スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
42 / 146
2章 王都編

S級ダンジョン『奈落』の攻略 6

しおりを挟む
 俺たちは報酬部屋へと繋がるワープゾーンへと踏み込む。
 すると、そこには予想通り宝箱が1つ置かれており、『特殊条件、〈無傷で討伐〉をクリア。報酬部屋へ案内します』とのアナウンスが聞こえてきた。

「私もレッドドラゴンを倒した時にこの部屋に来たわ。そして、その時ゲットした装備がこのローブと靴よ」

 そう言ってメルさんが【深紅のローブ】と【深紅の靴】を俺に見せる。

「へー、メルさんの装備はレッドドラゴンを倒した時にゲットしたんですね」

 『深紅』という単語とステータスの上昇値から、レッドドラゴン討伐によって得た装備ではないかと思っていたが、想像通りだった。
 そんな話をしつつ、メルさんが宝箱を開封する。

「おぉ。短剣が2本出てきましたね」

 そこには真っ赤な短剣が2本出てきた。
 俺は賢者さんにお願いし、鑑定してもらう。


ーーーーー

【深紅の双剣】

 レッドドラゴンの鱗から作られた深紅の双剣。軽くて丈夫な材質でできており、刃こぼれすることはない。また、全ステータスが1,500上昇する。ただし、2本一緒に装備しないと効果は発揮されない。

ーーーーー


 俺の装備には劣るが、なかなか強力な武器が現れる。

「双剣ですか。俺は【純黒の長剣】があるので使いませんね。メルさんは要りますか?」
「私も要らないのだけど……カミトが要らないのだったらセリアにあげてもいい?」
「セリアさんにですか?」
「えぇ。セリアのメイン装備は短剣2本を駆使した攻撃なの。だからセリアにピッタリの装備になると思うわ」

 おそらくメルさんも【鑑定 Lv.2】を使って効果を把握したんだろう。

「いいですよ。俺は必要ないので」
「ありがと」

 そう言ってメルさんが【深紅の双剣】をカバンに入れる。
 その間、俺はレッドドラゴンとの戦いで上昇したステータスを確認する。


*****

名前:カミト•ヴィオレ
年齢:18
レベル:2722(462up!)
筋力:26469(1750up!)
器用:26442(1742up!)
耐久:26427(1735up!)
俊敏:26466(1764up!)
魔力:26370(1722up!)
知力:26520(1774up!)

スキル:【剣聖】
    【賢者の眼】

称号:〈ジャイアントキリング Lv.4〉
        〈無傷の冒険者 Lv.5〉
        〈少数精鋭 Lv.1〉(New!)

装備:純黒の長剣(全ステータス2,462上昇)
   純黒のコート(全ステータス2,462上昇)
   純黒の靴(全ステータス2,462上昇)

*****

ーーーーー

〈少数精鋭 Lv.1〉

 レベル差が1,000以上の状態で格上のモンスターを3人以下のパーティーで無傷で倒すと獲得できる称号。

 称号保持者のレベルよりもレベルが上のモンスターを3人以下の状態で相手にする時、3人の全ステータスが1,000上昇する。また、1人で戦う時も発動する。

ーーーーー


(なるほど。化け物にまた一歩近づいたか)

 今回、俺のレベルが462ほど上昇したため、〈無傷の冒険者 Lv.5〉の効果で装備していた装備品全てのステータスも上昇している。
 そのことに絶句していると、メルさんから話しかけられる。

「どうする?このまま探索を続けてもいいけど、帰ってもいいわよ?」

 メルさんがワープゾーンと階段を見て俺に問いかける。

「俺はまだまだ行けます」
「私も行けるわ」

 ということで、俺たちは26階層へと進んだ。



 26階層に到着する。
 以前、メルさんがレッドドラゴンを倒した後に26階層へ来た時はレッドドラゴン戦でダメージを受けた状態や魔力を使いすぎたことに加え、ランクAに分類される上位モンスターの数が増えたことで撤退したとのこと。

「今回はカミトくんのおかげで無傷でここに来れたわ。だから30階までは行けそうね」
「油断はできませんが、最高の状態で26階にたどり着けましたね」

 そんな会話をして、気を引き締めつつ賢者さんの指示に従う。
 しかし、メルさんが言った通り21階~25階と比べ、敵の出現が多く、賢者さんに従っても戦闘を避けられないケースが増える。

「メルさん!」
「任せて!アイスソード!」
「グァァァっ!」

 メルさんの攻撃がランクAのモンスターであるミノタウロスを貫通し、魔石をドロップする。

「はぁ…はぁ…」
「さすがに多いですね。少し休憩しましょう」

 俺は肩で息をしているメルさんに声をかけ、その場に腰掛ける。
 もちろん、この場が安全エリアというわけではないので、賢者さんにモンスターの動向をチェックしてもらう。

「ありがと、カミト」
「いえいえ。レッドドラゴンを倒してから休憩なく28階まで来ましたから」

 現在、俺たちは28階層まで来ており、あと2階層で最下層となるところまで探索した。

「予想以上に多いわね。おかげでレベルは上がる一方だけど」
「嬉しいですが、最下層のボスにたどり着く前に体力が切れそうですね」

 俺はステータスがメルさんより高いことから疲れはあまり感じていないが、メルさんは肩で息をしていることが増えている。

「そういえば、この世界でS級ダンジョンを攻略した事例ってあるんですか?」
「ないわね。帝都にS級冒険者が2人常駐してるけど、S級ダンジョンの希少性から、2人が手を組んで攻略したという話しは聞いてないわ」
「つまり俺たちが攻略すれば世界初の出来事になるんですね」

(となると、世界で初めてS級ダンジョンを攻略したことで称号を手に入れることができるかもしれないが……まぁ、期待はしないでおこう)

「さて、そろそろ行くわよ」
「もう休憩は大丈夫ですか?」
「えぇ。これ以上、休憩するわけにはいかないもの」

 そう言ってメルさんが立ち上がる。
 その後、体力の回復したメルさんのおかげでスムーズに探索が進む。
 そして、30階層にある一際大きな扉の前にたどり着いた。
 お互い無傷でここまでたどり着き、体力も問題はない。

「ここがこのダンジョンのボス部屋ね」

 メルさんが緊張感を持って話す。

「カミト、準備はできてる?」
「はい!準備万端です!」
「じゃあ行くわよ!」

 メルさんが気合の入った声とともに扉を開けた。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

処理中です...