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超巨大ネズミ
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僕に助けを求められたギフとシュガーの大男二人組が、リンとエナを僕から引き剥がしてくれた。
二人はまるで首根っこを掴まれた猫のようだ。
とりあえず、ここからは真面目にいこうか。
僕にとっては最早大した敵ではないけど、まだレベル4のエナがいるし、肉弾戦に弱いリンとアトリもいるんだから油断は禁物だ。
「おっ、やっとしゃんとしたか?」
「ええ、呆けてたみたいですみません」
「惚けてたって自覚あるんかい」
「? ええ、ちょっと考え事をしてて……」
「天然ものかーい」
なんだがガロがクールなキャラから軽薄なキャラに変わったなと思ってたんだけど、今度はお笑い系のようなノリ変わってきたようだ。
「で?」
「で、とは?」
「ここもお前さんの力を見せてもらえるのかどうかを聞いてんだぜ?」
「僕になんのメリットもない話ですね、それ」
「俺はお前さんの力を見にここまで来た訳だからなあ」
「ああ……そう言えばなんで皆さんとここに来ることをOKしたんだっけ……まあいいか」
そう言って僕は空洞に入っていった。
あんまり手の内を見せたくないというか、言ってることと食い違いすぎるとまた何か言われそうだから、とりあえず今日は鉄棍だけでやってしまおうか。
「お、おい」
「フトー!?」
「フトーさん?」
返事をする代わりに、僕は振り返らずに左手をひらひらと振った。
大量の大ネズミと、超巨大ネズミがまとめて現れる。
僕は即座に超巨大ネズミに駆け寄って、鉄棍で横殴りした。二メートルくらいのギフより大きく太い体が横に吹き飛んでいく。そこにロックバレットをで追撃を入れた。
後ろに集まってきた大ネズミは、クレアボヤンスのバックモニターと俯瞰画面ではっきりと確認できている。僕は鉄棍を真後ろに突き出して一匹を串刺しにすると、すぐに抜きながら反転して、鉄棍で地面を何度も叩くように、まるでモグラ叩きのように大ネズミ共を倒していった。
「これはちょっと……惚れても仕方ないわよねぇ?」
「えっ?」
アトリがうっとりした顔でフトウを見ている。それを見てエナが驚きの声を上げた。
「分かるよアトリ。この強さは憧れを超えて、男の僕でも惚れてしまうかも知れない」
「はあっ!? ボ、ボル、ななな何言ってるのですっ!?」
戦闘になると文字通り「ヒャッハー」してしまうボルが、地下一階とはいえボスを一人で倒したフトウに惚れ込んでしまったようだ。
それを聞いたリンが焦って大声を出した。
「すげぇな……」
「ああ、本物だぜ……」
「グゥレイト……」
さてさて。
次の階も僕一人が働かされるのかな。
でもまあ、コボルトナイトやキングがいるという地下三階の情報が気になるし……地下二階には、僕が見つけたのとは違うボスエリアがあるのかも知れない。戦闘は率先して戦ってもいいけど、ルートはギフ達にお願いしよう。うん、そうしよう。
「このまま地下二階に行きましょう」
何やらガヤガヤしてて、まだ空洞に入ってこない皆に、僕は声をかけた。
「いや、宝箱は?」
「あ、そっか」
ガロに指摘されるまですっかり忘れていた。
一応、僕はカオスファインダーで罠が無いことを確認しつつも、ガロに宝箱の罠の確認をお願いした。
「大丈夫。特に何も仕掛けられてない。鍵さえも掛かってない……俺の唯一の見せ場なんだけどねぇ」
そして無造作に宝箱を開く。
「スクロールと魔石だね。相変わらずここはしょぼい」
そう言って二つとも僕に渡してきた。
まあ、戦ったの僕だけだからね。一応、僕がもらってもいいのか確認すると、全員が頷いてくれた。
これはヒール・スクロールのようだ。
「はい」
僕はスクロールをアトリに渡した。
「ここで使うかも知れないですから」
「え、いいのぉ?」
「はい」
「ずるーい!」
「フトー! わたしもスクロールが欲しいのです!」
「いや、ずるくないし、これヒール・スクロールですから、ね?」
「ほう。お前さん、見ただけでヒールって分かんのか」
「え? だって前にギフに売ったのと同じデザインだからヒールでしょ?」
「ああ、そういやそうだったか。記憶力もいいんだな」
「ははは。金貨がかかってるからね」
「違えねえ。がはははははは」
とまあ、地下一階までは誰も怪我することなく攻略を進めることができた。
ただ、魔法使い系なのになんで魔法を使わずにこんなに強いんだと問い詰められることになった。
とは言え、「一人でがんばったから」くらいしか言えないのだけど。
実際、半分……四分の一くらいは僕の努力の賜物だと思う。残りは自由自在とレベルアップのおかけだろう。
「もしかすると、一人だと経験値的なものが多くもらえるんですかね?」
この言葉に対して、皆思うところがあったのか、「それはあるかも」と口にしていた。
まあ、直接戦闘に参加しずらい支援系のアトリのレベルアップが遅いのを皆分かってるわけだからね。僕の言葉は受け入れやすいと思う。
それに皆もレベルアップの恩恵というか、レベルが上がることで色々と強くなることを知ってるだろうから、強さ イコール レベルというのは解りやすいんだろう。
そんな感じで、その場の話はなんとなく落ち着いてくれた。
ただ、個人的には……レベルやスキルも大事だけど、結局のところ自分自身ができることを増やすことが大事なんじゃないかなと、僕はそう思ってる。
だから、手に入れた力を最大限発揮できるように、僕は常に考えて、繰り返し練習しておく。スキルや能力アップが宝の持ち腐れにならないように。
まあ、そこら辺は人それぞれだろうから、別にわざわざ口にしないけど。
二人はまるで首根っこを掴まれた猫のようだ。
とりあえず、ここからは真面目にいこうか。
僕にとっては最早大した敵ではないけど、まだレベル4のエナがいるし、肉弾戦に弱いリンとアトリもいるんだから油断は禁物だ。
「おっ、やっとしゃんとしたか?」
「ええ、呆けてたみたいですみません」
「惚けてたって自覚あるんかい」
「? ええ、ちょっと考え事をしてて……」
「天然ものかーい」
なんだがガロがクールなキャラから軽薄なキャラに変わったなと思ってたんだけど、今度はお笑い系のようなノリ変わってきたようだ。
「で?」
「で、とは?」
「ここもお前さんの力を見せてもらえるのかどうかを聞いてんだぜ?」
「僕になんのメリットもない話ですね、それ」
「俺はお前さんの力を見にここまで来た訳だからなあ」
「ああ……そう言えばなんで皆さんとここに来ることをOKしたんだっけ……まあいいか」
そう言って僕は空洞に入っていった。
あんまり手の内を見せたくないというか、言ってることと食い違いすぎるとまた何か言われそうだから、とりあえず今日は鉄棍だけでやってしまおうか。
「お、おい」
「フトー!?」
「フトーさん?」
返事をする代わりに、僕は振り返らずに左手をひらひらと振った。
大量の大ネズミと、超巨大ネズミがまとめて現れる。
僕は即座に超巨大ネズミに駆け寄って、鉄棍で横殴りした。二メートルくらいのギフより大きく太い体が横に吹き飛んでいく。そこにロックバレットをで追撃を入れた。
後ろに集まってきた大ネズミは、クレアボヤンスのバックモニターと俯瞰画面ではっきりと確認できている。僕は鉄棍を真後ろに突き出して一匹を串刺しにすると、すぐに抜きながら反転して、鉄棍で地面を何度も叩くように、まるでモグラ叩きのように大ネズミ共を倒していった。
「これはちょっと……惚れても仕方ないわよねぇ?」
「えっ?」
アトリがうっとりした顔でフトウを見ている。それを見てエナが驚きの声を上げた。
「分かるよアトリ。この強さは憧れを超えて、男の僕でも惚れてしまうかも知れない」
「はあっ!? ボ、ボル、ななな何言ってるのですっ!?」
戦闘になると文字通り「ヒャッハー」してしまうボルが、地下一階とはいえボスを一人で倒したフトウに惚れ込んでしまったようだ。
それを聞いたリンが焦って大声を出した。
「すげぇな……」
「ああ、本物だぜ……」
「グゥレイト……」
さてさて。
次の階も僕一人が働かされるのかな。
でもまあ、コボルトナイトやキングがいるという地下三階の情報が気になるし……地下二階には、僕が見つけたのとは違うボスエリアがあるのかも知れない。戦闘は率先して戦ってもいいけど、ルートはギフ達にお願いしよう。うん、そうしよう。
「このまま地下二階に行きましょう」
何やらガヤガヤしてて、まだ空洞に入ってこない皆に、僕は声をかけた。
「いや、宝箱は?」
「あ、そっか」
ガロに指摘されるまですっかり忘れていた。
一応、僕はカオスファインダーで罠が無いことを確認しつつも、ガロに宝箱の罠の確認をお願いした。
「大丈夫。特に何も仕掛けられてない。鍵さえも掛かってない……俺の唯一の見せ場なんだけどねぇ」
そして無造作に宝箱を開く。
「スクロールと魔石だね。相変わらずここはしょぼい」
そう言って二つとも僕に渡してきた。
まあ、戦ったの僕だけだからね。一応、僕がもらってもいいのか確認すると、全員が頷いてくれた。
これはヒール・スクロールのようだ。
「はい」
僕はスクロールをアトリに渡した。
「ここで使うかも知れないですから」
「え、いいのぉ?」
「はい」
「ずるーい!」
「フトー! わたしもスクロールが欲しいのです!」
「いや、ずるくないし、これヒール・スクロールですから、ね?」
「ほう。お前さん、見ただけでヒールって分かんのか」
「え? だって前にギフに売ったのと同じデザインだからヒールでしょ?」
「ああ、そういやそうだったか。記憶力もいいんだな」
「ははは。金貨がかかってるからね」
「違えねえ。がはははははは」
とまあ、地下一階までは誰も怪我することなく攻略を進めることができた。
ただ、魔法使い系なのになんで魔法を使わずにこんなに強いんだと問い詰められることになった。
とは言え、「一人でがんばったから」くらいしか言えないのだけど。
実際、半分……四分の一くらいは僕の努力の賜物だと思う。残りは自由自在とレベルアップのおかけだろう。
「もしかすると、一人だと経験値的なものが多くもらえるんですかね?」
この言葉に対して、皆思うところがあったのか、「それはあるかも」と口にしていた。
まあ、直接戦闘に参加しずらい支援系のアトリのレベルアップが遅いのを皆分かってるわけだからね。僕の言葉は受け入れやすいと思う。
それに皆もレベルアップの恩恵というか、レベルが上がることで色々と強くなることを知ってるだろうから、強さ イコール レベルというのは解りやすいんだろう。
そんな感じで、その場の話はなんとなく落ち着いてくれた。
ただ、個人的には……レベルやスキルも大事だけど、結局のところ自分自身ができることを増やすことが大事なんじゃないかなと、僕はそう思ってる。
だから、手に入れた力を最大限発揮できるように、僕は常に考えて、繰り返し練習しておく。スキルや能力アップが宝の持ち腐れにならないように。
まあ、そこら辺は人それぞれだろうから、別にわざわざ口にしないけど。
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