スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
112 / 146
3章 7人の婚約者編

緊急事態

しおりを挟む
 ユメとヨルカさんが帰還した次の日から俺たちはレベルアップに勤しんだ。

 ルーリエさんはヨルカさんが作った機械人形に乗り、ヨルカさんによる指導のもと特訓を開始。
 ソラとセリアは2人でダンジョンに潜り、リーシャとレオノーラはメルさんから指導を受けて技術を磨いている。
 そして俺はユメと2人きりでダンジョンに潜る日々を送り、その片手間でサヤとシャルちゃんの指導も行っていた。

「サヤとシャルちゃんはどんどん上達してるね」
「カミトさんの指導のおかげですよ」
「ウチ、昔より強くなっているのを実感できて嬉しいです!」

 俺は今、とあるダンジョンで2人に指導をしているところだ。
 ちなみにユメは【勇者】スキルを引き継いだことで俺と互角の剣技を披露したため、俺の指導は受けていない。

(2人とも凄まじいスピードで上達している。これなら将来は優秀な冒険者になれるぞ)

 『剣聖』カインの力を引き継いだ俺は剣術の指導に長けており、的確に指導を行うことで、2人がグングン上達している。

「カミトお兄さんが先生で良かったです!」
「そうですね。私もカミトさんのおかげで強くなれました。ありがとうございます」

 そう言ってサヤとシャルちゃんが頭を下げるが俺は首を振って否定する。

「上達してるのは俺のおかげと思ってるようだけど、それは違うぞ。2人が俺から受けた指導を身につけようと、必死に努力してるからだ。サヤたちが家でも努力してるのは見てて分かるからな」
「分かりますか!?」
「あぁ。一目でわかるさ」
「さすがカミトさん!よく見てますね!」
「やっぱり褒められると頑張ろーってなりますね!」

 褒めて伸ばす方針の俺は上手くみんなのやる気を維持できてるようで、嬉しそうに2人が笑う。

「お姉ちゃんは幸せ者ですね。優しくて頼りになる男性が婚約者ですから」
「ははっ。嬉しいこと言ってくれるね」

 6人の婚約者として相応しい振る舞いを心がけている俺は、シャルちゃんの言葉に笑みをこぼす。

「私もカミトさんは素晴らしい男性だと思ってます。なのでカミトさんにはお姉ちゃんをプレゼントします」
「なんでメルさんがプレゼントされるんだよ」

 サヤの謎発言に頭を抱える。

「サヤが何故メルさんを勧めるかは知らないが、それは無理だよ。婚約するとなれば男の俺とずっと生活しないといけない。常に恐怖の存在である男と過ごすことはメルさんが幸せになれないよ。たとえ俺が絶対に危害を加えないと誓っても」

 男嫌いであるメルさんが俺と婚約したらメルさんはずっと息苦しい生活を送ることになる。
 それはメルさんにとって苦痛になるのでサヤの提案をやんわり断る。

「はぁ。お姉ちゃんのことを大切に思ってるからこその考えだとは思いますが……これはお姉ちゃんに頑張ってもらわないとダメかもしれませんね」

 そんなことを呟きながらサヤが肩を落とす。

「……?よく分からんが俺からも頑張れって伝えてくれ」

 俺が励ましのメッセージを伝えると、何故かサヤがジト目を向けてくる。

「……な、なんだ?」
「他人事だと思って……」

 そう言って頭を抱えるサヤだった。



 そんな日々が続いた数日後のとある夜。
 俺は屋敷で婚約者たちと過ごしていると、玄関前が騒がしくなる。

「お姉ちゃんが帰ってこないんです!お願いします!カミトさんを呼んでくださいっ!」

 サヤに似た声が聞こえてきた俺たちは慌てて玄関前に向かう。
 すると、サヤが涙を流しながら声を上げていた。

「お姉ちゃんが……お姉ちゃんが!」

「ど、どうした!サヤ!」

 俺は慌ててサヤに駆け寄り、遅れて婚約者たちもサヤのもとに集まる。

「サヤ、何があった?」
「カミトさん……ぐすん……お姉ちゃんが……お姉ちゃんがいつまで経っても帰ってこないんです。夕方には帰ってくると言ってたのに……」
「夕方には……だと?」

 今は夜の22時すぎ。
 帰ると約束した時間から6時間くらい経過している。

「お姉ちゃんはいつも伝えた時間には必ず家に帰ってきます。でも、今回はかなり時間が経っても帰ってきません。しかも潜ってるダンジョンは王都近くにあるS級ダンジョンです。だからお姉ちゃんの身に何かあったのではないかって……うぅ……」

 そこまで言って再び涙を流し始める。

「つまり俺にメルさんの無事を確認してほしいんだな」
「はい……ぐすんっ」

 サヤが涙を流しながら頷く。

「カミトさんには引き受けるメリットはないと思います。ですがお願いします!お姉ちゃんのことを助けてください!」

 そう言って頭を下げる。
 もちろん俺の答えは決まっている。

「任せろ。今すぐ行く」

 俺はサヤにそう伝えて婚約者たちの方を向く。

「今からメルさんのところに行ってくるよ」
「気をつけてね」
「メル様のこと、お願いしますわ」

 心配そうな顔で俺のことを送り出す婚約者たち。

「カミトさん、メルさんが潜ったダンジョンまでは私が案内します。そのダンジョンの特徴は頭に入れてますので、道中アドバイスができると思います」
「私はダンジョンの入り口で待機しておくよ!メルさんが大怪我を負ってたらすぐ回復しないといけないからね!」

 2人のありがたい提案に俺は頷く。

「じゃあ、ちょっと行ってくる」
「ん、気をつけて。メルならきっと大丈夫だから」
「メル様はS級冒険者です!怪我を負って休憩してるだけだと思いますので、きっと無事だと思います!」
「ユメもメルさんの無事を祈ってます!」
「ありがとう、みんな。行ってくるよ」

 俺はセリアたちに声をかけて家を出た。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜

妄想屋さん
ファンタジー
 最強の美少女パーティメンバーに囲まれた無能、アルフ。  彼は周囲の人の陰口に心を病み、パーティメンバー達に、 「このパーティを抜けたい」  と、申し出る。  しかし、アルフを溺愛し、心の拠り所にしていた彼女達はその申し出を聞いて泣き崩れていまう。  なんとかアルフと一緒にいたい少女達と、どうしてもパーティを抜けたい主人公の話。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

毎日スキルが増えるのって最強じゃね?

七鳳
ファンタジー
異世界に転生した主人公。 テンプレのような転生に驚く。 そこで出会った神様にある加護をもらい、自由気ままに生きていくお話。 ※ストーリー等見切り発車な点御容赦ください。 ※感想・誤字訂正などお気軽にコメントください!

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

処理中です...