スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
50 / 146
2章 王都編

女王陛下からの褒美 1

しおりを挟む
 王宮に招待されたことを聞いた日から数日が経過する。
 俺は活気付いている街並みと一枚のチラシを見る。

「S級ダンジョン『奈落』の攻略達成と新たなS級冒険者誕生を祝う祭りが明日開催されますね」
「そうね。これ、女王陛下が企画したらしいわよ」

 俺は隣にいるメルさんに話しかける。

「たしか、カミトは国民の前で顔出しするって聞いてるわ。頑張ってね」
「うっ。俺、何を言えばいいかわからないのですが……」
「そんなの適当でいいわよ。カミトの顔見せがメインなんだから」

 女王陛下の発案で俺のことを国民全員に紹介することとなり、それに併せて明日、王都では祭りが行われるとのこと。
 ちなみに、女王陛下からの褒美も明日もらう予定だ。

「だから緊張する必要なんてないわ。私も招待されてるからサポートするわよ」
「ありがとうございます、メルさん」

 メルさんがサポートしてくれるので少しは気が楽になる。
 そんな話をしつつ俺は宿屋に戻った。



 祭り当日。
 王宮に招かれた俺は到着早々1つの部屋に案内され、貴族が着るような服に着替えさせられた。

「あのぉ、メルさん。俺、似合ってますか?着せられてる感が半端ないのですが」
「そんなことないわよ。とても似合ってて……その……か、かっこいいわ」
「あ、ありがとうございます」

 そんな俺をメルさんが頬を染めつつ褒めてくれる。
 お世辞だと思うが、その言葉を聞いて少し安心した俺は女王陛下と謁見するため、メルさんと話しながら声がかかるのを待つ。
 すると“コンコン”というノック音が響き渡る。

「入っても大丈夫ですよ」

 部屋に俺とメルさんしかいないため、メルさんの様子をチラッと確認してノックした人に声をかける。

「失礼します」

 そう言って部屋に入ってきた女性を見て俺は言葉を失う。
 高級なドレスに身を包み、腰まで伸ばした金色の髪をなびかせながら優雅に歩く女性。
 絶世の美少女と言っても過言ではない女性は俺たちのもとへ辿り着くと綺麗な所作で挨拶をする。

「初めまして。わたくし、この国の第一王女であるリーシャ•ヴェールと申しますわ」

 この国の第一王女であるリーシャ様。
 現在16歳で冒険者学校に通っており、国王陛下と女王陛下の間に息子がいないため、将来はこの国の女王陛下になることが約束されている人物だ。

「あ、えーっと……お、俺はカミトといいます。今日はよろしくお願いします」

 王族への礼儀など学んでいないため、年下ではあるが、丁寧な言葉で頭を下げる。
 すると「ふふっ、聞いてた通りの方ですね」という言葉が聞こえてくる。

「……?」

 その言葉を聞いて頭を上げると、リーシャ様が微笑んでいた。

「わたくし、メル様からカミト様のお話をたくさんお聞きして、一度お会いしたいと思っておりましたわ。妹もカミト様にお会いするのを楽しみにしてましたが、着替えに手間取ってるようで、ここには連れてくることができませんでした」
「………俺の話をメルさんから聞いたんですか?」
「はい!カミト様がメル様のことを抱きしめて『これからは俺がメルを守るから』と仰ったことまでお聞きしておりますわ!」
「ちょっ!リーシャ!そんなこと言わなくていいわよ!」
「ふふっ。すみません、メル様。口が滑ってしまいましたわ」

 そう言ってメルさんを揶揄うリーシャ様。

「メルさんとリーシャ様は仲が良いですね」
「そうね。私の親が冒険者協会の会長だったから、昔から交流があるのよ。だから、こんな感じで話すことができてるわ。もちろん、公の場ではリーシャ様って呼んでるけどね」
「はい!だからカミト様も気軽にわたくしのことをリーシャと呼んでください!」
「そ、それは……か、考えときます……」
「すごく楽しみにしてますわ!」

 そう言ってリーシャ様はニコッと笑う。

「あ、そうでした!わたくし、メル様とカミト様を呼びに来たことを忘れてましたわ!メル様、カミト様。お母様がお呼びですわ」

 どうやらリーシャ様は俺たちのことを呼びに来たようで、俺たちは部屋を出る。

 その時…

「この方なら相応しいかもしれませんわ」

 と、何かを呟く声が聞こえてきた。

「……?何か言いましたか?」
「いえ、なんでもありませんわ」

 そう言ってリーシャ様は歩き出す。

「……?」

 俺は呟いた内容が気になったが聞き返さずにリーシャ様の後を歩いた。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...