スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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1章 リブロ編

隠し通路

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 翌日。
 俺はアムネシアさんからの依頼を達成するため、さっそくダンジョンへ潜ることにする。

 家を出る際、クレアから「見つからなかくても別のお礼を考えてるから、一日中ダンジョンに潜ったりしないでね?」と心配された。
 そんなクレアに夕方までには戻ることを伝え、リブロ支部へ向かう。

「おはようございます、ルーリエさん。アムネシアさんから俺宛に依頼が来てませんか?」
「おはようございます、カミトさん!届いてますので少しお待ちください!」

 俺はルーリエさんにお願いし、アムネシアさんからの依頼を引き受ける。
 冒険者協会を通さず冒険者に依頼をするのは御法度らしいので、冒険者協会を通して俺に依頼するようアムネシアさんに手配してもらった。
 その作業が一通り終了すると、ルーリエさんから話しかけられる。

「会長から聞きました。王都に移住するんですね」
「はい。なので皆さんにはお世話になったお礼に何か恩返しをしたいのですが……」
「私たちにお礼なんていりませんよ!むしろ、ラジハルたちの冒険者資格剥奪が最高のお礼です!」

 俺の言葉に近くにいた受付嬢が返答する。
 今回冒険者資格を剥奪された人たちの素行の悪さには受付嬢全員が困っていたようで、全員から感謝された。

「わ、わかりました。もう少しリブロにはいますので何かあった際はルーリエさんたちを頼らせてもらいます」
「はい!『希望の花』の採取、頑張ってください!」

 俺はルーリエさんたちに見送られてダンジョンを目指した。



 俺はリブロ支部を出た後、いつも行くA級ダンジョンへ向かう前に装備の新調を行う。

「今まではずっとボロい短剣、ボロい服、ボロい靴でダンジョンを探索してたからな。金貨200枚を有効に使わせてもらおう」

 そう思い装備屋へ向かい、新しい武器を新調する。

「よしっ!これで一先ず装備は問題ないだろう!予備でもう一個頑丈な長剣も買ったし!」

 合計で金貨40枚ほど使ったが良い装備を揃えることができた。

ーーーーー

【頑丈な長剣】

 耐久性に優れた長剣。筋力が200上昇する。

ーーーーー

【頑丈な服】

 耐久性に優れた服。耐久が200上昇する。

ーーーーー

【純黒の靴】

 耐久性に優れた靴。俊敏が200上昇する。

ーーーーー


「強い冒険者はオーダーメイドで装備を作ってるみたいだからお金が貯まったらオーダーメイドの武器を作ってもらうのもアリだな」

 そんなことを思いつつダンジョンへ向かった。



「さて、『希望の花』を探すか」

 俺はスライムしか出現しない1階層に到着し、さっそくスキルを発動する。

「賢者さん。『希望の花』はどこにあるかわかる?」

 俺は勝手に『賢者さん』と名付けた【賢者の眼】に、スキルを発動させて語りかける。

『解、3階層、7階層、8階層に1つずつあります』

「おー!さすが賢者さん!」

 『ありません』という返答を回避することができ、一先ず安心する。

「『希望の花』はレア素材になるからな。3つ全て回収するか。賢者さん。3、7、8階層に着いたらマップで『希望の花』の場所を教えて」

『了解しました』

 俺は賢者さんに『希望の花』の位置がマップでわかるよう指示を出す。
 そして、オーガなどのモンスターを討伐しつつ、予定通り3つの『希望の花』をゲットする。

「こんなの賢者さんに教えてもらわないと絶対見つけることなんてできないぞ」

 3つとも賢者さんに教えられなければ絶対見つからないであろうマップの隅っこに小さく咲いていたため、賢者さんの凄さを改めて実感する。

「よし。あとは帰還するだけだ」

 そう思い帰還しようとすると、名案を思いつく。

「あ、そうだ!賢者さん!はやく脱出したいんだけど近道とかないかな?」

 俺は8階層から地道に帰るのが面倒になり、賢者さんへ近道を聞く。

『解、あります。その近道を使うと最短5分で帰還できます』

「おぉ!どうすればいいんだ!?」

『解、今から言う場所にある壁を押せば隠し通路に繋がります』

「よし!そこを教えてくれ!」

 俺は賢者さんの指示に従い、隠し通路に繋がる壁に辿り着く。
 そして壁を押すと、破壊不能と言われたダンジョンの壁が沈み、“ゴゴゴォォ”という音と共に扉が現れる。

「へー!こんなところに隠し扉ってあったんだ。簡単に見つからないけど、これを見つけた人っているのか?」

『解、います』

「じゃあ、なんでこの情報は出回ってないんだろ?」

『解、隠し通路の先にランクSに分類されるブラックドラゴンがおり、そのドラゴンに皆、殺されたからです』

「行けるかっ!そんなとこ!」

 扉にあるドアノブに触れようとした俺は一瞬で引っ込める。

「なぜ賢者さんは俺が質問したことしか答えないんだよ!追伸って形で他のことも教えてくれよ!」

『はぁ、仕方ないですね』

「なんか渋々感がすごく伝わってくるんだが」

『解、ただ今、女の子が1人、隠し通路に入っております』

「なっ!止めないと!どうすれば女の子に隠し通路から脱出するよう伝えられる!?」

 なぜ賢者さんが女の子の位置を知っているのかは分からないが、モンスターの位置をマップで教えてくれる賢者さんなら可能だと思い、その疑問はスルーする。

『解、通路に入ってしまうとドラゴンを倒すしか脱出方法がないため、不可能です』

「ってことはドラゴンを倒さないと出られないってことか!」

『肯定。ちなみに、ただ今ドラゴンと遭遇し、戦闘になりました』

「マズイ!急いで戻って救援要請を……ってそんな時間は絶対にない!」

(どうする!今、女の子が窮地に陥っていることを知ってるのは俺だけ!つまり、なんとかできるのも俺だけになる!)

 俺は少しだけ考える。

「賢者さん、その女の子はまだ戦ってる?」

『解、戦っておりますが、戦況は悪いです。あと3分ほどで死ぬでしょう』

「っ!」

(迷ってる場合じゃない!ステータスの上がった今の俺に【剣聖】スキルで得た戦闘技術と【賢者の眼】を併せればドラゴンに勝てるかもしれないんだ!)

 その言葉を聞いて俺は扉に手をかける。

「ごめん、クレア。お兄ちゃん、もしかしたら帰って来れないかもしれない。でも、ここで女の子を見捨てるような男にはなりたくない。見捨てるとクレアが自慢できるようなお兄ちゃんになれないと思うから!」

 そう決意した俺は扉のドアノブを握り、扉を開けた。

「待ってろ!今行くから!」

 俺は迷うことなく隠し通路へ入った。
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