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2章 王都編
どーなつ
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俺たちは王都について早々、セリアさんへ会いに行くこととなる。
「まずは調合が得意な知り合いのところに寄るよ。そこでセリアさんが侵されている病、ドクサソリの解毒剤を作ってもらうんだ」
とのことで、ソラさんについていく。
「見て!お兄ちゃん!すごく美味しそうなパンがあるよ!」
「リブロでは見たことがないパンだな。真ん中に穴が空いてるし」
「あ、あれは“ドーナツ”って言うんだよ。パンじゃなくてお菓子なんだ」
「へー。パンじゃないんだ」
「王都ってすごいね!」
そんな話をしながら移動中は街並みを見て楽しむ。
「着いた!私はここで調合をお願いしてくるから、この辺りをぶらぶらしてて良いよ!」
「よし!じゃあ、“どーなつ”ってやつを食べに行こうぜ!金はたくさんあるからな!」
「おー!お兄ちゃん、太っ腹だね!」
俺の懐にはブラックドラゴンの魔石を換金した時に得たお金、白金貨10枚がある。
(改めて思うけど、白金貨10枚ってヤバいよな。仕事してる人の年収が白金貨0.5枚分だから、20年分の稼ぎを1日でしてしまったわけだ。さすがブラックドラゴンの魔石だ)
そんなことを思いつつ、俺は先ほどの“どーなつ”を食べに行く。
「おじさん、“どーなつ”を2つお願い」
「あいよ!ドーナツ2つ!」
俺はおじさんから“どーなつ”を2つもらう。
ちなみに味は“ぷれーん”と書かれていた。
「ほい、クレア」
「ありがと、お兄ちゃん!」
そしてクレアに“どーなつ”を1つ渡す。
「「いただきまーす!」」
俺たちは同時に“パクっ!”とかぶりつく。
「んー!美味しい!」
「あぁ!何個でも食べれそうだ!」
そう言って俺たちはあっという間に食べ終わる。
「美味しかったー!こんなに美味しいお菓子は久々に食べたよ!」
その言葉に申し訳なさを感じる。
(貧乏な生活をしてたから、お菓子なんて贅沢品をクレアに食べてさせてなかったな)
そのため…
「おじさん!もう1個“どーなつ”をください!」
と言って、もう1つ注文する。
「お兄ちゃん!?」
貧乏性が染み付いている俺がもう一度贅沢品であるお菓子を買うとは思わなかったのか、クレアが驚きの声をあげる。
そんなクレアを無視して、俺はクレアに“どーなつ”をあげる。
「クレアには今までお金がなくて色々と不便をかけたからな。これからはお兄ちゃんがたくさん稼ぐから、我慢せずに欲しい物は欲しいって言っていいぞ」
「お兄ちゃん……」
俺の想いが伝わったのか、クレアは“どーなつ”を受け取る。
「確かにリブロではお金がなくて欲しい物を何度も我慢したよ。だけどお兄ちゃんが側にいてくれたからすごく幸せだった。だから欲しいものが手に入らなくても私は不便な生活だなんて思ってなかったよ。むしろ欲しいものが何でも手に入る生活より、お兄ちゃんやソラさん、ルーリエさんにソフィアさんと一緒に楽しく日々を過ごしたい」
そう言って、俺が渡した“どーなつ”を半分に割る。
「だから、稼いだお金で私に貢いだりしないでね!」
そして、半分に割った“どーなつ”を1つ渡してくる。
(そうか。クレアはリブロで不便な生活をさせてしまったことに責任を感じるなって言ってるのか)
リブロで不便な生活を送る原因になったのは俺の稼ぎがほとんどなかったから。
そのため、冒険者として稼ぐことができるようになった俺は、張り切ってクレアに貢ぐ予定だった。
「わかった。お金は大切に貯金するよ。だが、欲しい物があったらお兄ちゃんに言うんだぞ?お兄ちゃんがどんな高価な物でも買ってやるからな」
「………はぁ。私の話、聞いてないね。お兄ちゃんはいつになったら妹離れできるんだろ」
「………」
(お前、毎夜俺に抱きついてるからな?物理的に兄離れできてないからな?)
そう思ったが口には出さない俺だった。
「まずは調合が得意な知り合いのところに寄るよ。そこでセリアさんが侵されている病、ドクサソリの解毒剤を作ってもらうんだ」
とのことで、ソラさんについていく。
「見て!お兄ちゃん!すごく美味しそうなパンがあるよ!」
「リブロでは見たことがないパンだな。真ん中に穴が空いてるし」
「あ、あれは“ドーナツ”って言うんだよ。パンじゃなくてお菓子なんだ」
「へー。パンじゃないんだ」
「王都ってすごいね!」
そんな話をしながら移動中は街並みを見て楽しむ。
「着いた!私はここで調合をお願いしてくるから、この辺りをぶらぶらしてて良いよ!」
「よし!じゃあ、“どーなつ”ってやつを食べに行こうぜ!金はたくさんあるからな!」
「おー!お兄ちゃん、太っ腹だね!」
俺の懐にはブラックドラゴンの魔石を換金した時に得たお金、白金貨10枚がある。
(改めて思うけど、白金貨10枚ってヤバいよな。仕事してる人の年収が白金貨0.5枚分だから、20年分の稼ぎを1日でしてしまったわけだ。さすがブラックドラゴンの魔石だ)
そんなことを思いつつ、俺は先ほどの“どーなつ”を食べに行く。
「おじさん、“どーなつ”を2つお願い」
「あいよ!ドーナツ2つ!」
俺はおじさんから“どーなつ”を2つもらう。
ちなみに味は“ぷれーん”と書かれていた。
「ほい、クレア」
「ありがと、お兄ちゃん!」
そしてクレアに“どーなつ”を1つ渡す。
「「いただきまーす!」」
俺たちは同時に“パクっ!”とかぶりつく。
「んー!美味しい!」
「あぁ!何個でも食べれそうだ!」
そう言って俺たちはあっという間に食べ終わる。
「美味しかったー!こんなに美味しいお菓子は久々に食べたよ!」
その言葉に申し訳なさを感じる。
(貧乏な生活をしてたから、お菓子なんて贅沢品をクレアに食べてさせてなかったな)
そのため…
「おじさん!もう1個“どーなつ”をください!」
と言って、もう1つ注文する。
「お兄ちゃん!?」
貧乏性が染み付いている俺がもう一度贅沢品であるお菓子を買うとは思わなかったのか、クレアが驚きの声をあげる。
そんなクレアを無視して、俺はクレアに“どーなつ”をあげる。
「クレアには今までお金がなくて色々と不便をかけたからな。これからはお兄ちゃんがたくさん稼ぐから、我慢せずに欲しい物は欲しいって言っていいぞ」
「お兄ちゃん……」
俺の想いが伝わったのか、クレアは“どーなつ”を受け取る。
「確かにリブロではお金がなくて欲しい物を何度も我慢したよ。だけどお兄ちゃんが側にいてくれたからすごく幸せだった。だから欲しいものが手に入らなくても私は不便な生活だなんて思ってなかったよ。むしろ欲しいものが何でも手に入る生活より、お兄ちゃんやソラさん、ルーリエさんにソフィアさんと一緒に楽しく日々を過ごしたい」
そう言って、俺が渡した“どーなつ”を半分に割る。
「だから、稼いだお金で私に貢いだりしないでね!」
そして、半分に割った“どーなつ”を1つ渡してくる。
(そうか。クレアはリブロで不便な生活をさせてしまったことに責任を感じるなって言ってるのか)
リブロで不便な生活を送る原因になったのは俺の稼ぎがほとんどなかったから。
そのため、冒険者として稼ぐことができるようになった俺は、張り切ってクレアに貢ぐ予定だった。
「わかった。お金は大切に貯金するよ。だが、欲しい物があったらお兄ちゃんに言うんだぞ?お兄ちゃんがどんな高価な物でも買ってやるからな」
「………はぁ。私の話、聞いてないね。お兄ちゃんはいつになったら妹離れできるんだろ」
「………」
(お前、毎夜俺に抱きついてるからな?物理的に兄離れできてないからな?)
そう思ったが口には出さない俺だった。
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