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2章 王都編

女王陛下からの褒美 2

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 リーシャ様の後を歩くと一際大きな扉に辿り着く。

「お母様、入りますわ」

 そう言ってリーシャ様が扉を開ける。
 そこにはズラーっと騎士が並んでおり、中央の玉座にはソフィアさんと同じくらいの年齢をした綺麗な女性が座っていた。
 そしてその横にはリーシャ様によく似た女の子が1人立っている。
 俺はリーシャ様に続き、真ん中に敷かれた赤い絨毯を歩き、メルさんと一緒にひざまずく。
 リーシャ様はひざまずかずに玉座の横へ移動する。

「面をあげていいわ」

 玉座に座っている女性、女王陛下からの言葉を聞き、俺とメルさんは顔を上げる。

「S級冒険者、メル•ルージュ。並びにS級冒険者、カミト•ヴィオレ。S級ダンジョン『奈落』の攻略、国民を代表して感謝するわ。ありがとう」
「もったいなきお言葉!」

 メルさんが代表して発言する。

「国民は皆、いつS級ダンジョンが崩壊してモンスターが溢れ出すか不安で仕方のない日々を送っていた。そんな中、2人は攻略してくれた。このことは国にとって多大な貢献となったため、2人には褒美を与えるわ」

 女王陛下がそういうと、メイド服を着た女性が俺たちの前に大きな箱を持ってくる。

「その中には白金貨500枚が入ってるわ」
「白金貨500枚!?」

 俺は声をあげて驚く。
 メルさんも同様の反応をしていることから、メルさんも驚いているようだ。
 白金貨500枚を二等分にしても1人白金貨250枚。
 一生遊んで暮らせるお金が褒美として与えられた。

「そうよ。あなたたちはそれだけのことをしたの。受け取ってほしいわ」
「こんなに要りませんよ!」
「そうです!私も街のためにやったことです!お金をもらうためにS級ダンジョンを攻略したわけじゃありません!」
「それはダメよ。あなたたちは白金貨500枚の価値がある成果を挙げたと思ってるもの。受け取らないということは、女王陛下である私の好意を拒否することになるわ」
「「うっ」」

 そう言われると反論できないので、素直に受け取ることにする。

「ありがとう。それと、カミト•ヴィオレには家をプレゼントするわ」
「………え?」

 おかしな言葉が聞こえてきたため聞き返す。

「一軒の家を与えるわ。あなたは宿屋で暮らしていると聞いたのでちょうどいいと思うわ」
「た、確かに、ずっと宿屋で暮らすわけにもいかないとは思ってたのでありがたいのですが……」
「なら、遠慮なく受け取ってほしいわ」
「あ、ありがとうございます」

 白金貨だけでなく家まで褒美でいただくこととなった。

「これからも王都のために活躍してくれることを期待してるわ。頑張ってね」
「「はい!」」

 こうして女王陛下への謁見が終了した。



 女王陛下から褒美としてお金と家を受け取った。
 家に関しては後日、紹介してくれるとのこと。

「カミト様、次は国民の皆様へ挨拶ですわ」

 そう言ってリーシャ様が話しかけてくる。

「わかりました。それでコチラの女性は?」

 リーシャ様の隣にいる女の子に目を向け、問いかける。
 リーシャ様にとてもよく似ていることから、おおよそ検討はついている。

「あ、ご紹介しますわ。コチラがわたくしの妹、レオノーラ•ヴェールですわ」
「初めまして、カミト様。私、この国の第二王女であるレオノーラ•ヴェールです。カミト様のご活躍はメル様からお聞きしております」
「よろしくお願いします、レオノーラ様」

 綺麗な所作で俺に挨拶をするレオノーラ様。
 リーシャ様と同じ金髪をツインテールにしており、年齢は15歳。
 支援魔法のレアスキルを持っているため、リーシャ様と同じ冒険者学校に通っている。

「国民の皆様への挨拶まで少し時間があります。わたくし達と一緒にお話をしませんか?」
「私もカミト様のお話が聞きたいです!」
「いいですよ。面白い話を提供できる自信はありませんが」
「ありがとうございます」
「メル様もご一緒にいかがでしょうか?」
「そうね。暇だから私もカミトのお話を聞こうかしら」

 ということで、俺が国民へ挨拶するまでの間、メルさんとリーシャ様、レオノーラ様の4人でお話をすることとなった。
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