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2章 王都編
S級ダンジョン『奈落』の攻略 8
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「許さねぇ。お前は俺の手で殺す!」
俺は騎士に向けて闘志を燃やす。
そしてポーションでメルさんに殴られたダメージを回復しつつ自分のステータスを確認する。
*****
名前:カミト•ヴィオレ
年齢:18
レベル:2753(31up!)
筋力:26584(115up!)
器用:26549(107up!)
耐久:26529(102up!)
俊敏:26583(117up!)
魔力:26470(100up!)
知力:26638(118up!)
スキル:【剣聖】
【賢者の眼】
称号:〈ジャイアントキリング Lv.4〉
〈無傷の冒険者 Lv.5〉
〈少数精鋭 Lv.1〉
装備:純黒の長剣(全ステータス2,493上昇)
純黒のコート(全ステータス2,493上昇)
純黒の靴(全ステータス2,493上昇)
*****
レッドドラゴン討伐後、30階に来るまでにたくさんのA級上位モンスターを討伐したことでレベルが31も上がる。
それにより装備も31ほどステータスが上がっている。
このステータスに〈ジャイアントキリング Lv.4〉の全ステータス4,000上昇と〈少数精鋭 Lv.1〉の全ステータス1,000上昇があるため、俺の全ステータスは31,000越えとなる。
ステータス的には優位な状況だが、油断できない相手だ。
何より俺が負ければメルさんの身が危ないため、何がなんでも勝たなければならない。
俺は両手で顔を“バシっ!”と叩く。
「賢者さん!サポートをお願い!」
『了解しました』
「お前から仕掛けないなら俺から仕掛けるぞ!」
俺は地面を蹴って騎士に特攻する。
その瞬間、騎士の姿が消える。
「どこだっ!」
俺はブレーキをかけて足音や剣を振る時の音に意識を割く。
すると背後から“シュッ!”という音が聞こえてくる。
(っ!回避が間に合わないっ!)
音を聞いて回避行動といったことはしたことがなかったため反応が遅れ、左腕にかすり傷を受ける。
「くっ!」
そんな俺に騎士は追撃をしてくる。
「っ!」
【透明化】のクールタイム中ということで追撃する騎士の姿は見えているが反撃に移れず防戦一方となる。
すると再び騎士の姿が消える。
(またかっ!)
俺は音に意識を割き剣を振る音を聞いて回避をする。
その攻防が何度も何度も続いた。
「はぁはぁ。全然反撃に移れない」
徐々に音を聞いて回避という行動に慣れたようで怪我は負わなくなったが反撃に転じることはできていない。
そのため未来視を使って優位に立ち回りたいが未来視のクールタイムは1時間。
今は使うべきでは無いと判断する。
そんなことを考えつつ騎士の攻撃を防いでいると、再び騎士が消える。
(次はどこから攻撃してくる?)
周囲の音に耳を傾ける。
(どこだ?どこから剣を振ってくる?)
今までの攻防全て消えた後は剣で攻撃していたということで攻撃方法が剣しかないと思い込んでいた。
それが命取りとなった。
(剣の音が聞こえないっ!まさかっ!)
そう思った瞬間、目の前から“ガチャっ!”と鎧の音が聞こえてくる。
俺はすぐさま反応し剣で防ごうとするが一瞬間に合わず、俺は騎士に思いっきり蹴られた。
「かはっ!」
意識が飛びそうな痛みを伴いつつ、俺は壁に激突する。
「ぐっ!」
意識を失うことはなかったが、体勢を立て直したい俺を騎士が待つはずもなく、追撃してくる。
「っ!」
痛いとか言う暇もないくらい怒涛の剣技を騎士が披露し、俺は防戦一方となる。
痛みにより思うように動けない俺は、カインの記憶によって得た幾千もの戦いの経験をフルに使い防ぎ続ける。
(マズイ!このままではマズイ!)
騎士の攻撃をなんとか防ぐことはできているが、徐々にかすり傷が増えてきている。
体力や精神的に防ぎ切れなくなるのも時間の問題だろう。
そして遂に、その瞬間が訪れる。
「っ!しまっ!」
騎士の剣技を完璧に防ぐことができず、体勢を崩した俺に、再び騎士が俺の腹に渾身の蹴りを見舞う。
「ぐはっ!」
その衝撃で壁まで吹き飛ばされた俺。
なんとか剣は手放さなかったが、立ち上がる力や剣を握る力は残ってない。
そんな俺にゆっくりと騎士が距離を詰める。
(もう無理だ。立ち上がれない)
立ちあがろうとするが、足に力が入らず動くことができない。
気絶していないことが奇跡的なレベルだ。
(ごめん、みんな)
俺は心の中で謝る。
(そういえばクレアには「お前を残して死ぬわけないだろ」とか言ったなぁ)
何故かその時の光景が甦る。
いつも俺のことを心配してくれる可愛い妹。
天真爛漫で誰とでもすぐ仲良くなれる優しい妹。
そんな妹を俺は泣かせてしまうだろう。
そう思うと胸が痛むと同時に喝を入れられた。
(おい!なんで寝てるんだよ!クレアを泣かせるような男にはなりたくないだろ!)
そう自分に喝を入れた時、とある光景が甦った。
「カミ……ト……ごめん……」
「っ!」
それは気を失った状態でも俺に謝ってくれた優しい女の子の光景だった。
その光景を見た時、俺の心が奮い立つ。
(寝てる場合じゃないよな。俺が死ぬとメルさんも死んでしまうんだから)
そう思うと自然と力が湧いてくる。
その気持ちに応えるように。
「うらぁぁぁぁっ!」
俺は気合いで立ち上がる。
俺が立ち上がるとは思わなかったようで、騎士の動きが止まる。
その瞬間を見逃す俺ではない。
「賢者さん!未来視!」
『了解しました』
俺の指示に応えた賢者さんが騎士の3秒先を教えてくれる。
「この10秒に全てを賭ける!」
俺は騎士に向かって一直線に走り出す。
俺の特効を危機と感じ、騎士が【透明化】のスキルを発動する。
「無駄だっ!『星剣技』五の型〈砕破〉」
未来視の効果で2秒間の透明化は効果がない。
そのため騎士が現れるところ予測し、騎士が持つ剣目掛けて星剣技を放つ。
“キィーンっ!”という金属音が響き渡った後、騎士の黒い剣にヒビが入る。
「!?」
突然剣にヒビが入ったことに困惑している様子。
『星剣技』五の型〈砕破〉とは、相手の武器を破壊することに特化した技だ。
原理としては純黒の長剣を通じて騎士の剣に衝撃を送り、内部破壊を促している。
ただしこの技には制約があり、相手が剣を振るタイミングで攻撃しなければならないため、俺自身にタイミングを合わせる余裕がなければ使えない。
そんな騎士に俺は追撃をする。
「まだまだーっ!「『星剣技』五の型〈砕破〉」
困惑した騎士の隙を見逃すはずもなく、俺は五の型〈砕破〉を使用し続ける。
すると“パリンッ!”と騎士の剣が粉々に砕け散る。
「!?」
「いまっ!」
武器を失った騎士の動きが一瞬止まる。
その隙を逃すはずもなく俺はトドメを刺しに行く。
「『星剣技』六の型〈螺旋剣舞〉~六連~」
騎士の攻撃により大ダメージを負っている中、使用後は全身の筋肉が悲鳴を上げる六の型〈螺旋剣舞〉を使う。
「うぉぉぉぉっ!!!」
全身が悲鳴をあげているのを実感しながら身体に鞭を打って連撃を与える。
「まだまだぁぁぁぁーっ!」
ブラックドラゴン戦では四連で悲鳴を上げた身体を更に酷使し、六連目へと繋げる。
「ラストぉぉっ!」
“ドゴっ!”という音と共に最後の一撃を騎士の懐に喰らわせ、騎士を吹っ飛ばす。
「はぁはぁ……」
俺はその場で膝をつき、騎士の様子を確認する。
そこには胴体に穴を開けた騎士が立っていた。
「……見事だ」
そんな声が聞こえた後、騎士の姿が消滅する。
そして『レベルアップしました』『称号を獲得しました』という脳内アナウンスを聞く。
「はぁ……はぁ……終わっ……た」
騎士から喰らったダメージと六の型〈螺旋剣舞〉の反動で“パタっ”とその場に倒れ、意識を失う。
その際、脳内で『マスター、お疲れ様でした』という労いの言葉が聞こえた気がした。
俺は騎士に向けて闘志を燃やす。
そしてポーションでメルさんに殴られたダメージを回復しつつ自分のステータスを確認する。
*****
名前:カミト•ヴィオレ
年齢:18
レベル:2753(31up!)
筋力:26584(115up!)
器用:26549(107up!)
耐久:26529(102up!)
俊敏:26583(117up!)
魔力:26470(100up!)
知力:26638(118up!)
スキル:【剣聖】
【賢者の眼】
称号:〈ジャイアントキリング Lv.4〉
〈無傷の冒険者 Lv.5〉
〈少数精鋭 Lv.1〉
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それにより装備も31ほどステータスが上がっている。
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ステータス的には優位な状況だが、油断できない相手だ。
何より俺が負ければメルさんの身が危ないため、何がなんでも勝たなければならない。
俺は両手で顔を“バシっ!”と叩く。
「賢者さん!サポートをお願い!」
『了解しました』
「お前から仕掛けないなら俺から仕掛けるぞ!」
俺は地面を蹴って騎士に特攻する。
その瞬間、騎士の姿が消える。
「どこだっ!」
俺はブレーキをかけて足音や剣を振る時の音に意識を割く。
すると背後から“シュッ!”という音が聞こえてくる。
(っ!回避が間に合わないっ!)
音を聞いて回避行動といったことはしたことがなかったため反応が遅れ、左腕にかすり傷を受ける。
「くっ!」
そんな俺に騎士は追撃をしてくる。
「っ!」
【透明化】のクールタイム中ということで追撃する騎士の姿は見えているが反撃に移れず防戦一方となる。
すると再び騎士の姿が消える。
(またかっ!)
俺は音に意識を割き剣を振る音を聞いて回避をする。
その攻防が何度も何度も続いた。
「はぁはぁ。全然反撃に移れない」
徐々に音を聞いて回避という行動に慣れたようで怪我は負わなくなったが反撃に転じることはできていない。
そのため未来視を使って優位に立ち回りたいが未来視のクールタイムは1時間。
今は使うべきでは無いと判断する。
そんなことを考えつつ騎士の攻撃を防いでいると、再び騎士が消える。
(次はどこから攻撃してくる?)
周囲の音に耳を傾ける。
(どこだ?どこから剣を振ってくる?)
今までの攻防全て消えた後は剣で攻撃していたということで攻撃方法が剣しかないと思い込んでいた。
それが命取りとなった。
(剣の音が聞こえないっ!まさかっ!)
そう思った瞬間、目の前から“ガチャっ!”と鎧の音が聞こえてくる。
俺はすぐさま反応し剣で防ごうとするが一瞬間に合わず、俺は騎士に思いっきり蹴られた。
「かはっ!」
意識が飛びそうな痛みを伴いつつ、俺は壁に激突する。
「ぐっ!」
意識を失うことはなかったが、体勢を立て直したい俺を騎士が待つはずもなく、追撃してくる。
「っ!」
痛いとか言う暇もないくらい怒涛の剣技を騎士が披露し、俺は防戦一方となる。
痛みにより思うように動けない俺は、カインの記憶によって得た幾千もの戦いの経験をフルに使い防ぎ続ける。
(マズイ!このままではマズイ!)
騎士の攻撃をなんとか防ぐことはできているが、徐々にかすり傷が増えてきている。
体力や精神的に防ぎ切れなくなるのも時間の問題だろう。
そして遂に、その瞬間が訪れる。
「っ!しまっ!」
騎士の剣技を完璧に防ぐことができず、体勢を崩した俺に、再び騎士が俺の腹に渾身の蹴りを見舞う。
「ぐはっ!」
その衝撃で壁まで吹き飛ばされた俺。
なんとか剣は手放さなかったが、立ち上がる力や剣を握る力は残ってない。
そんな俺にゆっくりと騎士が距離を詰める。
(もう無理だ。立ち上がれない)
立ちあがろうとするが、足に力が入らず動くことができない。
気絶していないことが奇跡的なレベルだ。
(ごめん、みんな)
俺は心の中で謝る。
(そういえばクレアには「お前を残して死ぬわけないだろ」とか言ったなぁ)
何故かその時の光景が甦る。
いつも俺のことを心配してくれる可愛い妹。
天真爛漫で誰とでもすぐ仲良くなれる優しい妹。
そんな妹を俺は泣かせてしまうだろう。
そう思うと胸が痛むと同時に喝を入れられた。
(おい!なんで寝てるんだよ!クレアを泣かせるような男にはなりたくないだろ!)
そう自分に喝を入れた時、とある光景が甦った。
「カミ……ト……ごめん……」
「っ!」
それは気を失った状態でも俺に謝ってくれた優しい女の子の光景だった。
その光景を見た時、俺の心が奮い立つ。
(寝てる場合じゃないよな。俺が死ぬとメルさんも死んでしまうんだから)
そう思うと自然と力が湧いてくる。
その気持ちに応えるように。
「うらぁぁぁぁっ!」
俺は気合いで立ち上がる。
俺が立ち上がるとは思わなかったようで、騎士の動きが止まる。
その瞬間を見逃す俺ではない。
「賢者さん!未来視!」
『了解しました』
俺の指示に応えた賢者さんが騎士の3秒先を教えてくれる。
「この10秒に全てを賭ける!」
俺は騎士に向かって一直線に走り出す。
俺の特効を危機と感じ、騎士が【透明化】のスキルを発動する。
「無駄だっ!『星剣技』五の型〈砕破〉」
未来視の効果で2秒間の透明化は効果がない。
そのため騎士が現れるところ予測し、騎士が持つ剣目掛けて星剣技を放つ。
“キィーンっ!”という金属音が響き渡った後、騎士の黒い剣にヒビが入る。
「!?」
突然剣にヒビが入ったことに困惑している様子。
『星剣技』五の型〈砕破〉とは、相手の武器を破壊することに特化した技だ。
原理としては純黒の長剣を通じて騎士の剣に衝撃を送り、内部破壊を促している。
ただしこの技には制約があり、相手が剣を振るタイミングで攻撃しなければならないため、俺自身にタイミングを合わせる余裕がなければ使えない。
そんな騎士に俺は追撃をする。
「まだまだーっ!「『星剣技』五の型〈砕破〉」
困惑した騎士の隙を見逃すはずもなく、俺は五の型〈砕破〉を使用し続ける。
すると“パリンッ!”と騎士の剣が粉々に砕け散る。
「!?」
「いまっ!」
武器を失った騎士の動きが一瞬止まる。
その隙を逃すはずもなく俺はトドメを刺しに行く。
「『星剣技』六の型〈螺旋剣舞〉~六連~」
騎士の攻撃により大ダメージを負っている中、使用後は全身の筋肉が悲鳴を上げる六の型〈螺旋剣舞〉を使う。
「うぉぉぉぉっ!!!」
全身が悲鳴をあげているのを実感しながら身体に鞭を打って連撃を与える。
「まだまだぁぁぁぁーっ!」
ブラックドラゴン戦では四連で悲鳴を上げた身体を更に酷使し、六連目へと繋げる。
「ラストぉぉっ!」
“ドゴっ!”という音と共に最後の一撃を騎士の懐に喰らわせ、騎士を吹っ飛ばす。
「はぁはぁ……」
俺はその場で膝をつき、騎士の様子を確認する。
そこには胴体に穴を開けた騎士が立っていた。
「……見事だ」
そんな声が聞こえた後、騎士の姿が消滅する。
そして『レベルアップしました』『称号を獲得しました』という脳内アナウンスを聞く。
「はぁ……はぁ……終わっ……た」
騎士から喰らったダメージと六の型〈螺旋剣舞〉の反動で“パタっ”とその場に倒れ、意識を失う。
その際、脳内で『マスター、お疲れ様でした』という労いの言葉が聞こえた気がした。
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