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2 うりふたつのカガミ
2_①
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メイズの街では、早々に宿を確保した。日没までの時間を、聞き込みに費やすことにする。ヘミオラでパン屋の主人から聞いたように、感嘆を込めて言うほどの大荷物ならば、ここでもそれなりに目立ったはずだ。運がよければ、話好きの目撃者に行き着く。
「しばらく前に、おおきな荷物のひと、来なかった?」
最初は、すれ違う人に片っ端から声をかけていたユッポだが、町の住人ばかりではないし、収穫がまるでない。会った人をよく覚えている、商売人に話を聞くよう促した。
行方を眩ますつもりなら、あまり宿には泊まらないだろう。すると、補給をしっかりするはずだ。だから、店という店を回ってみたんだ。
そうして、家具職人ペターは、国境を越えると大して高名ではないと知った。その名を知る者は少なく、尋ねることは外見の特徴に絞られた。大荷物の定義は人それぞれ、情報を拾うのは難しい。家具職人が持ち歩く道具袋だって、他の荷に隠れれば無いのと同じ。
時折、師の名を知る人に会うと、ユッポは嬉しそうに声を弾ませた。でも、聞けるのは師は引退したとか、亡くなったとか、暗い話ばかりだった。
噂なんてそんなものだ。職人としておしまい、くらいの話が膨らんだんだろう。僕は平気だが、ユッポが少しずつうつむき加減になっていく。
「パパ……だいじょうぶかな」
心配そうな声は、夕方のまばらな通行人の足音にも消え入った。
「仕方ない、質屋に行くか」
軒を連ねる店に、人形の材料を扱うところはない。この町の中では、質屋がユッポの正体を見破る可能性が高いから、最後に回していた。
「あぶないから、近寄らない方がブナンなんだよね」
聞き込みの途中で僕が言った台詞を、そっくりそのままユッポが言う。大した記憶力だ。
「他の店は、全部回っただろ。長居しなければ大丈夫だ」
いちいち、細かく事を説明するのは面倒だから、僕はさっさと質屋へと歩き出した。
ドアを開くと、見境なしにいろんな物が店頭に並んでいた。埃を被った、骨董品だか、ガラクタだかわからないオブジェ。いわくありげな分厚い本。図鑑の挿絵で見たような生き物の、干からびた標本。それらの奥で、店主が待ち遠しそうに暮れていく陽を眺めている。
「いらっしゃい」
けだるい声を押しのけて、目に飛び込んでくるものがあった。慌てて、ユッポに向かって人差し指を立てる。今は、何も言うな。
店主の後ろは、背の高い棚が造りつけになっている。腰の高さの棚板だけ手前に出張っていて、帳簿なんかが雑然と置かれていた。机に使う場所を狭くして、一枚、簡素な額縁が立て掛けてある。胡桃色の髪の、女の子の絵。
顎の位置で揃った髪型、柔らかい微笑の肖像画は、どう見てもユッポをモデルにしていた。
「この絵が気に入ったかい? しばらく前、タダでもいいからって置いていかれたんだよ。置く場所なんかないのにさ」
問いかける言葉を見つけられずにいたら、質屋の店主が勝手に話し出した。他に客もいないし、暇なんだろう。
「質屋に持って来てタダでいいとは、妙な男さ。お兄さんも、あんまりウチみたいな店には縁がなさそうだが。探し物でも?」
必要なものが店になく、質屋に流れている望みにかけて訪れることがある。店主が思うより、僕はこの手の店を利用していた。古いデザインの蝶番なんかを求めて。
今回は、ちょっとものが違うだけ。
「いや、探し物というより……」
言いあぐねていると、ユッポが僕の隣で身を乗り出して、絵を覗き込んだ。本当に鏡を見ているようだ。質屋の店主が目を丸くする。
「おお。こりゃあ、びっくりだ。お嬢ちゃん、絵と瓜二つじゃないか。それで、あんたも気になったんだね」
「うりふたつ?」
体が斜めになるほど首をかしげて、ユッポはまた新しい言葉を覚えることになった。僕は店主に聞きたいことがあったから、言葉の説明は簡潔に済ませる。
「よく似ているってことだ。……この絵、幾らで買い取ったんですか」
カガミとは、人形を描いた絵のことだったんだ。他へ流れる前に、手に入れなくては。
「せっかくだから、言われたまんまタダさ。ほしいならあげるよ。場所をとるだけだし。綺麗な絵だが、画家の掘り出し物でもないし。可愛いお嬢ちゃんに免じて」
拍子抜けだ。この世界で質屋なんて、元手に関係なく高値を吹っかける、悪徳商人ばかりだと思っていた。ついでに、別の商品を押し売りするつもりかと警戒したが、それもない。店主は、この絵が不気味だから手放したかったようだ。
預ってすぐに瓜二つな客が訪れるなんて、話が出来すぎている。仮に僕達が絵をいらないと言ったとして。売り文句を考えても、浮かぶのは怪談じみた話だろう。それでは、いつまでも店頭に残るに決まっていた。
質屋の厄介払いが叶い、ユッポの探し物がひとつ、手に入った。話を聞きに行くところはもうないから、今日は宿に戻り、休むことにした。
「これが、カガミ?」
縦位置で描かれた絵は座ったポーズで、腰までが画面に収まっている。椅子の背もたれに立て掛けて、ちょうど立つ大きさだ。複数持ち運ぶことも、十分に可能だろう。
ユッポと、他の人形のカガミは合わせて七枚。師と思しき人物を、大荷物の旅人と言わしめたのはきっとこれだ。確信があっても、僕はユッポに尋ねた。カガミを見つめてじっとしていて、置物のように思えたから。
うなずいて、頭をひねって、ユッポはぽつりと答えた。
「そう。これが、パパが描いたわたしのカガミ……どうして、しちやさんにあったのかな」
客から買った商品を、改めて売り物にしているのが質屋だと、ユッポは知っていた。
でも、疑問にしているのは、タダでカガミを置いていったことではない。師が、カガミを手放したことを変だと思うのだそうだ。ユッポや他の人形は、カガミを大事にするように言いつけられていた。
確かに、行方を眩ませておいて、足跡を残すのは不自然だった。これをフィッテルの工房から持ち出したのは、いったい誰なんだろう。
しばらく、絵の中で微笑むユッポを見て、考え込んだ。ユッポもまた、絵を見ていた。
奪われたカガミを追い、師が旅立った? いや、だとしたら書き置きにそうと書く。
では、自ら持ち出し、各地でばら撒いている? 作品として、ユッポを試しているのかもしれない。師を探しに旅立つことを、想定していたのか。手の込んだ実験だ。
いくつかの仮説を思いついたが、どれも決め手に欠けた。「大荷物の旅人」が、師その人であるかもわからない。最悪、カガミを持ち出した人物が、第三者の可能性もある。
「どうだろう、この先はカガミを探してみないか」
絵に向かったまま、ユッポに提案した。隣で空気が動いて、僕の頬に視線が当たる。
「みんなの、カガミを?」
「ああ。少ない情報で師を探すより、見つけやすいはずだ。運がよければ、カガミから師に辿り着けるかも」
「そっか。カガミ、しちやさんに置いて行ったひと、パパじゃなくても、パパをしってるひとかもしれないもんね」
僕が示した現実的な道に納得しつつも、再びカガミを見やるユッポの動作は緩慢で、元気がない人と同じだった。
「……そっくりでしょ」
そっと額縁に触れ、野宿のときのように弱々しい言い方をする。
「パパはね、みんなをこんな風に描いてくれたんだよ。でも、わたしは自分が人形だって知ってる。これが絵で、本当の鏡じゃないの、わかってる」
カガミも実物も、ユッポの表情は動かない。声色だけが哀愁を漂わせていた。
こんな風に描いたとは、人間として描いた、という意味だろうな。写実的な描写ながら、カガミには温もりを感じる。反対に、目の前のユッポは素材の冷たさが人形だと……物なのだと語っていた。
「わたし、いつかきっと、カガミと同じわたしになるよ」
立ち上がり、ユッポはカガミの梱包を始めた。質屋の店主が包んだとおりに直そうとするが、なかなかうまくいかない。
厚紙で出来た、三角形の小さな箱が四つあって、中に綿が詰めてある。これは、額の角にはめる緩衝材だ。その上から紙で包もうとすると、どうしても、包み終わる前にどこかの緩衝材が外れる。
延々と失敗を繰り返しそうなので、手伝ってやることにした。作業が終わる時お礼を言って、ユッポは自分の手を僕の手に重ねた。
「セコ、もしもこの手がアッタかくなったら、おしえてね」
「……ああ」
温かく、やわらかい気がしたのは手袋のせい。ユッポの手は、冷たくて硬かった。
「しばらく前に、おおきな荷物のひと、来なかった?」
最初は、すれ違う人に片っ端から声をかけていたユッポだが、町の住人ばかりではないし、収穫がまるでない。会った人をよく覚えている、商売人に話を聞くよう促した。
行方を眩ますつもりなら、あまり宿には泊まらないだろう。すると、補給をしっかりするはずだ。だから、店という店を回ってみたんだ。
そうして、家具職人ペターは、国境を越えると大して高名ではないと知った。その名を知る者は少なく、尋ねることは外見の特徴に絞られた。大荷物の定義は人それぞれ、情報を拾うのは難しい。家具職人が持ち歩く道具袋だって、他の荷に隠れれば無いのと同じ。
時折、師の名を知る人に会うと、ユッポは嬉しそうに声を弾ませた。でも、聞けるのは師は引退したとか、亡くなったとか、暗い話ばかりだった。
噂なんてそんなものだ。職人としておしまい、くらいの話が膨らんだんだろう。僕は平気だが、ユッポが少しずつうつむき加減になっていく。
「パパ……だいじょうぶかな」
心配そうな声は、夕方のまばらな通行人の足音にも消え入った。
「仕方ない、質屋に行くか」
軒を連ねる店に、人形の材料を扱うところはない。この町の中では、質屋がユッポの正体を見破る可能性が高いから、最後に回していた。
「あぶないから、近寄らない方がブナンなんだよね」
聞き込みの途中で僕が言った台詞を、そっくりそのままユッポが言う。大した記憶力だ。
「他の店は、全部回っただろ。長居しなければ大丈夫だ」
いちいち、細かく事を説明するのは面倒だから、僕はさっさと質屋へと歩き出した。
ドアを開くと、見境なしにいろんな物が店頭に並んでいた。埃を被った、骨董品だか、ガラクタだかわからないオブジェ。いわくありげな分厚い本。図鑑の挿絵で見たような生き物の、干からびた標本。それらの奥で、店主が待ち遠しそうに暮れていく陽を眺めている。
「いらっしゃい」
けだるい声を押しのけて、目に飛び込んでくるものがあった。慌てて、ユッポに向かって人差し指を立てる。今は、何も言うな。
店主の後ろは、背の高い棚が造りつけになっている。腰の高さの棚板だけ手前に出張っていて、帳簿なんかが雑然と置かれていた。机に使う場所を狭くして、一枚、簡素な額縁が立て掛けてある。胡桃色の髪の、女の子の絵。
顎の位置で揃った髪型、柔らかい微笑の肖像画は、どう見てもユッポをモデルにしていた。
「この絵が気に入ったかい? しばらく前、タダでもいいからって置いていかれたんだよ。置く場所なんかないのにさ」
問いかける言葉を見つけられずにいたら、質屋の店主が勝手に話し出した。他に客もいないし、暇なんだろう。
「質屋に持って来てタダでいいとは、妙な男さ。お兄さんも、あんまりウチみたいな店には縁がなさそうだが。探し物でも?」
必要なものが店になく、質屋に流れている望みにかけて訪れることがある。店主が思うより、僕はこの手の店を利用していた。古いデザインの蝶番なんかを求めて。
今回は、ちょっとものが違うだけ。
「いや、探し物というより……」
言いあぐねていると、ユッポが僕の隣で身を乗り出して、絵を覗き込んだ。本当に鏡を見ているようだ。質屋の店主が目を丸くする。
「おお。こりゃあ、びっくりだ。お嬢ちゃん、絵と瓜二つじゃないか。それで、あんたも気になったんだね」
「うりふたつ?」
体が斜めになるほど首をかしげて、ユッポはまた新しい言葉を覚えることになった。僕は店主に聞きたいことがあったから、言葉の説明は簡潔に済ませる。
「よく似ているってことだ。……この絵、幾らで買い取ったんですか」
カガミとは、人形を描いた絵のことだったんだ。他へ流れる前に、手に入れなくては。
「せっかくだから、言われたまんまタダさ。ほしいならあげるよ。場所をとるだけだし。綺麗な絵だが、画家の掘り出し物でもないし。可愛いお嬢ちゃんに免じて」
拍子抜けだ。この世界で質屋なんて、元手に関係なく高値を吹っかける、悪徳商人ばかりだと思っていた。ついでに、別の商品を押し売りするつもりかと警戒したが、それもない。店主は、この絵が不気味だから手放したかったようだ。
預ってすぐに瓜二つな客が訪れるなんて、話が出来すぎている。仮に僕達が絵をいらないと言ったとして。売り文句を考えても、浮かぶのは怪談じみた話だろう。それでは、いつまでも店頭に残るに決まっていた。
質屋の厄介払いが叶い、ユッポの探し物がひとつ、手に入った。話を聞きに行くところはもうないから、今日は宿に戻り、休むことにした。
「これが、カガミ?」
縦位置で描かれた絵は座ったポーズで、腰までが画面に収まっている。椅子の背もたれに立て掛けて、ちょうど立つ大きさだ。複数持ち運ぶことも、十分に可能だろう。
ユッポと、他の人形のカガミは合わせて七枚。師と思しき人物を、大荷物の旅人と言わしめたのはきっとこれだ。確信があっても、僕はユッポに尋ねた。カガミを見つめてじっとしていて、置物のように思えたから。
うなずいて、頭をひねって、ユッポはぽつりと答えた。
「そう。これが、パパが描いたわたしのカガミ……どうして、しちやさんにあったのかな」
客から買った商品を、改めて売り物にしているのが質屋だと、ユッポは知っていた。
でも、疑問にしているのは、タダでカガミを置いていったことではない。師が、カガミを手放したことを変だと思うのだそうだ。ユッポや他の人形は、カガミを大事にするように言いつけられていた。
確かに、行方を眩ませておいて、足跡を残すのは不自然だった。これをフィッテルの工房から持ち出したのは、いったい誰なんだろう。
しばらく、絵の中で微笑むユッポを見て、考え込んだ。ユッポもまた、絵を見ていた。
奪われたカガミを追い、師が旅立った? いや、だとしたら書き置きにそうと書く。
では、自ら持ち出し、各地でばら撒いている? 作品として、ユッポを試しているのかもしれない。師を探しに旅立つことを、想定していたのか。手の込んだ実験だ。
いくつかの仮説を思いついたが、どれも決め手に欠けた。「大荷物の旅人」が、師その人であるかもわからない。最悪、カガミを持ち出した人物が、第三者の可能性もある。
「どうだろう、この先はカガミを探してみないか」
絵に向かったまま、ユッポに提案した。隣で空気が動いて、僕の頬に視線が当たる。
「みんなの、カガミを?」
「ああ。少ない情報で師を探すより、見つけやすいはずだ。運がよければ、カガミから師に辿り着けるかも」
「そっか。カガミ、しちやさんに置いて行ったひと、パパじゃなくても、パパをしってるひとかもしれないもんね」
僕が示した現実的な道に納得しつつも、再びカガミを見やるユッポの動作は緩慢で、元気がない人と同じだった。
「……そっくりでしょ」
そっと額縁に触れ、野宿のときのように弱々しい言い方をする。
「パパはね、みんなをこんな風に描いてくれたんだよ。でも、わたしは自分が人形だって知ってる。これが絵で、本当の鏡じゃないの、わかってる」
カガミも実物も、ユッポの表情は動かない。声色だけが哀愁を漂わせていた。
こんな風に描いたとは、人間として描いた、という意味だろうな。写実的な描写ながら、カガミには温もりを感じる。反対に、目の前のユッポは素材の冷たさが人形だと……物なのだと語っていた。
「わたし、いつかきっと、カガミと同じわたしになるよ」
立ち上がり、ユッポはカガミの梱包を始めた。質屋の店主が包んだとおりに直そうとするが、なかなかうまくいかない。
厚紙で出来た、三角形の小さな箱が四つあって、中に綿が詰めてある。これは、額の角にはめる緩衝材だ。その上から紙で包もうとすると、どうしても、包み終わる前にどこかの緩衝材が外れる。
延々と失敗を繰り返しそうなので、手伝ってやることにした。作業が終わる時お礼を言って、ユッポは自分の手を僕の手に重ねた。
「セコ、もしもこの手がアッタかくなったら、おしえてね」
「……ああ」
温かく、やわらかい気がしたのは手袋のせい。ユッポの手は、冷たくて硬かった。
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