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4章 エルザリア王国編
襲撃
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マツリさんたちの家にお邪魔することとなり、数日間泊まっていた宿を解約し、俺たちは晩御飯をいただくこととなった。
「ここに滞在する間は我が家と思って暮らしてちょうだい」
とのことで俺たち4人に手厚い対応をしてくれる。
「それにしてもヨルカ様が見た未来ではダンジョン崩壊によってエルザリア王国が滅ぶのですね」
「想像できないけどヨルカ様は嘘をつかない方よ。だから本当なのでしょう」
メアリーさんの呟きにマツリさんが反応する。
「すぐのことではないと聞いてるけど早めに備えなければならないわね」
「そうですね。備えは早い方が……」
と、マツリさんの発言に同意していると『マスター、今すぐ聞いてほしいことがあります』と脳内で賢者さんが話しかけてきた。
俺が話しているところを遮ってまで話しかけてくることは今まで無かったので、途中で話を辞めてしまう。
「どうしたの?」
そんな俺にマツリさんが不思議そうに問いかける。
「あ、いえ。俺のスキルが作動したみたいです。緊急を要するみたいなので少し席を外します」
俺はそう告げてマツリさんたちから離れる。
(どうした?何があった?)
『解、エルザリア王国周辺に多数のドラゴンを感知。その数20体。あと15分でエルザリア王国に到着すると思われます』
「なんだって!?」
俺が声をあげて驚いたため、みんなの視線が俺に集まる。
『スキルの索敵範囲が半径200キロなのでギリギリの報告となってしまいました』
少し申し訳なさそうに賢者さんが言う。
「いや、襲撃される前に気づけたんだ。ありがとう、賢者さん」
俺は本心で思っていることを告げる。
「ヨルカさん、気づきましたか?」
「うん。ウチのスキルも感知したよ」
「カミトくん、どうしたの?襲撃って聞こえたけど……」
俺たちの会話を理解できないソラが聞いてくる。
「実は20体のドラゴンがエルザリア王国を目指して侵攻してます」
「「「えぇっ!?」」」
俺の言葉に全員が驚愕する。
「あと15分後にはエルザリア王国の上空に現れると思います」
俺の言葉を聞き、すぐに表情を整えるマツリさん。
「カミトさん、お願いがあります。エルザリア王国を守るため、S級冒険者である貴方の力を貸してください」
「ドラゴン20体となれば厳しい戦いになると思いますがお願いします!」
マツリさんとメアリーさんが頭を下げる。
当然、俺の答えは決まっている。
「もちろん協力します!俺、エルザリア王国が好きですから!」
数日間ほどの滞在期間だが、街は賑わっており国民は皆、幸せそうに暮らしていた。
そんな国を滅ぼされるわけにはいかない。
「ウチも協力するよ!この国には500年前もお世話になったからね!」
「私も手伝います!」
「ユメもカミトさんと一緒にエルザリア王国を守りたいです!」
「皆さん……ありがとうございます」
マツリさんが頭を下げ、メアリーさんも頭を下げる。
そして直ぐに顔を上げ、行動に移る。
「私はすぐに女王陛下へ報告に行くわ。メアリーは国民の避難誘導を。避難が終わったらカミトさんのサポートをお願い」
「分かりました」
マツリさんが転移のスキルを使って消える。
「私もできるだけ早く皆さんのもとへ向かいます。この国のこと、よろしくお願いします」
「任せてください」
俺たちは頷き合い、研究室から出た。
「ここに滞在する間は我が家と思って暮らしてちょうだい」
とのことで俺たち4人に手厚い対応をしてくれる。
「それにしてもヨルカ様が見た未来ではダンジョン崩壊によってエルザリア王国が滅ぶのですね」
「想像できないけどヨルカ様は嘘をつかない方よ。だから本当なのでしょう」
メアリーさんの呟きにマツリさんが反応する。
「すぐのことではないと聞いてるけど早めに備えなければならないわね」
「そうですね。備えは早い方が……」
と、マツリさんの発言に同意していると『マスター、今すぐ聞いてほしいことがあります』と脳内で賢者さんが話しかけてきた。
俺が話しているところを遮ってまで話しかけてくることは今まで無かったので、途中で話を辞めてしまう。
「どうしたの?」
そんな俺にマツリさんが不思議そうに問いかける。
「あ、いえ。俺のスキルが作動したみたいです。緊急を要するみたいなので少し席を外します」
俺はそう告げてマツリさんたちから離れる。
(どうした?何があった?)
『解、エルザリア王国周辺に多数のドラゴンを感知。その数20体。あと15分でエルザリア王国に到着すると思われます』
「なんだって!?」
俺が声をあげて驚いたため、みんなの視線が俺に集まる。
『スキルの索敵範囲が半径200キロなのでギリギリの報告となってしまいました』
少し申し訳なさそうに賢者さんが言う。
「いや、襲撃される前に気づけたんだ。ありがとう、賢者さん」
俺は本心で思っていることを告げる。
「ヨルカさん、気づきましたか?」
「うん。ウチのスキルも感知したよ」
「カミトくん、どうしたの?襲撃って聞こえたけど……」
俺たちの会話を理解できないソラが聞いてくる。
「実は20体のドラゴンがエルザリア王国を目指して侵攻してます」
「「「えぇっ!?」」」
俺の言葉に全員が驚愕する。
「あと15分後にはエルザリア王国の上空に現れると思います」
俺の言葉を聞き、すぐに表情を整えるマツリさん。
「カミトさん、お願いがあります。エルザリア王国を守るため、S級冒険者である貴方の力を貸してください」
「ドラゴン20体となれば厳しい戦いになると思いますがお願いします!」
マツリさんとメアリーさんが頭を下げる。
当然、俺の答えは決まっている。
「もちろん協力します!俺、エルザリア王国が好きですから!」
数日間ほどの滞在期間だが、街は賑わっており国民は皆、幸せそうに暮らしていた。
そんな国を滅ぼされるわけにはいかない。
「ウチも協力するよ!この国には500年前もお世話になったからね!」
「私も手伝います!」
「ユメもカミトさんと一緒にエルザリア王国を守りたいです!」
「皆さん……ありがとうございます」
マツリさんが頭を下げ、メアリーさんも頭を下げる。
そして直ぐに顔を上げ、行動に移る。
「私はすぐに女王陛下へ報告に行くわ。メアリーは国民の避難誘導を。避難が終わったらカミトさんのサポートをお願い」
「分かりました」
マツリさんが転移のスキルを使って消える。
「私もできるだけ早く皆さんのもとへ向かいます。この国のこと、よろしくお願いします」
「任せてください」
俺たちは頷き合い、研究室から出た。
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