スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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2章 王都編

作戦決行 5

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 ここから派手に脱出することを決めた俺たち。

「というわけだから、私かカミトのどっちかが外で暴れて、もう1人がみんなを連れて脱出する形にするわ」
「なら俺が外で暴れてきます。外にいる冒険者、14人を相手にすればいいんですよね?」
「えぇ。お願いしてもいい?」
「任せてください!」

 俺はメルさんに応えて窓を開ける。

「皆さん、俺が囮になって外にいる冒険者たちの注意を引きます。その間にメルさんと脱出してください。また後で会いましょう」

 俺は捕まっていた女性たちに一言かけて窓から飛び降りる。
 降りる場所は冒険者たちが最もいる場所。
 “ドスンっ!”という音が響き渡り、その音に反応した冒険者たちが集まってくる。

「な、なんだ!?」
「どこから入ってきた!?」

 俺の存在を認知した冒険者たちが一斉に武器を構える。

「さて、要望通り暴れるか。かかってこいよ」
「っ!いいだろう。捕らえて聞き出すだけだ!」

 どこかの誰かがそう言った瞬間、囲んでいた俺に攻撃を仕掛ける冒険者たち。

 しかし、一斉に攻撃してこようが、S級冒険者である俺に敵うわけもなく…

「はい、1人ー!」
「グハッ!」
「2人ー!」
「うっ!」
「3人ー!」
「かはっ!」

 そんな感じで、飛び交かってきた冒険者達を殴る蹴るで気絶させていく。
 10人ほど気絶させたところでようやく俺の強さを理解する冒険者たち。

「つ、強いっ!」
「誰だ、コイツ!」
「あ、そういえば王宮で挨拶をする時に俺の顔出しをすることになってたな。だから知らない人が多いのか」

 街や冒険者協会ではメルさんと一緒にいたことで、俺が新しいS級冒険者と認知されていたが、今はメルさんがいないため、俺のことを知らないようだ。
 だからと言って、ご丁寧に自己紹介はしない。

「俺のことをみんな知らないってことは、名前も知らないような人にやられてることになるが……それでいいのか?」

 俺は敢えて挑発してみる。

「っ!死ねっ!」
「屋敷に侵入させるわけにはいかん!なんとしてでも捕えろ!」

 俺が屋敷内に入って秘密を掴まれると厄介になると思った冒険者たちが一斉に攻撃してくる。

 その刹那…

「アイスソードっ!」

 どこかから氷の剣が無数に飛んでくる。

「「「「グァァァァァっ!」」」」

 その剣は正確無比に残りの冒険者たちへヒットし、残っていた冒険者4人を気絶させる。

「メルさん!」

 俺は攻撃してきた人に心当たりがあり、攻撃したであろう人物の名前を呼ぶ。

「ごめん、カミト。遅くなったわ」
「いえ!囚われていた人たちは!?」
「無事に脱出させたわ。シャーリーのおかげで野次馬がたくさん屋敷の外にいて、消息不明と言われてた人たちが屋敷から出てきたことに困惑してたわ」
「狙い通りですね!」
「えぇ。あとは冒険者たちを無力化するだけよ。といっても、全員倒し終えたみたいだけどね」

 メルさんの発言通り、俺たちの足元には冒険者たちが転がっている。

「シャーリー、コイツらを縛ってて」
「かしこまりました」

 “バッ!”と一瞬で現れて膝をつくシャーリーさんに後始末をお願いする。

「馬車の手配も完了しております。いつでも出発可能です」
「ありがとう、シャーリー」

 シャーリーさんに後のことをお願いして、俺たちは囚われてていた女性たちのもとへ向かう。

「結局、コソコソと移動なんてできませんでしたね」
「そうね。救出まではできたけど、脱出ってなると無理だったわね。これなら最初から強行突破でも良かったわ」
「あはは。そうですね。結局、屋敷を守っていた冒険者、全員気絶させましたから」
「まぁ、それはカミトのスキルがあったからよ。私1人だと敵の位置や囚われた女性たちの場所を知れず後手に回っていたわ」

 そんな話をしながら俺たちは歩き出した。



 その後、女性たちの元へ辿り着くと、宰相の息子の悪事を囚われていた女性たちから聞いた領民が、宰相や息子へ怒りをあらわにしていた。
 中には消息不明と思っていた妻や子供が屋敷から現れ、感情のコントロールができていない人までいる。
 メルさんはその場の収拾を図るため、声を上げる。

「よく聞いて!私たちは宰相の息子が行った悪事と、宰相が悪事を揉み消した証拠、それと王女様暗殺計画を企てている証拠を掴んでるわ!」

 メルさんの口から発せられた『王女様暗殺計画』という言葉を聞いて、場がシーンとなる。

「私たちが必ず女王陛下に伝えるわ!その時、宰相親子は必ず罰せられる!女王陛下からの罰だけじゃ不満という人は出てきて!」

 メルさんの発した言葉を聞いた後に不満を言う人など現れるわけもなく、場が落ち着く。

「ありがとう。そこでお願いなのだけど……」

 そして話題を王宮へ向かうことにシフトさせる。

「どなたか私たちと王宮まで来てほしいの。女王陛下へ伝えるのは私たちではなく、今まで宰相親子に苦しめられた人たちが言うべきだと思うから。急だけど、今から来れる方はいる?」

 そうメルさんが呼びかけると……

「俺が行く!俺は妻と娘がワルモチに捕えられてたんだ!被害者である俺が伝えてやる!」
「私も行きます!私はワルモチから酷い目に遭わされた!ワルモチとニーファには相応しい罰を受けてもらうために私も同行します!」

 等々、たくさんの人が手を上げる。

「え、えーっと……」
「あはは……多いですね……」

 当初の予定では数人程度の予定だったが、50人程度の人が手を挙げている。
 それだけ、宰相親子が行った悪事に怒りを隠しきれないんだろう。

「時間がないから早く選んで王宮へ帰りましょう」
「そうですね」

 手を上げる人たちの中から、数人だけ選び、俺たちは王宮へと向かうことにした。
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