47 / 181
それぞれ
緊張感
しおりを挟む
あちゃー。
どうすんべっか。
うんこのついでに水汲んできたらあちしの部屋が乗っ取られてるっき。
あちしの荷物の横にどっかりと座っちまって……油断しすぎだばな?
魔物避けの線香はまだ生きてんかんね。すこっしくれぇ音ば出してもだいじょぶがんな。
あちしは《気配影混》で自分の存在感を無くしだ。
そーっとそーっと近づいち、あど3メートくらいん時に《危機感知3》ば全力で頭ん中で警報を鳴らしだ。
「やっばりダンジョンの中でステータス見るのは一人だと危ないかぁ」
そいつはそー言ってこっちに振り返って来だ。
もしかすっと、あちしがいるごどに気付いてんかい?
「この荷物の人?」
あちゃー……さっき焦ったんでん気配が戻ったんがねえ。
あちしは正面から敵と戦えんがらなぁ。
ここまでなんがなぁ。
とりあえず聞かれてんだがら応えとくっがねぇ。
「…………はい。それは私の荷物です」
「そう……勝手に使って悪かったよ。そっちから攻撃してこないんなら俺も何もしないでここを立ち去るけど、どうする?」
「…………私は、見逃してもらえるのですか?」
「いや、キミ、人間だろ? 人を襲うようなヤツじゃない限り俺から攻撃したりはしないって。でも、さっき俺のこと殺ろうとしてただろ? だから聞いてみただけ」
バレてだー。
なんなんこん人は。
「…………はい。…………私も、私を殺さない人なら何もしないです」
「な、なんだか間が長いな。ま、いいか。ともかく勝手に場所借りちゃって悪かったよ」
「いいえ」
あちしは、あちしの棲家っから出てきだ男となんるべく離れっるよに壁際に体を寄せだんだわ。
男はあちしの《危機感知3》がやべえっで言っだ辺りでしゃがんで何がひらってがら帰ってっだんだば。
「ふぅーーーーーーーーー」
男が離れっだことを《エコー2》で確認しでがら、長ーぐ息を出しで固まってだ体から緊張をば追い出した。
危なかったなぁ。
と言うか、悪い人じゃなくてよかったよ。
そ、それより、私、ちゃんど喋れでだかな?
あちゃー。
「すぅーーーーーー……ふぅーーーーーー」
もう一度深呼吸する。
緊張しすぎはダメ。
リラックスリラックス。
私はアカメリダン、22歳です。
訳あって一人でダンジョン暮らしをしています。
え? いえ、1ヶ月に1回くらいは外に出て買い出しをしています。
はい。水はダンジョン内で確保できますから。
「はぁ……今ならちゃんと言えるのに……」
緊張すると言葉がおかしくなっちゃうから、人にあった時のシミュレーションと準備はちゃんとしてるはずなのに……
いざとなると、やっぱり言葉がうまく話せなくなってしまう。
誰も来ないこの場所で、もっと修行が必要ね。
でも、さっきの人、なんで隠蔽してたこの場所に来ることができたのかなぁ。
また来るかな。
同じ人で2回目なら、なんとかできそうな気がするし、来てくれないかな。
あぁぁ、でも、また来てって言える状況じゃながったしなぁ。
そっと暗殺しようとしてたんバレてだしなぁ。
「はぁ」
あちしは、溜息をついて、そーして自分のコミュニケーション不全を嘆いて、んで、無くなってる物が無いかサッと確認してから、隠蔽を強化して、そして一眠りすることにした。
なんか不思議な人だったな。
というかあの人、感知式の火炎壁魔法石に感づいてたよな。
《危機感知》なのか《魔力感知》なのか、それとも素で勘がいいのか。
まあ、気が付いてくれて良かった。
元々、対魔物用に仕掛けておいたものだったし。
人に対して発動してたら火傷させるところだった。
でも、一人でずっとここに潜ってる感じだったよな。まとめられてた携帯食の残骸は何日分もあったし、ザックに入ってたのも感触的に食べ物ばっかりっぽかったし。
それに、俺が仕掛けた魔法石に気付いたのもそうだし、そこに近付くまでまったく気配を感じさせなかったのもそうだし、何より、長期間ダンジョンの9階層に居続けてることから考えると。
暗殺者とか、逃亡中の盗賊とかなのかね。
話すのも凄く考えながら、無感情に、個性が出ないように丁寧に言ってた風だったし。
まあ、それが逆に個性的だったから俺は覚えちゃったけど。
なんとなくだけど、マヨイやヌーコに似た雰囲気があったから尚更かな。
自分自身を前面に出してない感じ。
まあ、あんまり知った風に言うのはよくないか。
それにしても、やっぱり敵に回って怖いのは、正面から来ないで隙をついてくるヤツだよなぁ。
もっと《付与術師》で装備の強化をしておかないとな。
よし、決めた。
帰ったら《付与術師》のレベルを上げて、検証と強化をしよう。
うん。
どうすんべっか。
うんこのついでに水汲んできたらあちしの部屋が乗っ取られてるっき。
あちしの荷物の横にどっかりと座っちまって……油断しすぎだばな?
魔物避けの線香はまだ生きてんかんね。すこっしくれぇ音ば出してもだいじょぶがんな。
あちしは《気配影混》で自分の存在感を無くしだ。
そーっとそーっと近づいち、あど3メートくらいん時に《危機感知3》ば全力で頭ん中で警報を鳴らしだ。
「やっばりダンジョンの中でステータス見るのは一人だと危ないかぁ」
そいつはそー言ってこっちに振り返って来だ。
もしかすっと、あちしがいるごどに気付いてんかい?
「この荷物の人?」
あちゃー……さっき焦ったんでん気配が戻ったんがねえ。
あちしは正面から敵と戦えんがらなぁ。
ここまでなんがなぁ。
とりあえず聞かれてんだがら応えとくっがねぇ。
「…………はい。それは私の荷物です」
「そう……勝手に使って悪かったよ。そっちから攻撃してこないんなら俺も何もしないでここを立ち去るけど、どうする?」
「…………私は、見逃してもらえるのですか?」
「いや、キミ、人間だろ? 人を襲うようなヤツじゃない限り俺から攻撃したりはしないって。でも、さっき俺のこと殺ろうとしてただろ? だから聞いてみただけ」
バレてだー。
なんなんこん人は。
「…………はい。…………私も、私を殺さない人なら何もしないです」
「な、なんだか間が長いな。ま、いいか。ともかく勝手に場所借りちゃって悪かったよ」
「いいえ」
あちしは、あちしの棲家っから出てきだ男となんるべく離れっるよに壁際に体を寄せだんだわ。
男はあちしの《危機感知3》がやべえっで言っだ辺りでしゃがんで何がひらってがら帰ってっだんだば。
「ふぅーーーーーーーーー」
男が離れっだことを《エコー2》で確認しでがら、長ーぐ息を出しで固まってだ体から緊張をば追い出した。
危なかったなぁ。
と言うか、悪い人じゃなくてよかったよ。
そ、それより、私、ちゃんど喋れでだかな?
あちゃー。
「すぅーーーーーー……ふぅーーーーーー」
もう一度深呼吸する。
緊張しすぎはダメ。
リラックスリラックス。
私はアカメリダン、22歳です。
訳あって一人でダンジョン暮らしをしています。
え? いえ、1ヶ月に1回くらいは外に出て買い出しをしています。
はい。水はダンジョン内で確保できますから。
「はぁ……今ならちゃんと言えるのに……」
緊張すると言葉がおかしくなっちゃうから、人にあった時のシミュレーションと準備はちゃんとしてるはずなのに……
いざとなると、やっぱり言葉がうまく話せなくなってしまう。
誰も来ないこの場所で、もっと修行が必要ね。
でも、さっきの人、なんで隠蔽してたこの場所に来ることができたのかなぁ。
また来るかな。
同じ人で2回目なら、なんとかできそうな気がするし、来てくれないかな。
あぁぁ、でも、また来てって言える状況じゃながったしなぁ。
そっと暗殺しようとしてたんバレてだしなぁ。
「はぁ」
あちしは、溜息をついて、そーして自分のコミュニケーション不全を嘆いて、んで、無くなってる物が無いかサッと確認してから、隠蔽を強化して、そして一眠りすることにした。
なんか不思議な人だったな。
というかあの人、感知式の火炎壁魔法石に感づいてたよな。
《危機感知》なのか《魔力感知》なのか、それとも素で勘がいいのか。
まあ、気が付いてくれて良かった。
元々、対魔物用に仕掛けておいたものだったし。
人に対して発動してたら火傷させるところだった。
でも、一人でずっとここに潜ってる感じだったよな。まとめられてた携帯食の残骸は何日分もあったし、ザックに入ってたのも感触的に食べ物ばっかりっぽかったし。
それに、俺が仕掛けた魔法石に気付いたのもそうだし、そこに近付くまでまったく気配を感じさせなかったのもそうだし、何より、長期間ダンジョンの9階層に居続けてることから考えると。
暗殺者とか、逃亡中の盗賊とかなのかね。
話すのも凄く考えながら、無感情に、個性が出ないように丁寧に言ってた風だったし。
まあ、それが逆に個性的だったから俺は覚えちゃったけど。
なんとなくだけど、マヨイやヌーコに似た雰囲気があったから尚更かな。
自分自身を前面に出してない感じ。
まあ、あんまり知った風に言うのはよくないか。
それにしても、やっぱり敵に回って怖いのは、正面から来ないで隙をついてくるヤツだよなぁ。
もっと《付与術師》で装備の強化をしておかないとな。
よし、決めた。
帰ったら《付与術師》のレベルを上げて、検証と強化をしよう。
うん。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる