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付与術師
9 七色
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机の上に置いておいた、開きっぱなしの懐中時計の秒針の動きが遅くなってる気がする。
既に時間がずれてしまってるかもしれないけど、とりあえず4周ほどネジを巻いておいた。
今はもう7時を過ぎているようだ。
弁当箱を順番に触ってみると、「状態保存を付与」したお弁当だけ明らかに温かい。これは大成功のようだ。状態を保存できるなら腐ることもないはずだから、防腐の方はいらない子になるかもな。
とりあえず、何も付与してないお弁当が腐るまでは両方とも放置してみようか。
じゃあ、どっかで夕飯でも食べて英気を養いますか。
椅子に座り続けて凝り固まった身体を伸ばし「んーっ」と声を出す。
それからウエストポーチを腰に巻き、ハンマーを持って部屋を出た。
「あ、こ、こんばんは。き、奇遇ですね!」
俺が廊下に出た瞬間、隣の部屋からヌーコとマヨイが出てきたのであった。
もし、俺が出てくるのにタイミングを合わせてたのなら、それはもう、ストーカーなんじゃないかね。
ちなみに、マヨイの髪型はダンジョンスタイルだった。
「こんばんは」
俺はとりあえず普通に会釈をしながら挨拶を返し、そのまま階段の方へ向かった。
ヌーコが奇遇と言ったように、偶然会っただけなら、どーも、と挨拶して去ってもなんの問題もないはずだ。
だが。
「どこに行くんだ?」
「どこに行くんですか?」
後方左右からステレオの様に質問が飛んできた。
流石に話しかけられて無視はできない
「ん? いや、飯食いに行こうと思って」
「一緒に行ってもいいですか?」
「そうだな。私らもちょうど夕飯を食べに行くところだったんだ。ダンジョンの話もしたいし一緒に行ったら駄目か?」
まあ、そんなに毛嫌いすることはないんだよなあ。
ダンジョンに一緒に潜るってなったら面倒そうだけど。
というか、彼女たちの連携はなかなかのものだったからな。俺みたいな前衛特化型は要らないと思うんだわ。
俺が彼女たちのバランスを崩しちゃいそうな気がする。
壁役にシュゴリン、攻撃役にマヨイ、索敵や中衛役にヌーコ、後衛に魔法系のアッキー。
うん、本当にバランスがいいと思う。
可能なら後衛のアッキーを守りつつみんなの回復役になれる人がいればいいんじゃないだろうか。
カズのパーティーでは基本的に敵の先手を取る奇襲スタイルだったから、壁役がいなかったんだよな。
だから、混戦になった時は俺が壁役、兼、攻撃役をやっていたわけで。
でも、最初の頃は回避とか防御とかがうまくないから被弾することが多くて、結局、死にたくないから、なんとなく体力度に極振りしくことになったんだよな。
実際、ダメージ軽減できてる気がするし、持久力が上がったのか疲れにくくなってるしで、体力度を上げて悪いことはないんだけど、一人でやってくならもっとマルチな感じにしてかないとかなぁ。
あ、考え事と愚痴のループにはいるパターンのやつだ、これ。
「おーい」
「コイル、さん?」
はっと気がつくと、マヨイが俺の顔の前で手を振ってて、その向こう側には首を傾げてるヌーコの顔が見えた。
「あ、すまん。ちょっと考え事してた」
「ふーん」
「と、とにかく一緒に行きましょう! ねっ?」
何故かヌーコに左腕を取られ、階段に向かってそのまま引っ張られる。
「あっ、あっ、あっ、何してるのよヌーコ」
これが素なのか、マヨイがツインテールの時の声でヌーコに文句を言いながら付いてくる。
おいおいおい……なんで俺がこんなリア充死ねよ的な状況になってるんだよ。
まあ、悪い気はしないけど。
でも、ちょっとだけ面倒だ。
結局、引きずられるようにしてやって来たのはレインボートラウトという名の店だった。
レインボートラウトというのは魚の名前だそうだ。そして、その店名の通り、ここではレインボートラウトがメイン食材なんだそうだ。
「はいよ。マヨイちゃん、いつもの焼き魚定食お待たせ」
「ヌコ、ムニエルお待た」
注文の品が出てくるまで、マヨイとヌーコは店のおばちゃんと、小学生くらいの女の子と話続けていた。俺らが席に着くと、おばちゃんたちは何故か当然のように俺らのテーブルに座っていたのだ。
二人は店の奥から、旦那さんと思われるおじさんの声で呼び出されては配膳をしたり、会計したり、他のテーブルを片付けたりしてたんだけど、作業が終わるたんびにここに戻って来ていた。
で、ようやっと、俺らのテーブルの注文の品を持って来てくれたわけだ。
「はい。コイルくんも焼き魚定食どうぞお」
目の前に置かれたのはご飯、味噌汁、漬物と、40センチはある丸々太った焼き魚だった。
「でかいですね」
これはレインボートラウトと言って、日本名だとニジマスと呼ばれる魚なんだそうだ。
漢字だと虹鱒。
なるほど。
トラウトはマスってことなんだろうな。
虹はレインボー。
でも、身は白身らしい。
「うまっ」
4人全員から「熱いうちに食べて」と言われて食べてみたんだけど、ふっくらした赤身が本当にうまい。
白身魚と聞いていたのに、鮭みたいな赤身なのは謎だけど、うまいので気にしないことにした。
そこからは会話もせずに一気に完食した。
魚はあまり食べ慣れてないから、食べ終わりが汚くて少し申し訳ない気持ちになった。
俺一人が食べ終わってしまい、マヨイとヌーコはまだ半分も残っている虹鱒を食べ続けている状況の中、俺は一人、幸せな満腹感に浸っていた。
そこに酒を持ってきたおばさんがやってきて、俺の向かい側に座った。
コップを渡され酒を注がれる。
「いい食いっぷりだったねえ、食べ方はちょっと子供っぽいけど」
からからと笑いながら酒の入った瓶をこちらに渡して、自分が持ってきたコップを差し出してくる。
ご返杯というか、まあ、注げってことだよな。
俺はおばさんのコップに酒を注いで、そして、お互いに軽く身を乗り出して乾杯した。
マヨイとヌーコが不満の声を上げるが、流れってやつだ。なんとなく、このおばさんには逆らえない気がした。
「あたしはレイギスっていうんだ、よろしくね、コイル君。キミのことはこの子たちからよく聞いてるんだわ。この子たちのこと、お願いね」
「レイギスさんですね。よろしくお願いします。ニジマスって美味しいんですね。知りませんでしたよ。また来させてもらいます」
自分たちの話題について触れなかった俺に、またも不満の声を上げるマヨイとヌーコをスルーしてみた。
そんな俺に呆れるレイギスさんに向けて、俺は肩を竦めて見せたのだった。
既に時間がずれてしまってるかもしれないけど、とりあえず4周ほどネジを巻いておいた。
今はもう7時を過ぎているようだ。
弁当箱を順番に触ってみると、「状態保存を付与」したお弁当だけ明らかに温かい。これは大成功のようだ。状態を保存できるなら腐ることもないはずだから、防腐の方はいらない子になるかもな。
とりあえず、何も付与してないお弁当が腐るまでは両方とも放置してみようか。
じゃあ、どっかで夕飯でも食べて英気を養いますか。
椅子に座り続けて凝り固まった身体を伸ばし「んーっ」と声を出す。
それからウエストポーチを腰に巻き、ハンマーを持って部屋を出た。
「あ、こ、こんばんは。き、奇遇ですね!」
俺が廊下に出た瞬間、隣の部屋からヌーコとマヨイが出てきたのであった。
もし、俺が出てくるのにタイミングを合わせてたのなら、それはもう、ストーカーなんじゃないかね。
ちなみに、マヨイの髪型はダンジョンスタイルだった。
「こんばんは」
俺はとりあえず普通に会釈をしながら挨拶を返し、そのまま階段の方へ向かった。
ヌーコが奇遇と言ったように、偶然会っただけなら、どーも、と挨拶して去ってもなんの問題もないはずだ。
だが。
「どこに行くんだ?」
「どこに行くんですか?」
後方左右からステレオの様に質問が飛んできた。
流石に話しかけられて無視はできない
「ん? いや、飯食いに行こうと思って」
「一緒に行ってもいいですか?」
「そうだな。私らもちょうど夕飯を食べに行くところだったんだ。ダンジョンの話もしたいし一緒に行ったら駄目か?」
まあ、そんなに毛嫌いすることはないんだよなあ。
ダンジョンに一緒に潜るってなったら面倒そうだけど。
というか、彼女たちの連携はなかなかのものだったからな。俺みたいな前衛特化型は要らないと思うんだわ。
俺が彼女たちのバランスを崩しちゃいそうな気がする。
壁役にシュゴリン、攻撃役にマヨイ、索敵や中衛役にヌーコ、後衛に魔法系のアッキー。
うん、本当にバランスがいいと思う。
可能なら後衛のアッキーを守りつつみんなの回復役になれる人がいればいいんじゃないだろうか。
カズのパーティーでは基本的に敵の先手を取る奇襲スタイルだったから、壁役がいなかったんだよな。
だから、混戦になった時は俺が壁役、兼、攻撃役をやっていたわけで。
でも、最初の頃は回避とか防御とかがうまくないから被弾することが多くて、結局、死にたくないから、なんとなく体力度に極振りしくことになったんだよな。
実際、ダメージ軽減できてる気がするし、持久力が上がったのか疲れにくくなってるしで、体力度を上げて悪いことはないんだけど、一人でやってくならもっとマルチな感じにしてかないとかなぁ。
あ、考え事と愚痴のループにはいるパターンのやつだ、これ。
「おーい」
「コイル、さん?」
はっと気がつくと、マヨイが俺の顔の前で手を振ってて、その向こう側には首を傾げてるヌーコの顔が見えた。
「あ、すまん。ちょっと考え事してた」
「ふーん」
「と、とにかく一緒に行きましょう! ねっ?」
何故かヌーコに左腕を取られ、階段に向かってそのまま引っ張られる。
「あっ、あっ、あっ、何してるのよヌーコ」
これが素なのか、マヨイがツインテールの時の声でヌーコに文句を言いながら付いてくる。
おいおいおい……なんで俺がこんなリア充死ねよ的な状況になってるんだよ。
まあ、悪い気はしないけど。
でも、ちょっとだけ面倒だ。
結局、引きずられるようにしてやって来たのはレインボートラウトという名の店だった。
レインボートラウトというのは魚の名前だそうだ。そして、その店名の通り、ここではレインボートラウトがメイン食材なんだそうだ。
「はいよ。マヨイちゃん、いつもの焼き魚定食お待たせ」
「ヌコ、ムニエルお待た」
注文の品が出てくるまで、マヨイとヌーコは店のおばちゃんと、小学生くらいの女の子と話続けていた。俺らが席に着くと、おばちゃんたちは何故か当然のように俺らのテーブルに座っていたのだ。
二人は店の奥から、旦那さんと思われるおじさんの声で呼び出されては配膳をしたり、会計したり、他のテーブルを片付けたりしてたんだけど、作業が終わるたんびにここに戻って来ていた。
で、ようやっと、俺らのテーブルの注文の品を持って来てくれたわけだ。
「はい。コイルくんも焼き魚定食どうぞお」
目の前に置かれたのはご飯、味噌汁、漬物と、40センチはある丸々太った焼き魚だった。
「でかいですね」
これはレインボートラウトと言って、日本名だとニジマスと呼ばれる魚なんだそうだ。
漢字だと虹鱒。
なるほど。
トラウトはマスってことなんだろうな。
虹はレインボー。
でも、身は白身らしい。
「うまっ」
4人全員から「熱いうちに食べて」と言われて食べてみたんだけど、ふっくらした赤身が本当にうまい。
白身魚と聞いていたのに、鮭みたいな赤身なのは謎だけど、うまいので気にしないことにした。
そこからは会話もせずに一気に完食した。
魚はあまり食べ慣れてないから、食べ終わりが汚くて少し申し訳ない気持ちになった。
俺一人が食べ終わってしまい、マヨイとヌーコはまだ半分も残っている虹鱒を食べ続けている状況の中、俺は一人、幸せな満腹感に浸っていた。
そこに酒を持ってきたおばさんがやってきて、俺の向かい側に座った。
コップを渡され酒を注がれる。
「いい食いっぷりだったねえ、食べ方はちょっと子供っぽいけど」
からからと笑いながら酒の入った瓶をこちらに渡して、自分が持ってきたコップを差し出してくる。
ご返杯というか、まあ、注げってことだよな。
俺はおばさんのコップに酒を注いで、そして、お互いに軽く身を乗り出して乾杯した。
マヨイとヌーコが不満の声を上げるが、流れってやつだ。なんとなく、このおばさんには逆らえない気がした。
「あたしはレイギスっていうんだ、よろしくね、コイル君。キミのことはこの子たちからよく聞いてるんだわ。この子たちのこと、お願いね」
「レイギスさんですね。よろしくお願いします。ニジマスって美味しいんですね。知りませんでしたよ。また来させてもらいます」
自分たちの話題について触れなかった俺に、またも不満の声を上げるマヨイとヌーコをスルーしてみた。
そんな俺に呆れるレイギスさんに向けて、俺は肩を竦めて見せたのだった。
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