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3章 7人の婚約者編
メルさんを救え 1
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ルーリエさんをおんぶしながらS級ダンジョンを目指す。
ソラは全速力で向かってる俺のスピードについて来れず、先に目指してほしいとのこと。
ルーリエさんに振動が伝わらないよう細心の注意を払いつつ全速力で走る。
「メルさんが潜ったダンジョンは王都近くのS級ダンジョン『深淵』です。25階層まではメルさんが攻略してますが、25階以降は攻略できていません。そのため、『深淵』が何階層まであるか分かりません」
おんぶしているルーリエさんが丁寧に説明してくれる。
“ふにゅっ”と背中にとても柔らかい物が押し当てられてるが、今は気にしている場合ではない。
「20階層のフロアボスはランクSに分類されるモンスター、ケルベロスです。最近、メルさんがケルベロスを倒して26階層まで踏み入れたようですが、26階層のモンスターは魔法が効きにくいモンスターばかりで1人での攻略が難しいとメルさんは言ってました」
つまり26階層以降はメルさん1人で太刀打ちできないということだ。
「わかりました。メルさんの場所は俺のスキルがなんとかしてくれるはずです」
その後も攻略のアドバイスをもらいながらダンジョンへ向かい、王都の外れに位置するS級ダンジョン『深淵』に10分程度でたどり着く。
「カミトさん。メルさんのこと、よろしくお願いします」
「任せてください!」
俺はルーリエさんに返事をしてダンジョンに潜った。
S級ダンジョン『深淵』の1階層に到着する。
「賢者さん、メルさんが何処にいるか分かる?」
『解、21階層にいます』
「メルさんはまだ生きてるよね?」
『解、まだ生きております』
「良かったぁ」
その言葉に一先ず安堵する。
『ですがかなり疲労されております。それに加え残り魔力も少ないので一刻も早く合流すべきだと思います』
「そうだよな」
生きている状況だが安堵している場合ではない。
『それとメル様の側に女性冒険者が2名いらっしゃいます』
「え、21階層に?じゃあ、その2人は20層のフロアボスを倒したのか?」
『否、ステータス的に不可能です。おそらくその2人は10階層にある隠しトラップで25階層にワープしたものと思われます』
という言葉を聞き、25階層で探索をしていたメルさんが2人の女性冒険者を引き連れて21階層まで戻ってきたと考える。
2人の冒険者を守りながらの戦いを強いられ、夕方までにダンジョンから出られなかったのだろう。
「じゃあ俺も10階層でそのトラップを作動させれば……」
『否、それはできません。トラップ作動までのクールタイムが存在し、あと18時間待つ必要があります』
「くそっ!ダメかっ!」
最短で21層へ行きたかったため、あえてトラップに引っかかろうと思ったが無理らしい。
「賢者さん!最速でメルさんと合流できる道を教えて!」
『了解しました。ただ今、検索します』
と言ってから3秒後…
『最速ルートを導き出しました。マップ上にルートを示しましたので、その道を進んでください』
「ありがとう、賢者さん」
視界の端にあるダンジョン内のマップに進むべき道が表示される。
「仕事が速くて助かるよ。もし賢者さんに触れることができたら頭を撫でて褒め称えてたぞ」
『………これは「触れることができたら賢者さんも婚約者の1人として迎え入れたい」という意味でよろしいのでしょうか?』
「よくねぇよ。なんでそうなるんだ」
そんな会話をしながら俺は賢者さんから提示された最速ルートを進んだ。
ソラは全速力で向かってる俺のスピードについて来れず、先に目指してほしいとのこと。
ルーリエさんに振動が伝わらないよう細心の注意を払いつつ全速力で走る。
「メルさんが潜ったダンジョンは王都近くのS級ダンジョン『深淵』です。25階層まではメルさんが攻略してますが、25階以降は攻略できていません。そのため、『深淵』が何階層まであるか分かりません」
おんぶしているルーリエさんが丁寧に説明してくれる。
“ふにゅっ”と背中にとても柔らかい物が押し当てられてるが、今は気にしている場合ではない。
「20階層のフロアボスはランクSに分類されるモンスター、ケルベロスです。最近、メルさんがケルベロスを倒して26階層まで踏み入れたようですが、26階層のモンスターは魔法が効きにくいモンスターばかりで1人での攻略が難しいとメルさんは言ってました」
つまり26階層以降はメルさん1人で太刀打ちできないということだ。
「わかりました。メルさんの場所は俺のスキルがなんとかしてくれるはずです」
その後も攻略のアドバイスをもらいながらダンジョンへ向かい、王都の外れに位置するS級ダンジョン『深淵』に10分程度でたどり着く。
「カミトさん。メルさんのこと、よろしくお願いします」
「任せてください!」
俺はルーリエさんに返事をしてダンジョンに潜った。
S級ダンジョン『深淵』の1階層に到着する。
「賢者さん、メルさんが何処にいるか分かる?」
『解、21階層にいます』
「メルさんはまだ生きてるよね?」
『解、まだ生きております』
「良かったぁ」
その言葉に一先ず安堵する。
『ですがかなり疲労されております。それに加え残り魔力も少ないので一刻も早く合流すべきだと思います』
「そうだよな」
生きている状況だが安堵している場合ではない。
『それとメル様の側に女性冒険者が2名いらっしゃいます』
「え、21階層に?じゃあ、その2人は20層のフロアボスを倒したのか?」
『否、ステータス的に不可能です。おそらくその2人は10階層にある隠しトラップで25階層にワープしたものと思われます』
という言葉を聞き、25階層で探索をしていたメルさんが2人の女性冒険者を引き連れて21階層まで戻ってきたと考える。
2人の冒険者を守りながらの戦いを強いられ、夕方までにダンジョンから出られなかったのだろう。
「じゃあ俺も10階層でそのトラップを作動させれば……」
『否、それはできません。トラップ作動までのクールタイムが存在し、あと18時間待つ必要があります』
「くそっ!ダメかっ!」
最短で21層へ行きたかったため、あえてトラップに引っかかろうと思ったが無理らしい。
「賢者さん!最速でメルさんと合流できる道を教えて!」
『了解しました。ただ今、検索します』
と言ってから3秒後…
『最速ルートを導き出しました。マップ上にルートを示しましたので、その道を進んでください』
「ありがとう、賢者さん」
視界の端にあるダンジョン内のマップに進むべき道が表示される。
「仕事が速くて助かるよ。もし賢者さんに触れることができたら頭を撫でて褒め称えてたぞ」
『………これは「触れることができたら賢者さんも婚約者の1人として迎え入れたい」という意味でよろしいのでしょうか?』
「よくねぇよ。なんでそうなるんだ」
そんな会話をしながら俺は賢者さんから提示された最速ルートを進んだ。
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