スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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2章 王都編

???視点

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~???視点~

「まさか黒の騎士 No.8が倒されるとは。何者ですか、あの男は」

 1人の男が水晶玉を見つめつつ怪訝そうに呟く。

「実力のある者は全てチェックしています。S級冒険者ではないようですが……」
「ははっ!面白れぇ奴が現れたな!」

 そんな中、水晶玉を覗いている男よりもガタイの良い男が嬉しそうな顔をする。

「俺が倒しに行っていいか!?」
「ダメです。我々はまだ表舞台に現れてはいけませんから」
「ちっ!いつまでコソコソする必要があるんだよ!そろそろ俺は暴れてぇんだ!」
「それはあの方の復活に目処が立つまでです。もう少しで目処が立つのでそれまで我慢ですよ」

 そう言って宥めつつ水晶玉に視線を戻す。

「そういえば鍵を取られちまったけど良いのか?あれ、忌々しき賢者が残した鍵だろ?」
「問題ありません。我々が血眼になって探しても使う場所を見つけることができなかったのです。あの男が探しても見つけることはできないでしょう」
「それもそうか」

 そう言って納得するガタイの良い男。

「約500年もの間、かなりの人数がダンジョンで死んだおかげで復活に必要なエネルギーもかなり集まりました」
「あと1年ってところか?」
「えぇ。それくらいでしょう。ほんと、あの方の復活に手を貸してくれた邪神には感謝しませんと」

 そう言って水晶玉を覗く男が不敵に笑う。
 邪神はダンジョン内で死んだ冒険者の魔力をあの方が復活するために必要なエネルギーに変換してくれるシステムを作ってくれた。

「おかげでお前はダンジョン運営で忙しそうだけどな」
「結構楽しいものですよ。冒険者たちが死ぬ瞬間を見ることができますので」

 それを見るためには冒険者たちが飽きずにダンジョンへ潜ってくれるよう仕向けないといけないため、モンスターの強さの設定や宝箱の設置などやることは多い。

「けっ、変わった奴だぜ。俺は自分の手で殺した方が楽しいけどな」

 そう呟いてガタイの良い男は立ち上がる。

「暴れても良い時は呼んでくれ」
「分かりました」

 男が立ち去った後、再び水晶玉を覗き込む。

「この男、もしかして神から称号や報酬をもらったのでしょうか?」

 ダンジョンマスターという位置にいる男だが、称号の付与と報酬部屋に関しては全く関与しておらず、脳内で響き渡る声は邪神の行動を無視できない神が与えている。

 ちなみにダンジョンクリア後の報酬はダンジョンマスターが用意しており、冒険者が強くなりにくい物を報酬として与えている。
 そのためS級ダンジョン『奈落』では使う場所が全く分からない賢者の鍵 No.8を報酬にした。

「これは少しでもはやく復活していただくために、他のダンジョンに設置したモンスターのレベルを上げておきますか」

 そう呟き設定を変更する男。

「すべては魔王様のために」
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