スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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2章 王都編

王都の冒険者協会

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 セリアさんの家に泊まった俺たちは何事もなく翌朝を迎え、俺はソラさんとセリアさんの3人で王都にある冒険者協会へ向かうこととなった。
 理由は昨日、ソフィアさんから王都の冒険者協会に来いと言われたから。
 ちなみに、病み上がりのセリアさんだが、「歩くくらいなら大丈夫」とのことで俺たちに着いてくることとなった。

「王都の冒険者協会はこの世界で1、2を争う大きさと言われてる。理由は住んでいる人が多いことと、王都周辺にS級ダンジョンが4つ存在するから」

 俺はセリアさんの話に耳を傾けながら協会を目指す。

「しかも4つあるS級ダンジョンのうち、1つは王都の地下にある」
「え!それなら今すぐ避難した方が……」
「それは大丈夫。そのダンジョンの入り口には必ず凄腕の冒険者が常駐してるから監視はバッチリ。しかも、王都で唯一のS級冒険者が定期的にダンジョンに潜ってくれてるから、ダンジョン崩壊も今のところ発生してない」
「それなら安心ですね」

 どうやら世界に5人いるS級冒険者の1人が王都に常駐してることで守られているようだ。

「その子、巷では『氷姫』って呼ばれてるくらい強くて美人なんだよ!」
「へー、会ってみたいな」
「え、えーっと……そ、それはやめた方がいいんじゃないかなぁ……」
「………?」

 突然挙動不審となったソラさんの返答は気になったが、それ以上に気になるものが目に入り、会話が終了する。

「あ、ここが王都の冒険者協会だよ!」
「で、でかっ!」

 宮殿のような大きさを誇る建物には大きく『冒険者協会』と書かれていた。

「カミト、入るよ。会長が待ってる」
「あ、あぁ」

 俺はセリアさんとソラさんの後を追って冒険者協会に入る。
 すると、近くにソフィアさんとルーリエさん、それと巨乳のお姉さんがいた。

「あ、セリアさん!目が覚めたんですね!」
「ん、ルーリエ。久しぶり」

 ルーリエさんにはセリアさんを助けることを伝えていたため、目覚めたセリアさんを見てルーリエさんが喜ぶ。
 どうやら王都にいた時から冒険者と受付嬢との間柄だったようで、以前から面識があったようだ。

「よかった、セリア。目が覚めたんだな」
「会長にも迷惑をかけました」
「気にするな。それよりも……メル。セリアが目覚めたぞ」

 ソフィアさんがメルと呼んだ巨乳のお姉さんが、セリアさんを見て涙を流す。

「セリアーっ!」

 そして抱きつく。

「よかった!無事だったのね!」
「ん、この通り元気」

 セリアさんはメルさんを振り払おうとせず、メルさんを受け止める。

「私、セリアが寝込んだのを聞いて『希望の花』を探したんだけど、見つけることができなくて……」
「気にすることはない。カミトが見つけて私を助けてくれたから」

 そう言って抱きついているメルさんを振り払い、俺のそばに来る。
 そんな俺たちの後ろでルーリエさんとソフィアさんの話し声が聞こえてきた。

「セリアさん、普通にメルさんへカミトさんを紹介してますが、メルさんのアレって治ったんですか?」
「ん?全く治ってないぞ」
「何事もないかのようにセリアさんは紹介してるけどね」
「えっ!なら今すぐ止めないとメルさんが……」

 ルーリエさんが危機感たっぷりの声色で話す。

(ん?メルさんがどうした……ひいっ!)

 3人の会話を聞いてメルさんを見てみると、ものすごく怖い顔で俺を睨んでいた。

「メル、紹介する。彼がカミト。私の命の恩人」
「は、はじめまして。カミトといいます」

 そう言って俺のことを睨んでいるメルさんへ頭を下げる。

「……セリア。男なんかと積極的に関わらない方がいいわよ」
「そんなことない。カミトは命の恩人で優しい人。きっとメルもカミトを気にいる」
「それはありえないわ!男なんて有害でしかないもの!」

(えぇ……男がみんな有害って……)

「メルは男嫌いなの。会話も嫌いなくらいに。だから怒らないでほしい」
「な、なるほど……」

 セリアさんの話を聞き、俺のことを睨みつけている理由は理解した。
 そんな中、メルさんが睨みながら俺に向けて口を開く。

「セリアたちはアンタに気を許してるようだけど私は絶対気を許したりしないから!それとセリアたちを泣かせたら許さないからね!」
「わ、わかりました!」

 俺は必死に頷いて、皆んなを泣かせないと誓う。
 すると突然、メルさんが俺から顔を逸らし、ボソッと小さな声で呟く。

「それから……その……セリアのこと、助けてくれてありがと」
「………え?」
「ふんっ!」

 言いたいことは言い終えたのか、俺の隣にいたセリアさんを引っ張りながら俺から距離を取る。

「おぉ。メルが男に感謝を伝えるなんて。さすがカミトくんだ」
「あはは……」

(人を殺せそうなほど睨んだ後に感謝されても……)

 そんなことを思った。
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