「結婚してくださいますか？」辺境伯の嫡男は隣国の公爵令嬢を囲いこみたい

サイラス

「さあ　行こうか」
翌朝　朝食も食べ宿代も払い終え
シルフに荷物を積み　ロイに話しかける　
「こっちも準備が出来ましたよ」
と　ロイは答えるが
周りは明るくなってはいるが　おひさまはまだ顔を出していない
慣れたもので　宿の方ではお昼に食べる分の食事と飲み物を包んで渡している
「今晩は　野宿だね」
「そうですね　オリビアに渡しちゃいましたからね」
「セバスから貰った路銀はあるけど
領のお金を無駄にしちゃ　みんなに申し訳ないからね」
オリビアに渡したのは　アランの個人的なお金　配達の際には個人で稼いだお金で
宿泊していたのだ
手持ちを全て渡してしまったので
貰ったお金を使わないといけないが
なるべく無駄を省いて　野宿をすることにしている

「じゃあ行こう」
朝焼けの中を　2頭の馬が駆け出した
途中作ってもらったお昼ご飯を食べて
そのままかけていった
野宿をしながら進み途中で街があれば
食料と飲み物を購入し
やっとレイン公爵領に入った
流石にこのまま行くのは避けて
館の近くで宿を取り　旅の汚れを落とした

「オリビアはもう　暇乞いしましたかねぇ？」
「僕たちと違って直行の昼夜問わずの馬車だから着いてるだろう」
宿の料理に舌鼓をうちながらそう話していると食堂の他の客の会話が耳に入ってくる

「なあ聞いたか？公爵様のご令嬢の話し」
「ちらっとな」
「結婚の申込みが来てるとか来てないとか」

ガタン

思わず立ち上がって椅子が倒れてしまった
みんなの注目が集まって
「スマン気にせず食べてくれ」
無表情で周りに伝えて　座り直す

「アラン様……」
「嘘だろ　いやクリスティーナなら
遅いくらいだ」

そして雀は喋りだす
「あぁそんな風に聞いたな
で　お相手は誰なんだい？」
「隣の国の王太子らしいぞ」
「どっちのだい？」
「ほら　ブレシア公爵様たちが抜けた国だよ」
「ちょっと待てよ　確かあの国の王族ってのは…えーっと」