うなら 今回は許してやるからな 次はないぞ!」
「ありがとうございます!ロイさん!」
「良かったねぇ じゃちょっと 奥様にこれでお茶を入れて差し上げようか
あたしが戻ってくるまで 待ってておくれ」
「分かりました 馬に水やってきます」
「ああ じゃ後でね」
ロゼッタは去って行った
それを見送って
「こっちが水場です」
二頭の馬の手綱を持ってついて来るように
促す
迷い込んだ森への入口
初めて来た所で ウロウロしちゃ駄目だって ロイに云われていたのに 花がキレイでつい ここに居て下さいって言われたところから 動いてしまった
自分も怖いと思っているのに
近くで泣き声が聞こえる
「そこにだれかいるの?」
そう聞いたら 泣き声がやんだ
「ねぇ いるならでておいで」
誰も出てこない 泣き声は止んだままだ
「ぼくもね まよっちゃったんだ
だから でてきてくれたら うれしいな
だって ぼくだけだったら こわいから
いっしょに いてくれない?」
その時
ガサガサと茂みの中から 女の子が
出てきた
その子を見て アランは
「クリスティーナ」
自分が教えてもいないのに 名前を呼ぶこの男の子は 誰なんだろうと不思議に思ったけれど
「おにいちゃんも こわいの?
ティナが一緒にいてあげるね
いっしょだったら こわくないからね」
と アランのそばに来て 手を握った
「ありがとう ティナも もうなかないでいいね」
「おにいちゃんも こわくないね
よかったね」
アランに微笑むと アランの顔が真っ赤になっていた
クリスティーナの顔は まともに見れなかった
「おにいちゃん?おかおがまっかだよ?
おねつがあるのかな?」
そして 一生懸命手を伸ばし 背伸びをして 僕のおでこに手を当てようとする
「おにいちゃん ちっちゃくなって!」
ちっちゃく?
あぁ 屈むんだね 膝を曲げて
ティナの手が 額に届くようにした
「あっ とどいた」
満足気にニッコリすると
「あのね ティナがおねつ?おかおがまっかになったらね お父様やお母様たちが こうするの だからティナも おにいちゃんにするの」
「そうなんだね ティナは優しいね
おにいちゃん ティナがしてくれたから
もう赤くないよ ありがとう」
クリスティーナが優しい子でよかった
まぁ 分かっていたけどね
でも 初めて来たのに まさかクリスティーナに会えるなんて なんて幸せなんだろう もっと大きくなってティナを守れるようになるからね 頑張るよ僕は
「お嬢様~どこですか~」
「クリスティーナお嬢様~」
「お嬢様~」
「ほら 探しに来てくれたよ 行こうか
声はあっちから聞こえるから」
「うん♪」
そして 初めて手を握って二人で歩いていった
人影が見えるところになると 手を離し
立ち止まって
「もう 大丈夫だよ あそこに探してきてる人達がいるよ 見えるかな?」
「うん!みえるよ!おにいちゃんは
いかないの?」
「ぼくは ここで見てるからね」
「うんわかった おにいちゃんありがとう またね!」
「うん またね」
そしてティナは駆け出していった
途中立ち止まったかと思ったら
振り向いて
「お兄ちゃんのおなまえは?」
と精一杯大きな声で聞いてきたので
「サイラスだよー」
「サイラスおにいちゃん バイバイ」
と手を振って 前を向いて走っていった
「お嬢様!どちらにいらしたんですか!
探しましたよ!奥様も心配されておりますよ」
「ティナね おうちがわからなかったの
でも サイラスおにいちゃんが来てくれたから こわくなかったよ」
「サイラスおにいちゃんとは?…」
「とりあえず 奥様の所に参りましょう」
「そうね それからね」
無事にティナを連れて行ってくれたらしい
「こちらにいらしたんですか?」
頭の上で 怒っている声がするのは
気のせいだろうか
「どれだけ心配したと思っているのですか!あれだけ動いてはならないと 言いましたよね 私は!」
「ごめんなさい ロイ」
「さぁ こちらに来て下さい!」
引っ張られていって こってりしぼられたよ
「クリスティーナに会ったんだ」
「え!」
「会えたんだよ 初めて来たのにね
改めて誓ったよ 僕は早く強くなってクリスティーナを守っていく 誰にも渡さない」
「素晴らしい幸運ですね
迷子になって?怒られて?その代償で
クリスティーナ様に出会えるなんて」
「ゔっ……」
「応援はしておりますが 怒られる様をクリスティーナ様に見られたら 恥ずかしいですけどね」
「今度からは言いつけを守る」
「そうされてください 貴方も王位継承権をお持ちの方なのですから」
「分かった」
コクンとロイの方を向いてうなずいた
「お分かりになって頂いて 安堵いたしました あっでもこの事は ご領主様 うちのおじいちゃんには 報告しますからね」
「えー(・_・;)」
「なんせ アラン様の初めての遠出ですからね 逐一報告しろと言われてますから」
「セバスには 言わないで!」
「駄目です」
「うっ……」
「泣き真似も通じません」
「(・д・)チッ」
「あ!もう絶対言いますからね!」
「お願い!お願いします!」
「まぁまぁ ロイさん 許してあげなよ
お願いされてるじゃないか」
「ロゼッタさん……」
「あんた 名前はなんて言うんだい?」
ロゼッタの前に立って
「おれ サイラスって言います
今回からロイさんの手伝いで こさせてもらいます よろしくお願いします!」
ペコリと頭を下げる
「ごまするのかうまいよな」 とはロイの呟き
「ロイさん なんか言ったかい?」
「いいや」
「ならいいけど あんたサイラスって言うんだね あたしゃ ロゼッタって言うんだ よろしくね こんなちっさいのに ハキハキしてるし 物怖じせずに 偉いじゃないか!」
「ありがとうございます!」
「ロゼッタさんがそう言うなら 今回は許してやるからな 次はないぞ!」
「ありがとうございます!ロイさん!」
「良かったねぇ じゃちょっと 奥様にこれでお茶を入れて差し上げようか
あたしが戻ってくるまで 待ってておくれ」
「分かりました 馬に水やってきます」
「ああ じゃ後でね」
ロゼッタは去って行った
それを見送って
「こっちが水場です」
二頭の馬の手綱を持ってついて来るように
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