スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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3章 7人の婚約者編

緊急事態

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 ユメとヨルカさんが帰還した次の日から俺たちはレベルアップに勤しんだ。

 ルーリエさんはヨルカさんが作った機械人形に乗り、ヨルカさんによる指導のもと特訓を開始。
 ソラとセリアは2人でダンジョンに潜り、リーシャとレオノーラはメルさんから指導を受けて技術を磨いている。
 そして俺はユメと2人きりでダンジョンに潜る日々を送り、その片手間でサヤとシャルちゃんの指導も行っていた。

「サヤとシャルちゃんはどんどん上達してるね」
「カミトさんの指導のおかげですよ」
「ウチ、昔より強くなっているのを実感できて嬉しいです!」

 俺は今、とあるダンジョンで2人に指導をしているところだ。
 ちなみにユメは【勇者】スキルを引き継いだことで俺と互角の剣技を披露したため、俺の指導は受けていない。

(2人とも凄まじいスピードで上達している。これなら将来は優秀な冒険者になれるぞ)

 『剣聖』カインの力を引き継いだ俺は剣術の指導に長けており、的確に指導を行うことで、2人がグングン上達している。

「カミトお兄さんが先生で良かったです!」
「そうですね。私もカミトさんのおかげで強くなれました。ありがとうございます」

 そう言ってサヤとシャルちゃんが頭を下げるが俺は首を振って否定する。

「上達してるのは俺のおかげと思ってるようだけど、それは違うぞ。2人が俺から受けた指導を身につけようと、必死に努力してるからだ。サヤたちが家でも努力してるのは見てて分かるからな」
「分かりますか!?」
「あぁ。一目でわかるさ」
「さすがカミトさん!よく見てますね!」
「やっぱり褒められると頑張ろーってなりますね!」

 褒めて伸ばす方針の俺は上手くみんなのやる気を維持できてるようで、嬉しそうに2人が笑う。

「お姉ちゃんは幸せ者ですね。優しくて頼りになる男性が婚約者ですから」
「ははっ。嬉しいこと言ってくれるね」

 6人の婚約者として相応しい振る舞いを心がけている俺は、シャルちゃんの言葉に笑みをこぼす。

「私もカミトさんは素晴らしい男性だと思ってます。なのでカミトさんにはお姉ちゃんをプレゼントします」
「なんでメルさんがプレゼントされるんだよ」

 サヤの謎発言に頭を抱える。

「サヤが何故メルさんを勧めるかは知らないが、それは無理だよ。婚約するとなれば男の俺とずっと生活しないといけない。常に恐怖の存在である男と過ごすことはメルさんが幸せになれないよ。たとえ俺が絶対に危害を加えないと誓っても」

 男嫌いであるメルさんが俺と婚約したらメルさんはずっと息苦しい生活を送ることになる。
 それはメルさんにとって苦痛になるのでサヤの提案をやんわり断る。

「はぁ。お姉ちゃんのことを大切に思ってるからこその考えだとは思いますが……これはお姉ちゃんに頑張ってもらわないとダメかもしれませんね」

 そんなことを呟きながらサヤが肩を落とす。

「……?よく分からんが俺からも頑張れって伝えてくれ」

 俺が励ましのメッセージを伝えると、何故かサヤがジト目を向けてくる。

「……な、なんだ?」
「他人事だと思って……」

 そう言って頭を抱えるサヤだった。



 そんな日々が続いた数日後のとある夜。
 俺は屋敷で婚約者たちと過ごしていると、玄関前が騒がしくなる。

「お姉ちゃんが帰ってこないんです!お願いします!カミトさんを呼んでくださいっ!」

 サヤに似た声が聞こえてきた俺たちは慌てて玄関前に向かう。
 すると、サヤが涙を流しながら声を上げていた。

「お姉ちゃんが……お姉ちゃんが!」

「ど、どうした!サヤ!」

 俺は慌ててサヤに駆け寄り、遅れて婚約者たちもサヤのもとに集まる。

「サヤ、何があった?」
「カミトさん……ぐすん……お姉ちゃんが……お姉ちゃんがいつまで経っても帰ってこないんです。夕方には帰ってくると言ってたのに……」
「夕方には……だと?」

 今は夜の22時すぎ。
 帰ると約束した時間から6時間くらい経過している。

「お姉ちゃんはいつも伝えた時間には必ず家に帰ってきます。でも、今回はかなり時間が経っても帰ってきません。しかも潜ってるダンジョンは王都近くにあるS級ダンジョンです。だからお姉ちゃんの身に何かあったのではないかって……うぅ……」

 そこまで言って再び涙を流し始める。

「つまり俺にメルさんの無事を確認してほしいんだな」
「はい……ぐすんっ」

 サヤが涙を流しながら頷く。

「カミトさんには引き受けるメリットはないと思います。ですがお願いします!お姉ちゃんのことを助けてください!」

 そう言って頭を下げる。
 もちろん俺の答えは決まっている。

「任せろ。今すぐ行く」

 俺はサヤにそう伝えて婚約者たちの方を向く。

「今からメルさんのところに行ってくるよ」
「気をつけてね」
「メル様のこと、お願いしますわ」

 心配そうな顔で俺のことを送り出す婚約者たち。

「カミトさん、メルさんが潜ったダンジョンまでは私が案内します。そのダンジョンの特徴は頭に入れてますので、道中アドバイスができると思います」
「私はダンジョンの入り口で待機しておくよ!メルさんが大怪我を負ってたらすぐ回復しないといけないからね!」

 2人のありがたい提案に俺は頷く。

「じゃあ、ちょっと行ってくる」
「ん、気をつけて。メルならきっと大丈夫だから」
「メル様はS級冒険者です!怪我を負って休憩してるだけだと思いますので、きっと無事だと思います!」
「ユメもメルさんの無事を祈ってます!」
「ありがとう、みんな。行ってくるよ」

 俺はセリアたちに声をかけて家を出た。
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