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前日譚・自己開発編
7日目
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そこそこの大きさのある箱を前にして、俺は苦悶していた。
買ってしまったのだ……二本目のディルドを…………。
確かに「最初は初心者向けのサイズにして、満足できなくなったら二本目を買えばいい」という魂胆は最初からあった。そして今のところ尻が切れるような怪我もなく、一本目のディルドをすんなり受け入れられるようになっているのだから、その考えは正しかったと言えるだろう。
だが、それはそれ、これはこれだ。俺は再び快楽のために買い物をする罪悪感を味わっていた。
とは言え、買ってしまって届いた以上、もう引き返せる段階にはいないのだ。観念して箱を開封することにした。
中に入っていたディルドは、一本目と太さはあまり変わりがないが、長さに大きな違いがあるものだった。前のものより10センチくらい長い。これで奥まで届くという寸法だ。
色は生々しい肉色をしている。ディルドは所詮シリコンの塊だから、色は自由に決められるはずだが、いきりたった男根そのものの形をしているので、なんだか微妙に嫌悪感をもたらす感じで現実味がある気がする。
ディルドを手に取る。やはり張り型故に、重量感はそこまでない。だが、確かにそこに存在する質量を、手に取って実感していた。これが身体の中に入るのか……しかも本来ものを入れるべきではないところに……と、少しばかりの恐怖感と、それ以上の期待で、俺は唾を呑んだ。
準備を済ませ、裸でベッドの上に乗り、既にほぐした菊門に、買ったばかりのディルドを少しずつ挿れていく。四つん這いになりつつ長いソレを挿れていくのは、少しやりづらさを感じるものの、なんとか先端が入ってきた。入った瞬間、ゾクゾクと快感が全身を駆け巡る。既に前立腺に触れられただけで快感を感じる程度には、俺の身体は開発されているようだ。……まぁ開発したのは全部俺なんだが。
快感に身悶えつつ、挿入を続けていく。一本目のディルドだったら全部収まっていたところまで挿入った。このディルドにはまだまだ続きがあるので、続けて挿れていく。すると途中で、身体の奥、触れてはいけないところに触れた感覚があった。
それは危機感ではなく、更なる性感をもたらす場所だと、身体が告げていた。やがてぐっぷりとディルドを根元まで咥え込むと、今までのものとは比較にならないほどの、被支配感と圧迫感に、頭がふわふわする。
ふと気になって、腹を押してみる。ディルドが挿入っているあたりを押してみると、そこはちょうどへそのあたりであった。
そんなところまで侵入されているのか、という被支配感に、興奮が隠しきれない。ただの張り型でしかないそれに、これから自分は腹の中を掻き回されるのだと思うと、自分のものが先走りを垂らし始めるほどに昂り始めているのを実感していた。
そのままディルドの根本を掴み、少しだけ引っ張った後に、奥を一突きする。すると、驚くような快感が全身に走った。
「っ……!?」
まるでその一瞬だけ意識を失っていたような、思考が完全に止まってしまうような感覚。身体の最奥を責められているような、そんな感覚が駆け巡った。
これはヤバいのでは……?と困惑と期待が入り混じりつつ、ディルドを前後に動かし続けた。先程の感覚が連続で押し寄せる。
と同時に、頭の中の回路が焼き切れたように、だらしない声が漏れてしまう。
「あっ、あ~~~っ♡♡これ、ヤバ……♡」
頭が快楽に支配される感覚を体感してしまった。先程までの葛藤や理性は吹き飛び、ただ腹の中から与えられる快楽を味わうだけの獣に成り下がった感覚がある。
そういった感覚からか、甘い甘い、蜜のような快楽をもたらす脳内物質に満たされて溺れる。
そうしてディルドを動かすことを繰り返していると、突然、下肢がゾクっとする感覚に襲われる。
波が押し寄せる前に一度引くように。けれど快楽は一層強さを増しながら、しかし"それ"の到来を確かに告げているのだ。
息が一層荒くなる。それが恐ろしいほど強い快感であることを本能的に理解し、しかしそれが我が身に訪れることを、確かに歓迎しているのだ。
「……っ!……はぁ、あ」
そして、待ち望んだ"それ"がやってきた。
頭から性器までを貫かれるような快楽、目の奥でチカチカと瞬く視界。全身が快楽を享受し、歓喜に打ち震えている。
そしてそれら全てを受け入れて決壊したかのように、俺の性器からは透明な液体が流れ出ていた。
その快楽から解放された後、荒ぶった息を整えつつ、俺はそれが、求めて止まなかった「メスイキ」であると理解していた。
雄としての立場を手放し、本来他者に組み敷かれることでしか味わえない、雌の悦び。
それを自分自身だけの手で得たことに、言いしれぬ達成感と、どこか虚しさを感じていた。
脚に力が入らない。強すぎる快楽から覚めた後の頭は、不思議な程冷静だった。
「こんな快感……確かにこれは徳からは程遠い。」
身体の自由を奪うほど強い快楽には、反動が伴うことを俺は体感した。それほどまでに強い快楽を得てはいけないというのが、主の教えであり節制なのだろうと、俺は一人で納得していた。
しかし俺はもう既にそれに触れてしまった。もう後戻りはできないのだと確信していた。
脚の回復を待ちながら、俺は出来る範囲での後片付けを始めていた。
買ってしまったのだ……二本目のディルドを…………。
確かに「最初は初心者向けのサイズにして、満足できなくなったら二本目を買えばいい」という魂胆は最初からあった。そして今のところ尻が切れるような怪我もなく、一本目のディルドをすんなり受け入れられるようになっているのだから、その考えは正しかったと言えるだろう。
だが、それはそれ、これはこれだ。俺は再び快楽のために買い物をする罪悪感を味わっていた。
とは言え、買ってしまって届いた以上、もう引き返せる段階にはいないのだ。観念して箱を開封することにした。
中に入っていたディルドは、一本目と太さはあまり変わりがないが、長さに大きな違いがあるものだった。前のものより10センチくらい長い。これで奥まで届くという寸法だ。
色は生々しい肉色をしている。ディルドは所詮シリコンの塊だから、色は自由に決められるはずだが、いきりたった男根そのものの形をしているので、なんだか微妙に嫌悪感をもたらす感じで現実味がある気がする。
ディルドを手に取る。やはり張り型故に、重量感はそこまでない。だが、確かにそこに存在する質量を、手に取って実感していた。これが身体の中に入るのか……しかも本来ものを入れるべきではないところに……と、少しばかりの恐怖感と、それ以上の期待で、俺は唾を呑んだ。
準備を済ませ、裸でベッドの上に乗り、既にほぐした菊門に、買ったばかりのディルドを少しずつ挿れていく。四つん這いになりつつ長いソレを挿れていくのは、少しやりづらさを感じるものの、なんとか先端が入ってきた。入った瞬間、ゾクゾクと快感が全身を駆け巡る。既に前立腺に触れられただけで快感を感じる程度には、俺の身体は開発されているようだ。……まぁ開発したのは全部俺なんだが。
快感に身悶えつつ、挿入を続けていく。一本目のディルドだったら全部収まっていたところまで挿入った。このディルドにはまだまだ続きがあるので、続けて挿れていく。すると途中で、身体の奥、触れてはいけないところに触れた感覚があった。
それは危機感ではなく、更なる性感をもたらす場所だと、身体が告げていた。やがてぐっぷりとディルドを根元まで咥え込むと、今までのものとは比較にならないほどの、被支配感と圧迫感に、頭がふわふわする。
ふと気になって、腹を押してみる。ディルドが挿入っているあたりを押してみると、そこはちょうどへそのあたりであった。
そんなところまで侵入されているのか、という被支配感に、興奮が隠しきれない。ただの張り型でしかないそれに、これから自分は腹の中を掻き回されるのだと思うと、自分のものが先走りを垂らし始めるほどに昂り始めているのを実感していた。
そのままディルドの根本を掴み、少しだけ引っ張った後に、奥を一突きする。すると、驚くような快感が全身に走った。
「っ……!?」
まるでその一瞬だけ意識を失っていたような、思考が完全に止まってしまうような感覚。身体の最奥を責められているような、そんな感覚が駆け巡った。
これはヤバいのでは……?と困惑と期待が入り混じりつつ、ディルドを前後に動かし続けた。先程の感覚が連続で押し寄せる。
と同時に、頭の中の回路が焼き切れたように、だらしない声が漏れてしまう。
「あっ、あ~~~っ♡♡これ、ヤバ……♡」
頭が快楽に支配される感覚を体感してしまった。先程までの葛藤や理性は吹き飛び、ただ腹の中から与えられる快楽を味わうだけの獣に成り下がった感覚がある。
そういった感覚からか、甘い甘い、蜜のような快楽をもたらす脳内物質に満たされて溺れる。
そうしてディルドを動かすことを繰り返していると、突然、下肢がゾクっとする感覚に襲われる。
波が押し寄せる前に一度引くように。けれど快楽は一層強さを増しながら、しかし"それ"の到来を確かに告げているのだ。
息が一層荒くなる。それが恐ろしいほど強い快感であることを本能的に理解し、しかしそれが我が身に訪れることを、確かに歓迎しているのだ。
「……っ!……はぁ、あ」
そして、待ち望んだ"それ"がやってきた。
頭から性器までを貫かれるような快楽、目の奥でチカチカと瞬く視界。全身が快楽を享受し、歓喜に打ち震えている。
そしてそれら全てを受け入れて決壊したかのように、俺の性器からは透明な液体が流れ出ていた。
その快楽から解放された後、荒ぶった息を整えつつ、俺はそれが、求めて止まなかった「メスイキ」であると理解していた。
雄としての立場を手放し、本来他者に組み敷かれることでしか味わえない、雌の悦び。
それを自分自身だけの手で得たことに、言いしれぬ達成感と、どこか虚しさを感じていた。
脚に力が入らない。強すぎる快楽から覚めた後の頭は、不思議な程冷静だった。
「こんな快感……確かにこれは徳からは程遠い。」
身体の自由を奪うほど強い快楽には、反動が伴うことを俺は体感した。それほどまでに強い快楽を得てはいけないというのが、主の教えであり節制なのだろうと、俺は一人で納得していた。
しかし俺はもう既にそれに触れてしまった。もう後戻りはできないのだと確信していた。
脚の回復を待ちながら、俺は出来る範囲での後片付けを始めていた。
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