スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
18 / 146
1章 リブロ編

隠し通路

しおりを挟む
 翌日。
 俺はアムネシアさんからの依頼を達成するため、さっそくダンジョンへ潜ることにする。

 家を出る際、クレアから「見つからなかくても別のお礼を考えてるから、一日中ダンジョンに潜ったりしないでね?」と心配された。
 そんなクレアに夕方までには戻ることを伝え、リブロ支部へ向かう。

「おはようございます、ルーリエさん。アムネシアさんから俺宛に依頼が来てませんか?」
「おはようございます、カミトさん!届いてますので少しお待ちください!」

 俺はルーリエさんにお願いし、アムネシアさんからの依頼を引き受ける。
 冒険者協会を通さず冒険者に依頼をするのは御法度らしいので、冒険者協会を通して俺に依頼するようアムネシアさんに手配してもらった。
 その作業が一通り終了すると、ルーリエさんから話しかけられる。

「会長から聞きました。王都に移住するんですね」
「はい。なので皆さんにはお世話になったお礼に何か恩返しをしたいのですが……」
「私たちにお礼なんていりませんよ!むしろ、ラジハルたちの冒険者資格剥奪が最高のお礼です!」

 俺の言葉に近くにいた受付嬢が返答する。
 今回冒険者資格を剥奪された人たちの素行の悪さには受付嬢全員が困っていたようで、全員から感謝された。

「わ、わかりました。もう少しリブロにはいますので何かあった際はルーリエさんたちを頼らせてもらいます」
「はい!『希望の花』の採取、頑張ってください!」

 俺はルーリエさんたちに見送られてダンジョンを目指した。



 俺はリブロ支部を出た後、いつも行くA級ダンジョンへ向かう前に装備の新調を行う。

「今まではずっとボロい短剣、ボロい服、ボロい靴でダンジョンを探索してたからな。金貨200枚を有効に使わせてもらおう」

 そう思い装備屋へ向かい、新しい武器を新調する。

「よしっ!これで一先ず装備は問題ないだろう!予備でもう一個頑丈な長剣も買ったし!」

 合計で金貨40枚ほど使ったが良い装備を揃えることができた。

ーーーーー

【頑丈な長剣】

 耐久性に優れた長剣。筋力が200上昇する。

ーーーーー

【頑丈な服】

 耐久性に優れた服。耐久が200上昇する。

ーーーーー

【純黒の靴】

 耐久性に優れた靴。俊敏が200上昇する。

ーーーーー


「強い冒険者はオーダーメイドで装備を作ってるみたいだからお金が貯まったらオーダーメイドの武器を作ってもらうのもアリだな」

 そんなことを思いつつダンジョンへ向かった。



「さて、『希望の花』を探すか」

 俺はスライムしか出現しない1階層に到着し、さっそくスキルを発動する。

「賢者さん。『希望の花』はどこにあるかわかる?」

 俺は勝手に『賢者さん』と名付けた【賢者の眼】に、スキルを発動させて語りかける。

『解、3階層、7階層、8階層に1つずつあります』

「おー!さすが賢者さん!」

 『ありません』という返答を回避することができ、一先ず安心する。

「『希望の花』はレア素材になるからな。3つ全て回収するか。賢者さん。3、7、8階層に着いたらマップで『希望の花』の場所を教えて」

『了解しました』

 俺は賢者さんに『希望の花』の位置がマップでわかるよう指示を出す。
 そして、オーガなどのモンスターを討伐しつつ、予定通り3つの『希望の花』をゲットする。

「こんなの賢者さんに教えてもらわないと絶対見つけることなんてできないぞ」

 3つとも賢者さんに教えられなければ絶対見つからないであろうマップの隅っこに小さく咲いていたため、賢者さんの凄さを改めて実感する。

「よし。あとは帰還するだけだ」

 そう思い帰還しようとすると、名案を思いつく。

「あ、そうだ!賢者さん!はやく脱出したいんだけど近道とかないかな?」

 俺は8階層から地道に帰るのが面倒になり、賢者さんへ近道を聞く。

『解、あります。その近道を使うと最短5分で帰還できます』

「おぉ!どうすればいいんだ!?」

『解、今から言う場所にある壁を押せば隠し通路に繋がります』

「よし!そこを教えてくれ!」

 俺は賢者さんの指示に従い、隠し通路に繋がる壁に辿り着く。
 そして壁を押すと、破壊不能と言われたダンジョンの壁が沈み、“ゴゴゴォォ”という音と共に扉が現れる。

「へー!こんなところに隠し扉ってあったんだ。簡単に見つからないけど、これを見つけた人っているのか?」

『解、います』

「じゃあ、なんでこの情報は出回ってないんだろ?」

『解、隠し通路の先にランクSに分類されるブラックドラゴンがおり、そのドラゴンに皆、殺されたからです』

「行けるかっ!そんなとこ!」

 扉にあるドアノブに触れようとした俺は一瞬で引っ込める。

「なぜ賢者さんは俺が質問したことしか答えないんだよ!追伸って形で他のことも教えてくれよ!」

『はぁ、仕方ないですね』

「なんか渋々感がすごく伝わってくるんだが」

『解、ただ今、女の子が1人、隠し通路に入っております』

「なっ!止めないと!どうすれば女の子に隠し通路から脱出するよう伝えられる!?」

 なぜ賢者さんが女の子の位置を知っているのかは分からないが、モンスターの位置をマップで教えてくれる賢者さんなら可能だと思い、その疑問はスルーする。

『解、通路に入ってしまうとドラゴンを倒すしか脱出方法がないため、不可能です』

「ってことはドラゴンを倒さないと出られないってことか!」

『肯定。ちなみに、ただ今ドラゴンと遭遇し、戦闘になりました』

「マズイ!急いで戻って救援要請を……ってそんな時間は絶対にない!」

(どうする!今、女の子が窮地に陥っていることを知ってるのは俺だけ!つまり、なんとかできるのも俺だけになる!)

 俺は少しだけ考える。

「賢者さん、その女の子はまだ戦ってる?」

『解、戦っておりますが、戦況は悪いです。あと3分ほどで死ぬでしょう』

「っ!」

(迷ってる場合じゃない!ステータスの上がった今の俺に【剣聖】スキルで得た戦闘技術と【賢者の眼】を併せればドラゴンに勝てるかもしれないんだ!)

 その言葉を聞いて俺は扉に手をかける。

「ごめん、クレア。お兄ちゃん、もしかしたら帰って来れないかもしれない。でも、ここで女の子を見捨てるような男にはなりたくない。見捨てるとクレアが自慢できるようなお兄ちゃんになれないと思うから!」

 そう決意した俺は扉のドアノブを握り、扉を開けた。

「待ってろ!今行くから!」

 俺は迷うことなく隠し通路へ入った。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜

妄想屋さん
ファンタジー
 最強の美少女パーティメンバーに囲まれた無能、アルフ。  彼は周囲の人の陰口に心を病み、パーティメンバー達に、 「このパーティを抜けたい」  と、申し出る。  しかし、アルフを溺愛し、心の拠り所にしていた彼女達はその申し出を聞いて泣き崩れていまう。  なんとかアルフと一緒にいたい少女達と、どうしてもパーティを抜けたい主人公の話。

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...