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ソルトくんは依頼通り六階層に向かってくれたという話だ。
彼一人でどうにかできる話じゃあ無いだろうけど、ギルド側の意を汲んでくれている強者が一人でも先行してくれてるのはありがたい。
今回の件、勇者マサキがいるブレイカーズを含め、クラン風の剣が原因なのだから、この二つの勢力はギルドに敵対している可能性が非常に高いと考えられるわけだしね。
ミツキ殿もマルメルくんも、それぞれ事情があったのかも知れないが、ギルドが、そしてメールスフィアの街が決めた方針に逆らったのは間違いないわけで、その結果、心構えが出来ていなかった街の者たちに死傷者が出てしまった。
私はギルドの長として、彼らを罰さなければならない。
しかし、下層に向かう途中で名もなきクランのメンバーと出会えたのは良かった。
おかげで、もしも道中でブレイカーズとクラン風の剣に出くわした時の対応を事前に決める事ができた。
でもまずは最速で六階層に到達することを目標とする。
私達にできるか分からないけど、六階層に生まれたという魔獣王を早く倒してしまわなければ。
「なかなかきついな、アージェス」
「だね。鍛錬は続けてきたつもりだけど……」
「私はまだまだ行けるぞ」
「きみは後ろから魔道具使うだけだからね」
「年寄には楽をさせるものだ。若者よ」
サナム、ダルダロイの二人と愚痴を交わしながら、湧き出る死霊や魔獣を倒しつつ四階層を進む。
メンバーは減ってしまったけど、昔の仲間と迷宮を走っていると、何歳か若返ったような気持ちになる。
いや、実際のところ、同年代の人間に比べたら私達はかなり若い。
それは迷宮の恩恵であり、または呪いとも言えるもののせいだ。
迷宮的には「魔竜王討伐の報酬」として我々に与えたプレゼントなのだろうけど。
ただ、迷宮から出ていたダルダロイは、普通に流れる時間の中で生きている為、その呪いの効果が薄いらしく、私とサナムよりも歳を取っている。
そう。魔竜王討伐の報酬は、迷宮一階層の南側の一部を魔物が湧かないエリアにしたことの他に、迷宮内にいる限り歳を取るスピードが遅くなる、と言うものもあったのだ。
その恩恵を受けているのは、魔竜王討伐を行った私とサナム、そしてミストの三人。
ダルダロイは迷宮に縛られたくないと言って迷宮を出ていた。
ヤヨイは自身の国、イースタールの為に迷宮を出た。
そうは言っても、その二人も、十年はサウススフィアの街を作り上げる為に迷宮内にいたから、同年代に比べれば10歳近く若い見た目ではあるのだけど。
「カザミネの動きはどうなんだ?」
サナムがダルダロイに確認する。既に確認済みの話題のはずなのに、サナムは相変わらず慎重だ。
「……さっきも話した通り、私たちが迷宮に入る前までは街にいたはずだ。奴に動きがあればムーディーから連絡が入る手はずになっていたからな。奴の動きより、むしろギルドがカザミネやクラン風の剣を抑えられるかどうかの方が心配だよ」
「ミストも来てくれたから、よっぽどの手練が来ない限りは大丈夫じゃないかな。まあ、相手の数次第ってところはあるけど」
ダルダロイが律儀に答えたので、私もギルドに関して答えておいた。
ミストと言うのは精霊弓術士で、二十年前の五階層攻略に参加した美魔女だ。私よりも歳上だったはずだけど、今やその見た目は私よりも若々しい。距離を取って戦わせたら、彼女はかなりの強者だ。いや、近距離で戦っても怖い存在なんだけど。
ギルドにはサブマス達もいるし、ギルド寄りの高レベルパーティーも何組かいるから、カザミネが総力戦で来ない限りはなんとかなるだろう。
……いや、見積もりが甘いのは重々承知だ。それでも魔獣王を討伐することを優先しなければならない状況なんだ。
「カザミネはミズーリと同じだ。私達にはない発想、彼らのいた元の世界の知識で強力な魔道具を創り出す天才だ。あいつがこれまでに創ってきた魔法の武具や魔道具を持ち出してきたら、私がギルドに置いてきた魔道具では立ち打ちできないだろう」
ダルダロイが不安を口にする。
普段、自信家を装ってはいるけど、彼の本質は臆病だ。ただ、これは悪いことじゃない。臆病なのはイコール弱いと言うことじゃないんだから。彼が吹かせる臆病風は、彼に防風林となる新たな魔道具や知略を身に着けさせた。
単に体が強くて、無謀無策で敵に突っ込んで行くだけの戦士より、数十倍は役に立つ。
「大丈夫だよ、ダルダロイ。きみの創った魔装や魔道具も強力な物ばかりだ。後はそれを使う私達の力次第さ」
「だな。俺もお前の持ってきてくれた魔装と魔槍のおかけで、今回は楽させてもらってる。欲を言えば、もっと前に貰いたかったがな」
「それはあれだ。武具に頼らずに戦い続けることでサナム達自身に強くなってもらう必要があったからな」
「おう、任せてくれ。どこかのギルマスみたいに訓練場には行けてなかったが、何十、何百回とレイドモンスターを倒してきたからな。大型相手なら任せてくれ。どんな奴でも止めてみせる」
「サナム……私だってギルドの仕事がなければ現場で戦っていたかったさ」
私達はこの時に備えてそれぞれが鍛錬をしてきた。
とは言え、迷宮の階層が深くなるにつれて、現場での戦いが不足していることを痛感する。
サナムもつい数年前まではほぼ一階層でしか戦ってなかったわけだし。まあ、数カ月間とはいえ、四階層のレイドモンスター相手に戦っていたのだから、私よりは全然ましなのだろうけど。
ダルダロイが創ってくれた魔装や大魔剣は強力な物だ。
でも、肝心の自分の力が足りていない。
既に「名もなきクラン」とすれ違ってから二日が経っている。魔物が強くて思ったように先に進めてないのだ。
ようやっと五階層に入ったのだけど、かつて魔竜王と戦った時よりも、魔物がかなり強くなっているのが原因だ。更に、新たな敵である魔獣が手強い。
魔獣王と言うのが現れたことによって、迷宮内の魔物が一段階強くなってしまったのだろう。かつて、魔竜王が現れた時にも、竜種の魔物が増えて、すべての階層の魔物が強くなった。たぶん、それと同じなんだ。
このままでは、六階層に入れた所で魔獣王がいるレイド部屋まで辿り着けないかも知れない。
ソルトくん、そして勇者マサキ達は無事だろうか。そしてクラン風の剣の者達も……生きててもらわないと罪を償わせる事もできないからな。
そう考えてから、自嘲気味に笑ってしまった。
人の心配をしてる場合じゃないだろう。
かつて、私達は魔竜王を倒した。
だけど、あれよりも強い魔物が現れたら勝てないと悟ったから、探索者としては第一線から退いた。
英雄と呼ばれる事から逃げたのは、謙遜なんかじゃなくて、有事の際に先頭に立たされる事を嫌っただけだった。
私以外のみんながどう思ってたかは知らないけど、少なくとも私はそう思っていた。
それでも街ができると、様々な所から私達を持ち上げる声が上がった。
だから、隠れ蓑として探索者ギルドを作り、その長となる事で、体よく裏方仕事に徹する事にした。
ギルマスになってからも鍛錬は続けていた。
次の階層の開放と、新たな魔物の出現を恐れつつも、私達こそがサウススフィアを守らなければならないと思っていたからだ。
でも、努力が足りなかった。
覚悟が足りなかった。
そして、単純に、力が足りなかった。
かつての仲間が、魔竜王に殺された場面を思い出す。
ミザーリはヤヨイとダルダロイを庇って死んでいった。
魔竜王の雷の息吹を背中で受けきった彼の姿が、今、眼前で氷の息吹を引き受けてくれているサナムに被って見える。
私は、私達の力は、燃えるように熱い五階層で、身も凍る程の攻撃を受けて、無惨にも……
彼一人でどうにかできる話じゃあ無いだろうけど、ギルド側の意を汲んでくれている強者が一人でも先行してくれてるのはありがたい。
今回の件、勇者マサキがいるブレイカーズを含め、クラン風の剣が原因なのだから、この二つの勢力はギルドに敵対している可能性が非常に高いと考えられるわけだしね。
ミツキ殿もマルメルくんも、それぞれ事情があったのかも知れないが、ギルドが、そしてメールスフィアの街が決めた方針に逆らったのは間違いないわけで、その結果、心構えが出来ていなかった街の者たちに死傷者が出てしまった。
私はギルドの長として、彼らを罰さなければならない。
しかし、下層に向かう途中で名もなきクランのメンバーと出会えたのは良かった。
おかげで、もしも道中でブレイカーズとクラン風の剣に出くわした時の対応を事前に決める事ができた。
でもまずは最速で六階層に到達することを目標とする。
私達にできるか分からないけど、六階層に生まれたという魔獣王を早く倒してしまわなければ。
「なかなかきついな、アージェス」
「だね。鍛錬は続けてきたつもりだけど……」
「私はまだまだ行けるぞ」
「きみは後ろから魔道具使うだけだからね」
「年寄には楽をさせるものだ。若者よ」
サナム、ダルダロイの二人と愚痴を交わしながら、湧き出る死霊や魔獣を倒しつつ四階層を進む。
メンバーは減ってしまったけど、昔の仲間と迷宮を走っていると、何歳か若返ったような気持ちになる。
いや、実際のところ、同年代の人間に比べたら私達はかなり若い。
それは迷宮の恩恵であり、または呪いとも言えるもののせいだ。
迷宮的には「魔竜王討伐の報酬」として我々に与えたプレゼントなのだろうけど。
ただ、迷宮から出ていたダルダロイは、普通に流れる時間の中で生きている為、その呪いの効果が薄いらしく、私とサナムよりも歳を取っている。
そう。魔竜王討伐の報酬は、迷宮一階層の南側の一部を魔物が湧かないエリアにしたことの他に、迷宮内にいる限り歳を取るスピードが遅くなる、と言うものもあったのだ。
その恩恵を受けているのは、魔竜王討伐を行った私とサナム、そしてミストの三人。
ダルダロイは迷宮に縛られたくないと言って迷宮を出ていた。
ヤヨイは自身の国、イースタールの為に迷宮を出た。
そうは言っても、その二人も、十年はサウススフィアの街を作り上げる為に迷宮内にいたから、同年代に比べれば10歳近く若い見た目ではあるのだけど。
「カザミネの動きはどうなんだ?」
サナムがダルダロイに確認する。既に確認済みの話題のはずなのに、サナムは相変わらず慎重だ。
「……さっきも話した通り、私たちが迷宮に入る前までは街にいたはずだ。奴に動きがあればムーディーから連絡が入る手はずになっていたからな。奴の動きより、むしろギルドがカザミネやクラン風の剣を抑えられるかどうかの方が心配だよ」
「ミストも来てくれたから、よっぽどの手練が来ない限りは大丈夫じゃないかな。まあ、相手の数次第ってところはあるけど」
ダルダロイが律儀に答えたので、私もギルドに関して答えておいた。
ミストと言うのは精霊弓術士で、二十年前の五階層攻略に参加した美魔女だ。私よりも歳上だったはずだけど、今やその見た目は私よりも若々しい。距離を取って戦わせたら、彼女はかなりの強者だ。いや、近距離で戦っても怖い存在なんだけど。
ギルドにはサブマス達もいるし、ギルド寄りの高レベルパーティーも何組かいるから、カザミネが総力戦で来ない限りはなんとかなるだろう。
……いや、見積もりが甘いのは重々承知だ。それでも魔獣王を討伐することを優先しなければならない状況なんだ。
「カザミネはミズーリと同じだ。私達にはない発想、彼らのいた元の世界の知識で強力な魔道具を創り出す天才だ。あいつがこれまでに創ってきた魔法の武具や魔道具を持ち出してきたら、私がギルドに置いてきた魔道具では立ち打ちできないだろう」
ダルダロイが不安を口にする。
普段、自信家を装ってはいるけど、彼の本質は臆病だ。ただ、これは悪いことじゃない。臆病なのはイコール弱いと言うことじゃないんだから。彼が吹かせる臆病風は、彼に防風林となる新たな魔道具や知略を身に着けさせた。
単に体が強くて、無謀無策で敵に突っ込んで行くだけの戦士より、数十倍は役に立つ。
「大丈夫だよ、ダルダロイ。きみの創った魔装や魔道具も強力な物ばかりだ。後はそれを使う私達の力次第さ」
「だな。俺もお前の持ってきてくれた魔装と魔槍のおかけで、今回は楽させてもらってる。欲を言えば、もっと前に貰いたかったがな」
「それはあれだ。武具に頼らずに戦い続けることでサナム達自身に強くなってもらう必要があったからな」
「おう、任せてくれ。どこかのギルマスみたいに訓練場には行けてなかったが、何十、何百回とレイドモンスターを倒してきたからな。大型相手なら任せてくれ。どんな奴でも止めてみせる」
「サナム……私だってギルドの仕事がなければ現場で戦っていたかったさ」
私達はこの時に備えてそれぞれが鍛錬をしてきた。
とは言え、迷宮の階層が深くなるにつれて、現場での戦いが不足していることを痛感する。
サナムもつい数年前まではほぼ一階層でしか戦ってなかったわけだし。まあ、数カ月間とはいえ、四階層のレイドモンスター相手に戦っていたのだから、私よりは全然ましなのだろうけど。
ダルダロイが創ってくれた魔装や大魔剣は強力な物だ。
でも、肝心の自分の力が足りていない。
既に「名もなきクラン」とすれ違ってから二日が経っている。魔物が強くて思ったように先に進めてないのだ。
ようやっと五階層に入ったのだけど、かつて魔竜王と戦った時よりも、魔物がかなり強くなっているのが原因だ。更に、新たな敵である魔獣が手強い。
魔獣王と言うのが現れたことによって、迷宮内の魔物が一段階強くなってしまったのだろう。かつて、魔竜王が現れた時にも、竜種の魔物が増えて、すべての階層の魔物が強くなった。たぶん、それと同じなんだ。
このままでは、六階層に入れた所で魔獣王がいるレイド部屋まで辿り着けないかも知れない。
ソルトくん、そして勇者マサキ達は無事だろうか。そしてクラン風の剣の者達も……生きててもらわないと罪を償わせる事もできないからな。
そう考えてから、自嘲気味に笑ってしまった。
人の心配をしてる場合じゃないだろう。
かつて、私達は魔竜王を倒した。
だけど、あれよりも強い魔物が現れたら勝てないと悟ったから、探索者としては第一線から退いた。
英雄と呼ばれる事から逃げたのは、謙遜なんかじゃなくて、有事の際に先頭に立たされる事を嫌っただけだった。
私以外のみんながどう思ってたかは知らないけど、少なくとも私はそう思っていた。
それでも街ができると、様々な所から私達を持ち上げる声が上がった。
だから、隠れ蓑として探索者ギルドを作り、その長となる事で、体よく裏方仕事に徹する事にした。
ギルマスになってからも鍛錬は続けていた。
次の階層の開放と、新たな魔物の出現を恐れつつも、私達こそがサウススフィアを守らなければならないと思っていたからだ。
でも、努力が足りなかった。
覚悟が足りなかった。
そして、単純に、力が足りなかった。
かつての仲間が、魔竜王に殺された場面を思い出す。
ミザーリはヤヨイとダルダロイを庇って死んでいった。
魔竜王の雷の息吹を背中で受けきった彼の姿が、今、眼前で氷の息吹を引き受けてくれているサナムに被って見える。
私は、私達の力は、燃えるように熱い五階層で、身も凍る程の攻撃を受けて、無惨にも……
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