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3章 7人の婚約者編
告白 6
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ソラの機転により俺はメルさんと2人きりになる。
「歩くのがやっとの状態だと思います。俺がおんぶしますよ」
「そっ、そんなことしなくていいわ。歩くくらいなら問題ないから」
と言って歩き出すがフラフラしながら歩いており、いつ転んでもおかしくない。
俺に弱いところを見せたくないのか、それとも俺におんぶされるのが恥ずかしくて強がってるのか分からないが。
(俺がミノタウロスを倒す前に聞いた発言から、男である俺を嫌って拒否しているわけではない。ここは強気で行こう)
「ならこうしましょう」
「きゃっ!」
俺はメルさんの背後に一瞬でまわり、膝と首裏に手を回してお姫様抱っこをする。
「ちょ、ちょっと!私は1人で歩けるわよ!」
「ダメです。今のメルさんを歩かせるわけにはいきません。ここは大人しく俺にお姫様抱っこされてください」
「そ、そんなことしなくても……」
「ダメです。メルさんがどんなに嫌がっても俺はメルさんをお姫様抱っこし続けます」
俺は力強く言い切り、絶対降ろさないという意志を伝える。
「……仕方ないわね。ありがとう、カミト」
そんな俺を見て渋々と言った様子でメルさんが諦める。
「いえいえ。それで俺がミノタウロスを倒す時に聞いた言葉なのですが……」
「っ!あ、あの言葉は忘れてちょうだいっ!」
本題へ入った途端、メルさんの顔が一瞬で真っ赤となり否定する。
しかし俺は伝えなければならないことがあるので口を開いて自分の気持ちを伝える。
「俺も大好きですよ、メルさんのことが」
「………へ?」
俺の言葉にメルさんが固まる。
「俺もメルさんのことが大好きです」
「う、嘘よね?」
「嘘じゃありません。俺はメルさんのことがリーシャたちと同じくらい大好きです」
「~~~~っ!」
嬉しいけど困惑してる。そんな顔をメルさんがする。
「メルさんは言いましたよね?『心から愛しているから守りたい、大事にしたいって思ってるんじゃないの?』と」
「え、えぇ。ユメに告白されたカミトへ言った言葉ね」
あの時、ユメに告白された俺はユメへの気持ちが分からず、一度ユメからの告白を断った。
そんな時、メルさんが言ってくれた言葉だ。
「俺はメルさんも守りたい、大事にしたいって思いました。だからここまで助けにきました」
21階層に向かうまでの道中、メルさんが死んでいたらと想像した。
その時、俺は自分の理性が抑えられなくなるほどの悲しさに襲われた。
そして自分の気持ちに気がついた。
――メルさんのことをリーシャたちと同じくらい愛していることに。
「もう一度言います。俺はメルさんのことが大好きです。俺の婚約者になってください」
俺の腕の中で顔を赤くするメルさんへ再度自分の気持ちを伝える。
「……私、ものすごく面倒な女よ?」
「そんなことありません。とても優しくて素晴らしい女性ですよ」
「……カミトにキツく当たってばかりでこれからもキツく当たる時があると思うわ。そんな女でもいいの?」
「もちろんです。照れ隠しと思えば可愛いものですから」
今まで俺のことを睨んだりキツく当たることはあったが、全てはツンデレというやつなので、ツンデレと分かれば可愛いものだ。
「それに俺は言いましたよね?『これからは俺がメルを守るから』と。あの時の言葉は嘘なんかで言ってません。これからは婚約者として側でメルさんのことを守らせてください。なので……」
――俺と婚約してください。
メルさんの目を見て伝える。
自分の気持ちに嘘がないことを伝えるために。
「……相変わらずカッコいいわね」
どこか諦めたかのようにメルさんが呟く。
「あの時呟いた言葉は本心よ。私はカミトのことが大好き。だから喜んでカミトと婚約するわ。これからよろしくね、カミト」
そう言ってメルさんが見惚れるほど美しい笑顔を見せた。
「歩くのがやっとの状態だと思います。俺がおんぶしますよ」
「そっ、そんなことしなくていいわ。歩くくらいなら問題ないから」
と言って歩き出すがフラフラしながら歩いており、いつ転んでもおかしくない。
俺に弱いところを見せたくないのか、それとも俺におんぶされるのが恥ずかしくて強がってるのか分からないが。
(俺がミノタウロスを倒す前に聞いた発言から、男である俺を嫌って拒否しているわけではない。ここは強気で行こう)
「ならこうしましょう」
「きゃっ!」
俺はメルさんの背後に一瞬でまわり、膝と首裏に手を回してお姫様抱っこをする。
「ちょ、ちょっと!私は1人で歩けるわよ!」
「ダメです。今のメルさんを歩かせるわけにはいきません。ここは大人しく俺にお姫様抱っこされてください」
「そ、そんなことしなくても……」
「ダメです。メルさんがどんなに嫌がっても俺はメルさんをお姫様抱っこし続けます」
俺は力強く言い切り、絶対降ろさないという意志を伝える。
「……仕方ないわね。ありがとう、カミト」
そんな俺を見て渋々と言った様子でメルさんが諦める。
「いえいえ。それで俺がミノタウロスを倒す時に聞いた言葉なのですが……」
「っ!あ、あの言葉は忘れてちょうだいっ!」
本題へ入った途端、メルさんの顔が一瞬で真っ赤となり否定する。
しかし俺は伝えなければならないことがあるので口を開いて自分の気持ちを伝える。
「俺も大好きですよ、メルさんのことが」
「………へ?」
俺の言葉にメルさんが固まる。
「俺もメルさんのことが大好きです」
「う、嘘よね?」
「嘘じゃありません。俺はメルさんのことがリーシャたちと同じくらい大好きです」
「~~~~っ!」
嬉しいけど困惑してる。そんな顔をメルさんがする。
「メルさんは言いましたよね?『心から愛しているから守りたい、大事にしたいって思ってるんじゃないの?』と」
「え、えぇ。ユメに告白されたカミトへ言った言葉ね」
あの時、ユメに告白された俺はユメへの気持ちが分からず、一度ユメからの告白を断った。
そんな時、メルさんが言ってくれた言葉だ。
「俺はメルさんも守りたい、大事にしたいって思いました。だからここまで助けにきました」
21階層に向かうまでの道中、メルさんが死んでいたらと想像した。
その時、俺は自分の理性が抑えられなくなるほどの悲しさに襲われた。
そして自分の気持ちに気がついた。
――メルさんのことをリーシャたちと同じくらい愛していることに。
「もう一度言います。俺はメルさんのことが大好きです。俺の婚約者になってください」
俺の腕の中で顔を赤くするメルさんへ再度自分の気持ちを伝える。
「……私、ものすごく面倒な女よ?」
「そんなことありません。とても優しくて素晴らしい女性ですよ」
「……カミトにキツく当たってばかりでこれからもキツく当たる時があると思うわ。そんな女でもいいの?」
「もちろんです。照れ隠しと思えば可愛いものですから」
今まで俺のことを睨んだりキツく当たることはあったが、全てはツンデレというやつなので、ツンデレと分かれば可愛いものだ。
「それに俺は言いましたよね?『これからは俺がメルを守るから』と。あの時の言葉は嘘なんかで言ってません。これからは婚約者として側でメルさんのことを守らせてください。なので……」
――俺と婚約してください。
メルさんの目を見て伝える。
自分の気持ちに嘘がないことを伝えるために。
「……相変わらずカッコいいわね」
どこか諦めたかのようにメルさんが呟く。
「あの時呟いた言葉は本心よ。私はカミトのことが大好き。だから喜んでカミトと婚約するわ。これからよろしくね、カミト」
そう言ってメルさんが見惚れるほど美しい笑顔を見せた。
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