スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
77 / 146
3章 7人の婚約者編

3人目

しおりを挟む
 S級ダンジョン『炎焔』に潜った翌日。
 俺は教会へ足を運び、ソラさんが笑顔で皆んなを癒している姿を確認する。

「ソラさんは2、3日で【聖女】スキルをゲットできると言っていた。そろそろゲットしてもおかしくないんだが……」

 そう呟いたタイミングで「やった!遂に達成したーっ!」との声が響き渡る。

「おぉ!遂にゲットしたか!」

 突然、大声を上げたソラさんに列に並んでいる人たちは何事かと驚いているが、俺は無視してソラさんのもとへ向かう。

「あ、カミトくん!遂にゲットしたよ!」
「あぁ、おめでとう。ソラさん」
「えへへ~、ありがと~」

 嬉しそうな顔でソラさんが微笑む。

「それでカミトくんには【聖女】スキルの性能を鑑定してほしいんだ」
「あぁ、任せろ」

 俺はソラさんの要望通り、賢者さんに鑑定してもらう。


*****

名前:ソラ
年齢:18
レベル:875
筋力:13492
器用:13532
耐久:13489
俊敏:13521
魔力:17572
知力:17581

スキル:【聖女】

称号:〈聖なる女性 Lv.4〉

装備:なし

※上記のステータスはスキル、称号の効果を含む。

*****

ーーーーー

【聖女】

 全ステータス10,000上昇に加え、500年前、魔王を封印したメンバーの中で回復の達人だった者の戦闘技術を引き継ぐ。

〈聖なる女性 Lv.4〉

 4,000人以上の方に治療を行った者に与えられる称号。
 魔力•知力が4,000上昇し、回復時の治療効果が20%上昇する。

ーーーーー


「バッチリ【聖女】スキルをゲットできてるぞ。そしてステータスも上昇している。ちなみに【聖女】スキルの効果は……」

 と、俺が説明しようとした時、「うっ!」と苦しそうな声を出したソラさんがその場で倒れそうになる。

「ソラさんっ!」

 俺は倒れかけたソラさんを受け止め抱き抱える。
 周囲の人たちもソラさんが倒れたことにパニックを起こしている。

「だ、大丈夫だよ……はぁはぁ……た、ただ頭の中に何かが入ってきただけで……うっ!」

 俺の腕の中で苦しそうな表情をするソラさん。
 その言葉を聞き、俺と同じように500年前、聖女として活躍していた方の記憶が流れ込んでいると判断する。

「大丈夫だ、ソラさん。俺が付いてるから」
「う、うん……ありがと……」

 そう言ってソラさんは気を失った。



 俺はソラさんをお姫様抱っこで教会の中へ運ぶ。
 命に別状はないと分かっているが、好きな人が苦しそうな表情をしている姿を見て心が痛む。

 しばらくソラさんの手を握り側で待機していると「うぅ……」とソラさんが目を開ける。

「ソラさんっ!大丈夫か!?」
「……カミトくん?」
「あぁ!痛いところはないか!?」
「う、うん。大丈夫みたい。ずっと側に居てくれたんだね」
「当たり前だ。ソラさんには伝えたいことがあるんだから」
「ふふっ、告白の返事かな?」

 まだ痛みは残っているだろうが痛そうな表情を隠して笑顔を見せる。

「あぁ。でもこんな時に言うべきではないと思うからソラさんの体調が良くなってからで……」
「ううん、今聞きたい。そのために今日まで頑張ったんだから」

 ソラさんが身体を起こして俺の方を向く。

「分かった」

 その意思を尊重し…

「ソラさん。俺は天真爛漫で優しいソラさんのことが好きだ。俺の婚約者になってくれ」

 真剣な表情で自分の気持ちを伝える。

 その言葉を聞いたソラさんが、先程まで気を失っていたとは思えないほど魅力的な笑顔で…

「はいっ!喜んで!」

 俺の告白に答えてくれた。



 ソラさんの体調が良くなったため、俺とソラさんは屋敷へ向かう。

「やっぱりソラさんも500年前、聖女として活躍してた方の記憶を引き継いだんだ」
「うん!ラティファさんと言ってすごく美人さんだったよ!しかも私と同じくらい胸も小さかった!」
「あはは……」

 ラティファさんの胸が小さかったことが余程嬉しかったんだろう。
 ものすごく嬉しそうな笑顔で言った。

「私、ラティファさんの想いを継いで絶対に魔王を倒すよ」
「そうだな。俺もカインの想いを継いで絶対、魔王を討伐する。一緒に強くなろうな」
「うんっ!それと私のことは『ソラさん』ではなく『ソラ』と呼ぶように!だって私たちはその……こ、婚約者なんだから!」
「そ、そうだな」

 俺は「こほんっ!」と咳払いを挟み、名前を呼ぶ。

「ソラ」
「~~~っ!」

 すると顔が一瞬で真っ赤になる。

「な、なかなか良きだよ……」
「そ、そうか。ありがとう」

 恥ずかしいけど嬉しい。そういった表情を見せる。

 その後も2人で談笑しながら屋敷を目指した。



「ただいま~」
「お、お邪魔します」
「あ、おかえり!お兄ちゃん!それにソラさんも!」
「久しぶりだね、クレアちゃん!」

 帰って早々、クレアが出迎えてくれる。

「お兄ちゃんとソラさんが一緒にいるってことは……」
「あぁ。今日からソラは俺の婚約者だ」
「よろしくね!クレアちゃん!」
「やったー!」

 両手をあげて、喜びを全身で現すクレア。
 すると俺たちのもとへリーシャとレオノーラがやって来た。

「お噂は耳にしておりますわ、ソラ様。わたくし、第一王女のリーシャと申しますわ」
「妹のレオノーラです」

 美しい所作で自己紹介を行う2人。

「あ、ソ、ソラと言います!今日からカミトくんの婚約者となりましたので……」

 突然の王女様登場に慌てながらソラさんが自己紹介をするが、「緊張しなくてもいいですわ」と言ってリーシャがリラックスさせる。

「わたくし達はこれからカミト様を支える婚約者です。堅苦しい言葉遣いなんていりませんわ」
「その通りです!遠慮なく私たちのことはリーシャ、レオノーラと呼んでください!」

 そう言って2人が笑う。

「ありがとう、リーシャちゃん。レオノーラちゃん」

 先程まで緊張した面持ちだったソラさんが笑みを見せる。

「ではさっそくですが、ソラ様には聞きたいことがありますわ」
「な、何かな?」
「ソラ様はカミト様のどのようなところが好きですか!?」
「えっ!えーっと……」

 レオノーラからの質問に俺をチラッと見たソラさんが照れながら口を開く。

「や、優しくてカッコいいところ……かな?」
「わたくしもそう思いますわ!」
「私もカミト様の優しさとカッコ良さに惹かれて……」

 そう言って3人が俺の好きなところを話し出す。

「ひゅーひゅー」
「茶化さないの」
「あいたっ!」

 ニヤニヤしながら俺を煽ってきたクレアの脳天にチョップを見舞い、俺はリビングへと向かった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜

妄想屋さん
ファンタジー
 最強の美少女パーティメンバーに囲まれた無能、アルフ。  彼は周囲の人の陰口に心を病み、パーティメンバー達に、 「このパーティを抜けたい」  と、申し出る。  しかし、アルフを溺愛し、心の拠り所にしていた彼女達はその申し出を聞いて泣き崩れていまう。  なんとかアルフと一緒にいたい少女達と、どうしてもパーティを抜けたい主人公の話。

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...