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ボウケンゼンジツ
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気合いを入れたものの、3人とルイスは会ったばかりの他人。
城から出ると気まずい空気が流れた。
「え………えっと…………あ、皆さん銃士でしたよね?」
場の空気を変えようと、ルイスは必死に話を作る。
そして話を振るため、クロエの方を見る。
「うん…………。」
「えっと………銃士は前衛で戦うのは難しいですよね?」
「そうね………………。」
必死に場の空気を変えようと話を作るルイスとは裏腹に、クロエは無気力返事する。
クロエの返事に困ったのか、とうとうシアンは黙り込んでしまった。
「…………確かに、回復スキルを持っていないのは困るな。」
2人のやり取りを聞いていたルイスは呟く。
銃騎士団は、皆銃士。
後衛で戦うことが多いので防御力が低く、回復を得意とする医師のように強力な回復スキルを持っていない。
なので、もし1人が戦闘不能(HPが0になり、行動不可になる)になったら一気に体制が崩れ、最悪の場合全滅する恐れがある。
そんな事を考えていると、レオの明るい声が聞こえた。
「それなら大丈夫!シアンがサブスキルで回復スキルを使えるぜ!」
サブスキルとは、自分の職業と異なる職業のスキルのことだ。
もし、自分が剣士でパラディンのサブスキルを手に入れたら、自分は剣スキルと盾スキルが使えるようになる。
なので、シアンが回復スキルを取得しているということは、シアンがこのギルドで唯一回復役にまわれるということだ。
ちなみに、クロエのサブスキルは魔術師。属性を付着させた銃弾を発砲出来るらしい。
レオは盗賊。その身軽さから先陣をきったり、敵の攻撃を交わしたり、敵の陣に突っ込んで全滅させることも出来るらしい。
ルイスはパラディンだ。
盾はあまり使わないが防御力がとても高く、味方を庇ったり強化したり出来る。
結構、バランスとれたパーティだ。
「一応、サブスキルの確認もとれた事だし、今日は武器や装備を揃えて休むか。」
「え?」
レオの言葉に、ルイスは驚いた。
てっきり、これからダンジョンに行くと思っていたからだ。
「今日はダンジョンに行かないのか?俺らがゆっくりしている間に、また1つの命が無くなるかも知れないのに?」
「ルイスくん。」
ルイスが説得させようと必死に話しているところを、シアンが優しい声で遮った。
その表情は優しいそうだが、少し悲しそうな複雑な表情だった。
「休むのは大切な事だよ。…………また皆を失いたく無いし………。」
“また皆を失いたく無い”。ルイスはその意味が分からなかった。
レオは無言でシアンに近づき、ただ優しく背中をさすった。
意味が分からないと考えてるルイスのそばに、相変わらず表情を変えない少女、クロエが近付いてきた。
そしてあの2人に聞こえないように小さく囁いた。
「あの2人は…………昔皆を守る為に無理してダンジョンに挑んで仲間を失った…………………。だから、無理させないようにしてるの……………。」
あなたも無理しないで。2人が悲しむから。と言い残して、クロエは2人のもとに行った。
少し暗い空気になってしまったことに気付いたのか、レオが笑顔で話しかける。
「よっし!このまま店によろうぜ。腹減った!」
レオの一言で、場の空気が明るくなった。
皆で笑いながら、銃騎士団は店に向かった。
城から出ると気まずい空気が流れた。
「え………えっと…………あ、皆さん銃士でしたよね?」
場の空気を変えようと、ルイスは必死に話を作る。
そして話を振るため、クロエの方を見る。
「うん…………。」
「えっと………銃士は前衛で戦うのは難しいですよね?」
「そうね………………。」
必死に場の空気を変えようと話を作るルイスとは裏腹に、クロエは無気力返事する。
クロエの返事に困ったのか、とうとうシアンは黙り込んでしまった。
「…………確かに、回復スキルを持っていないのは困るな。」
2人のやり取りを聞いていたルイスは呟く。
銃騎士団は、皆銃士。
後衛で戦うことが多いので防御力が低く、回復を得意とする医師のように強力な回復スキルを持っていない。
なので、もし1人が戦闘不能(HPが0になり、行動不可になる)になったら一気に体制が崩れ、最悪の場合全滅する恐れがある。
そんな事を考えていると、レオの明るい声が聞こえた。
「それなら大丈夫!シアンがサブスキルで回復スキルを使えるぜ!」
サブスキルとは、自分の職業と異なる職業のスキルのことだ。
もし、自分が剣士でパラディンのサブスキルを手に入れたら、自分は剣スキルと盾スキルが使えるようになる。
なので、シアンが回復スキルを取得しているということは、シアンがこのギルドで唯一回復役にまわれるということだ。
ちなみに、クロエのサブスキルは魔術師。属性を付着させた銃弾を発砲出来るらしい。
レオは盗賊。その身軽さから先陣をきったり、敵の攻撃を交わしたり、敵の陣に突っ込んで全滅させることも出来るらしい。
ルイスはパラディンだ。
盾はあまり使わないが防御力がとても高く、味方を庇ったり強化したり出来る。
結構、バランスとれたパーティだ。
「一応、サブスキルの確認もとれた事だし、今日は武器や装備を揃えて休むか。」
「え?」
レオの言葉に、ルイスは驚いた。
てっきり、これからダンジョンに行くと思っていたからだ。
「今日はダンジョンに行かないのか?俺らがゆっくりしている間に、また1つの命が無くなるかも知れないのに?」
「ルイスくん。」
ルイスが説得させようと必死に話しているところを、シアンが優しい声で遮った。
その表情は優しいそうだが、少し悲しそうな複雑な表情だった。
「休むのは大切な事だよ。…………また皆を失いたく無いし………。」
“また皆を失いたく無い”。ルイスはその意味が分からなかった。
レオは無言でシアンに近づき、ただ優しく背中をさすった。
意味が分からないと考えてるルイスのそばに、相変わらず表情を変えない少女、クロエが近付いてきた。
そしてあの2人に聞こえないように小さく囁いた。
「あの2人は…………昔皆を守る為に無理してダンジョンに挑んで仲間を失った…………………。だから、無理させないようにしてるの……………。」
あなたも無理しないで。2人が悲しむから。と言い残して、クロエは2人のもとに行った。
少し暗い空気になってしまったことに気付いたのか、レオが笑顔で話しかける。
「よっし!このまま店によろうぜ。腹減った!」
レオの一言で、場の空気が明るくなった。
皆で笑いながら、銃騎士団は店に向かった。
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