スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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2章 王都編

告白 1

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「ふぅ、とても美味しかったです」
「それは良かったですわ」
「私たち自慢のシェフが作ってますので!」

 俺はリーシャ様、レオノーラ様の2人とテラスで星を眺めていた。
 メルさんは女王陛下と話しているようで、この場にはいない。

「わたくし、カミト様と出会えて本当に良かったですわ」
「私もカミト様と出会えて嬉しいです!」
「ははっ、ありがとうございます」

 王女様2人から褒められて笑みが溢れる。

「そ、それで……わ、わたくし達もカミト様にお礼がしたいと思いまして……」
「こ、心の準備はできておりますので……う、受け取ってください!」

 リーシャ様とレオノーラ様が頬を染めながら言う。
 心の準備というのは良くわからないが、準備ができているものを断ることはできない。

「わかりました。ありがたくいただこうと思います」

 俺が返事をすると、リーシャ様たちが頷きあう。

「で、ではカミト様。目をつぶってください」
「え、目を?」
「はい。でないと渡すことができませんので……」
「な、なるほど」

 理由はわからないが、2人の要望通り目を閉じる。

「い、行くわよ、レオノーラ」
「は、はいっ、お姉様っ!」

 そんなやり取りをした後、2人の息遣いと共に両頬に柔らかい感触を感じる。

「っ!」

 俺はすぐさま目を開けて左右を見る。

「お、お礼というのは……わ、わたくし達のファーストキスですわ」
「い、いかがでしたか?」

 先ほどよりも真っ赤な顔をしたリーシャ様とレオノーラ様が上目遣いで聞いてくる。

「え、えーっと……な、なぜキスを……」
「っ!そ、それは……か、カミト様のことが好きだからです!」
「わ、私もカミト様のことが……好き……だからです」
「っ!」

 星空の下で、俺は2人の王女様から告白される。

「わ、わかってますわ。カミト様が混乱してしまうのも」
「で、ですがカミト様と結婚したいならその……お、お礼と言ってキスをしろとお母様に言われたので……」

(陛下ぁぁぁぁ!!!!)

 俺は心の中で叫ぶ。
 そして辺りを見渡すと、嬉しそうな顔をしている女王陛下と、絶望したような表情をしているメルさんを発見する。

「わたくし、出会った当初からカミト様のことは気になっておりましたわ。カミト様とその……こ、子供を作りたいと言ったのも嘘ではありませんわ」

『わたくし達はカミト様の子供を産みたいのです!』

 この言葉は俺がリーシャ様とレオノーラ様の2人と初めて会った日に言われた言葉。

「だから、わたくし達と結婚してください!」
「カミト様はS級冒険者なので、たくさんのお嫁さんを貰うことができます!私たちを貰ってください!」

 真剣な眼差しで2人が俺を見る。
 そこには先ほどまでモジモジしていた2人はいない。

「え、えーっと……」

 突然のことで頭が真っ白になり、うまく返答ができない俺は固まってしまう。

「も、もしかして、わたくし達には魅力がありませんか?」

 返答に時間をかけすぎたため、不安そうな目でリーシャ様が問いかけてくる。

「わたくし達はメル様のような大きな胸を持ってはいません。で、ですが必ず、カミト様好みのスタイルになってみせますわ。な、なので将来性に期待していただけると……」

 リーシャ様は16歳でレオノーラ様は15歳。
 大きくはないが膨らんでいることは確認できており、もう既にセリアさんやソラさん以上の大きさを誇っている。
 母である女王陛下はメルさん並の巨乳なので将来性に期待もできる。

「や、やはり胸が小さい人は魅力がないのでしょうか……」

 俺が黙っていることを肯定と捉えたリーシャ様とレオノーラ様が落ち込む。

「そ、そんなことありません!俺はリーシャ様とレオノーラ様のことを可愛くて魅力的な女の子だと思ってます!ですが王女様との結婚となれば簡単に応えることはできません」

 2人が良い子ということは理解しているし、俺を好きだと言ってくれたことは素直に嬉しい。
 だが、俺が2人と結婚するとなれば俺は王族となってしまう。
 そのため、こればかりは簡単に応えられない。

「なぜなら俺には王族になる覚悟がありません。ましてや国を治めるなんて無理です。それに…」
「それなら大丈夫ですわ!」

 俺の発言を遮ってリーシャ様が声を上げる。

「王都のトップになるのは基本的にヴェール家の血を引いた人間だけですわ!お母様はヴェール家の血を引いてないにも関わらず陛下の地位にいますが、それはわたくし達が若すぎるからです!予定ではわたくしが18歳になった時、女王陛下となって国のトップになる予定ですわ!」
「つまり、私たちと結婚してもカミト様は国政に関わることなんてありません!だからカミト様は安心して私たちと結婚していいと思います!」
「王女と冒険者の結婚が難しいのなら、爵位もあげますわ!英雄であるカミト様に爵位を渡しても反論する人なんていませんから!」
「おぉ……」

 突然、元気になった2人が説得してくる。

「わたくし達に魅力がないのなら諦めましたが、カミト様が結婚を拒んだ理由は国を治めることに関してです」
「つまり国を治めないことを理解すれば私たちと結婚できるということです」
「………たしかに、そう言ってますね」

 俺が返答できない理由は国を治める覚悟がないから。
 でも、それに関しては一切関わらないで良いと言われた。
 つまり、断る理由がなくなったことになる。

「カミト様はわたくし達がお嫌いですか?」

 リーシャ様が目を潤ませ、不安そうに聞いてくる。

「そっ!そんなことありません!何度も言いますが、お2人は可愛くて魅力的です!それに優しくて可愛くて、えーっと……と、とにかく、素敵な女性です!」
「す、素敵な女性……」
「か、可愛いって2回も言われました……」

 俺の返答に満足したのか、嬉しそうに頬を染める。

「俺はお2人と結婚したくないというわけではありません。ただ、今すぐ決めるべき内容ではないと思い、返事ができませんでした。男としてスパっと決めるべきなのですが……」
「そんなことありませんわ。悩まれるということは、わたくし達のことを真剣に考えてくれている証拠ですので」
「お姉様の言う通りです。なのでカミト様はゆっくりと考えてください」

 2人からの温かい言葉に情けなさを感じる。
 本当はすぐに返事をしなければいけない内容なのに。

「ありがとうございます。必ず返事はしますので」
「わかりましたわ」

 2人が俺の返事に納得してくれる。

「ということで、レオノーラ。カミト様を確実に堕とすために今からすべきことはわかってるよね?」
「もちろんです!お姉様っ!」

 そんなやり取りをした後に、2人が左右の腕に抱きつく。

「!?」

 小さいながらも柔らかさを持っており、両腕から“ふにゅっ”という柔らかい感触を感じる。

「なっ!何してるんですか!?」
「もちろん、カミト様を堕とすためのアピールですわ!返事をもらっていないということは、振られる可能性もあるということなので!」
「お母様はお父様を堕とすために積極的にスキンシップをしたとのことです!私たちもカミト様を堕とすために積極的なアピールが必要だと思いました!」

 満面の笑みで2人が言う。

「あ、あはは……お、お手柔らかにお願いします…」
「それは無理なお願いですわ!」
「これからよろしくお願いしますね!カミト様っ!」

 2人の眩しい笑顔を見て、俺は振り払うのを諦めた。
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