愛されホムンクルスの復讐譚

ごぶーまる

文字の大きさ
上 下
1 / 35
序章

EP.1出会い、想いの始まり

しおりを挟む
 上空を飛んでいたある夜のことだった。
その日は激しい雨が降り注いでいた。任務のため、空を旋回し地上の様子を探っていたその時だった。

 突然、俺の身体を落雷が貫いた。

 神罰だろうか。そう思える心当たりがいくつもあった俺は、意識を手放しながら墜落していった。



 ふと気づくと俺は、見知らぬ天井を見つめながら目を覚ました。体の痛みは和らいでいたが、まだ完全には回復していない。

「ここは...?」

自分の身体を確認すれば、擦り傷や打撲の跡があり、それに処置を施されている。誰かが俺を拾って介抱してくれたのだろうか……。
誰かが階段を登る足音が聞こえて、ふと気づいた。俺が天使であることは知られてはいけない。
背中に生えている翼と、頭の上にある光輪を見られたら、人間ではないことがバレてしまう。それは任務の上では不味いことだ。
咄嗟に天使の力を使って、翼と光輪を隠した。翼は骨が折れているようで、動かすだけでも痛みが走る。
さぁ誰が俺を介抱した?天使だと気づかれていたなら、記憶消去もやむなしだが……と考えている刹那、部屋のドアが開き、一人の少年が入ってきた。
その瞬間、俺は息を呑んだ。

 扉を開けて入ってきた少年は、紺色の髪と青い瞳を持ち、まるで絵画から抜け出してきたかのような美しさだった。
俺は一目見ただけで、彼に心奪われていた。そう。俺は天界では禁じられているが、男でありながら男に惹かれる性質の持ち主なのだ。

「気がついたみたいですね、よかった~。」
「気分はいかがですか?」少年が優しく尋ねる。

思わず微笑んだ。「ああ、だいぶ良くなったよ。あんたが助けてくれたんだな。ありがとう。」

少年は小さく頷いた。微笑む姿も可愛らしい。

「あなた、雷に打たれたみたいで……拾った時は身体が裂けてたり、骨が折れてたりで、すごく大変そうだったんですよ。僕にできる範囲で手当てはしましたが、しばらくは安静にしていてくださいね。」

「そうか……重ねて感謝するよ。」
雷に直撃して、人間だったら生きている方が稀だと思うが……この少年はその事に気づいてはいないようだ。

「そうだ。あんた、名前は?」この少年に近づきたい。己の欲望のまま尋ねていた。

「あ、ええと……」

少年は少し躊躇しているようだった。不思議に思いつつ、少年の返答を待つ。

「ごめんなさい、僕は……記憶がないんです。」
「記憶がない……?」
随分奇妙な状態だな、と思った。記憶がないのに、どうやって俺の手当てをしたんだ?

「あっ、えっと、知識は、ちょっとはあるんです。ネットで色々調べて、手当ては見様見真似でやってみたんですけど、自分の名前はその……わからなくて……。」
「ごめんなさい、変な答えをしてしまって。呼び名がなくて不便なら、どうぞ好きなように呼んでください。」

少年は申し訳なさそうに俯いた。その姿を見て、力になってあげたいと、本能的に感じていた。

「……その、顔を、よく見せてくれないか。」
「?はい、どうぞ。」
そう言って少年は俺に身を寄せた。美しい青色の瞳が天井の照明を反射し、それを彩るように、紺色の前髪が顔全体を整えていた。

「……うん、やっぱり綺麗だ。」
「紺碧、そう呼ばせてくれ。」

俺は目の前の少年の美貌を見て、ふと口に出していた。
少年―紺碧は、名付けられた瞬間、目を見開いたような気がした。それを見て俺は、少し言い寄るようなことを言いすぎたか?と反省する。

「いやっ!一目見た時から、綺麗だなって思ってただけだから。決してその、口説いているわけではなくてだな……。」

言い訳虚しく、紺碧はくすくすと笑った。

「紺碧、ですか。」
「……いい名前だと思います。ありがとうございます。」
彼は穏やかに微笑んだ。警戒されていたりはしないようで、ほっとした。

「では、何かあったらいつでも呼んでください。お大事に。」
と告げて、紺碧は部屋を後にした。

「紺碧……。」
胸が高鳴る音が止まない。この時俺は既に恋に落ちていたのだとは、知る由もなかった。


 天使の再生力は強い。俺の怪我はたった一週間で完治してしまった。紺碧との時間は本当に楽しかったが、俺には任務がある。もう留まるわけにはいかないと、重い口を開く。

「紺碧、そろそろお暇させてもらおうと思うんだ。」

その言葉を聞いて、紺碧は反射するようにこう答えた。

「えっ、嫌です!」
「もう少しいてくれませんか?迷惑とか、気にしなくていいので……。」

紺碧は俺の手を取って、上目遣いで見つめてきた。
紺碧が俺の滞在を続けることを望んでいたのは意外だったが、その驚きと、突然の可愛らしい仕草に、俺の心は大きく揺れた。理性が飛んでしまう。

「付き合って欲しい」

思わず口走ってしまった言葉に、俺は自分でも驚いた。本音が……!本音が漏れてしまった……!すぐに訂正しなければ、と思っていた矢先、驚くべき返事がすぐに返ってきた。

「いいですよ」紺碧は即答したのだ。
えっ……いいの!?本当に!?やったー!と心の中で舞い上がる。しかし彼は、こうも後に続けたのだ。

「どこにですか?」と。

俺は紺碧の言葉に戸惑いながら、苦笑いをせずにはいられなかった。
「いや、そういう意味じゃなくて...」

そして、交際の意味を説明しながら、俺は紺碧との新しい関係の始まりを感じていた。同時に、天界の仕事を放り出していることへの罪悪感と、紺碧への想いの間で揺れ動く自分を意識した。

これが、俺と紺碧の出会いだった。この時は想像もしていなかった。この出会いが、俺の運命を大きく変えてしまうものになるとは━━



 居候生活が始まって数日が経った。あるから結局交際の意味を説明し、改めて承諾をもらえたが、俺は紺碧の様子を観察しながら、この家の不自然さに違和感を覚えていた。

一人暮らしにしては広すぎる家。部屋は必要以上に多く、紺碧はそのほとんどを使っていないようだった。

「紺碧、この家で他に誰か住んでるのか?」と尋ねてみたが、彼は首を横に振るだけだった。

ある日、庭に置いてある自転車を見つけた俺は、紺碧を誘ってみることにした。

「紺碧、サイクリングでも行かないか?」

「サイクリング...ですか?」彼は少し困惑した表情を浮かべた。

「ああ、自転車に乗って外を走るんだ。楽しいぞ」

紺碧は少し躊躇したが、最終的に同意してくれた。しかし、彼が自転車に跨ろうとした瞬間、俺は驚愕した。紺碧は完全に乗り方を知らなかったのだ。
自転車が跨るものとも認識できずに、紺碧は持ち上げたり車輪を回したりしている。まるで自転車に乗る人間さえ見たことがなさそうだった。

俺は紺碧に基本的な乗り方を教えたが、彼はすぐに転んでしまった。どうやら本当に乗ったことがないようだった。
不思議に思いつつも昼下がりになり、そろそろ夕食の献立を決める頃だろう時、紺碧に声をかけた。

「紺碧、カレーが食べたいんだけど、一緒に作らないか?」

彼は嬉しそうに頷いた。「はい、いいですよ。」

紺碧のことを知るチャンスだと思った俺は、さりげなく質問を投げかけた。

「紺碧は普段どんなカレーを食べてるんだ?」

すると、紺碧の表情が一瞬固まった。「どんな……ですか?」

「ああ、にんじんが入っているかとか、肉はチキンかポークかとか……」

紺碧は顔に疑問符を浮かべていた。問い詰めると、彼がにんじんという言葉すら理解していないことに気がついた。カレーは知っているのに、その材料を知らないなんて、そんな記憶の失い方があるのか?と疑問に思った。

「あの……僕はどうしたら…...」紺碧は言葉を詰まらせた。

俺は紺碧の困惑した表情を見て、急いで話題を変えた。

「大丈夫だ。じゃあ、実際に材料を買って作ってみようか。俺が教えるから」

紺碧は安堵したように微笑んだが、俺の心の中では疑問が渦巻いていた。記憶喪失に詳しいわけではないが、何かが変だ……。そう思いながらも、俺たちは近くの店に材料を買いに行った。


 
 この家は山の真中にあり、最寄りの食料品店まで、片道三十分は歩く羽目になった。それでもなんとかカレーの材料を買う事はできたため、調理を開始する。
キッチンに立つと、紺碧は少し緊張した様子で俺の動きを追っていた。俺は彼の反応を観察しながら、ゆっくりと調理の準備を始めた。

「まずは野菜を切るんだ」俺が言うと、紺碧は興味深そうに頷いた。

「まな板はどこにある?」と尋ねると、紺碧は困惑した表情を浮かべた。

「まな板……ですか?」

俺は眉を上げながら、引き出しを開けてまな板と包丁を取り出した。紺碧の反応を見ていると、まるでそれが何なのかわからないようだった。

「これだよ。野菜を切るときに使うんだ」

紺碧は興味深そうにまな板を観察し、小さく頷いた。

次に、俺は包丁を取り出した。「じゃあ、玉ねぎを切ってみようか」

紺碧に包丁を渡すと、彼は人を刺す時のような握り方をした。その姿を見て、俺は本当に握ったことがないんだなと思った。

「違うんだ。こう持つんだよ」俺は優しく紺碧の手を取り、正しい持ち方を教えた。彼の手に触れたとき、少しドキッとしたが、それを悟られないよう平静を装った。

「玉ねぎの皮をむいて、こうやって薄く切るんだ」

俺が見本を見せると、紺碧は真剣な眼差しで観察していた。その表情が妙に可愛らしくて、どこか庇護欲をくすぐられた。

「じゃあ、紺碧も試してみて」

紺碧はゆっくりと、しかし真剣に玉ねぎを切り始めた。その姿は初々しく、成長を見届けるような、期待と不安が入り混じる気持ちで胸が満たされる。

しばらくすると、玉ねぎの刺激で俺の目に涙が溢れてきた。特に驚くべきことでもないので、黙って袖で涙を拭った。

しかし、紺碧は俺のその様子に驚いたように、俺を見つめてきた。

「大丈夫ですか?どうして……今泣いてたんです?」

その反応に、俺は一瞬言葉を失った。玉ねぎを切っているのに、まるでその刺激を全く感じていないようだ。

「玉ねぎを切ると、目がしみるんだよ。紺碧は平気なのか?」
紺碧は首を傾げた。「僕は何も……。」

この瞬間、俺の中で何かが引っかかった。普通の人間なら必ず感じるはずの玉ねぎの刺激を、紺碧は全く感じていない。これは単なる記憶喪失では説明がつかない。

「そうか...」俺は深く考え込みながら、調理を続けた。

紺碧の不思議な反応に、俺の疑念は深まるばかりだった。しかし同時に、彼の一生懸命な姿は、かけがえのないものだとも感じている。

この相反する感情を抱えながら、俺たちはカレー作りを進めていった。



 カレーの香りが部屋中に広がり、俺たちは食卓を囲んだ。紺碧は興味深そうにカレーを見つめている。その無邪気な表情に、俺は複雑な思いを抱えていた。

「いただきます」

俺たちは同時に口にした。紺碧は初めて食べるかのように慎重にスプーンを口に運んだ。

「おいしい……!」彼の目が輝いた。

その反応を見ながら、俺の頭の中では、一つ確信を得ていた。

紺碧は記憶喪失ではない!知識に偏りがある何かだ!

紺碧はカレーを知っていた。でも、にんじんやじゃがいもといった野菜の名前は知らなかった。包丁の持ち方も知らなかった。
それだけの知識の偏りがあるが、裂傷や骨折と言った怪我のことは、治療法を調べられる程度には知っていた。生存に関する知識はあるということだ。
自転車は家にあったのに、乗り方を知らなかった。この広い家には紺碧しかいないようだが、一人暮らしにしては不自然なほど広く、少しだけ埃を被っている。

そして何より、俺という見知らぬ人間をこんなにも簡単に受け入れてしまう。

これらの矛盾する事実が、俺の中で整理がつかない。

「なぁ、紺碧」慎重に言葉を選びながら、俺は尋ねた。

「会ったばかりの俺のこと、どうしてこんなに好きになってくれたんだ?」

紺碧は一瞬考え込むような仕草を見せた後、無邪気な笑顔で答えた。

「名前をつけて呼んでくれた、初めての人だからです。それがとってもうれしかったんです!」

その答えに、俺の胸が締め付けられるのを感じた。名前をつけられて喜ぶ……まるで、それまで名前すら持っていなかったかのような反応だ。

普通の人間なら、たとえ記憶喪失だったとしても、自分の名前があったことくらいは、覚えているはずだ。しかし紺碧は、まるで生まれて初めて名前を与えられたかのように喜んでいた。

そして、「初めての人」という言葉。これまで誰とも関わりを持たなかったのだろうか。この家には生活の痕跡があるのに。

「そうか……。」俺は微笑みを浮かべながら答えたが、心の中では様々な可能性を考え始めていた。

本当に記憶喪失なのか?いや、それだけでは説明がつかない。
何か実験的な存在?でも、この家にはそんな設備があるようには見えない。
もしかして、人間ではない何か?

その考えが頭をよぎった瞬間、俺は自分が天使であることを思い出した。そして、天使に敵対する、諸々の人ならざる者たちのことも。

「カレー、おいしいな。」俺は自分の動揺を悟られないよう、談笑を続けた。

紺碧は嬉しそうに頷いている。その無邪気な笑顔を見ていると、真実を知ることへの恐れと、彼を守りたいという庇護欲が湧き上がってきた。

いいさ、紺碧の正体がどんなものでも、俺はきっと紺碧を好きなままでいられる。
俺は心の中でそう唱えて、再びスプーンを動かした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

絶世のディプロマット

一陣茜
SF
惑星連合平和維持局調停課に所属するスペース・ディプロマット(宇宙外交官)レイ・アウダークス。彼女の業務は、惑星同士の衝突を防ぐべく、双方の間に介入し、円満に和解させる。 レイの初仕事は、軍事アンドロイド産業の発展を望む惑星ストリゴイと、墓石が土地を圧迫し、財政難に陥っている惑星レムレスの星間戦争を未然に防ぐーーという任務。 レイは自身の護衛官に任じた凄腕の青年剣士、円城九太郎とともに惑星間の調停に赴く。 ※本作はフィクションであり、実際の人物、団体、事件、地名などとは一切関係ありません。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

CREATED WORLD

猫手水晶
SF
 惑星アケラは、大気汚染や森林伐採により、いずれ人類が住み続けることができなくなってしまう事がわかった。  惑星アケラに住む人類は絶滅を免れる為に、安全に生活を送れる場所を探す事が必要となった。  宇宙に人間が住める惑星を探そうという提案もあったが、惑星アケラの周りに人が住めるような環境の星はなく、見つける前に人類が絶滅してしまうだろうという理由で、現実性に欠けるものだった。  「人間が住めるような場所を自分で作ろう」という提案もあったが、資材や重力の方向の問題により、それも現実性に欠ける。  そこで科学者は「自分達で世界を構築するのなら、世界をそのまま宇宙に作るのではなく、自分達で『宇宙』にあたる空間を新たに作り出し、その空間で人間が生活できるようにすれば良いのではないか。」と。

【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~

こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。 人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。 それに対抗する術は、今は無い。 平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。 しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。 さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。 普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。 そして、やがて一つの真実に辿り着く。 それは大きな選択を迫られるものだった。 bio defence ※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

ふたつの足跡

Anthony-Blue
SF
ある日起こった災いによって、本来の当たり前だった世界が当たり前ではなくなった。 今の『当たり前』の世界に、『当たり前』ではない自分を隠して生きている。 そんな自分を憂い、怯え、それでも逃げられない現実を受け止められるのか・・・。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サクラ・アンダーソンの不思議な体験

廣瀬純一
SF
女性のサクラ・アンダーソンが男性のコウイチ・アンダーソンに変わるまでの不思議な話

処理中です...