スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
14 / 146
1章 リブロ編

妹との晩御飯

しおりを挟む
 その後の話をしよう。

 ラジハルからの罰金に関しては支部長宅で押収した悪行の数々を全て確認しなければ確定しないが、金貨100枚は超えるとのこと。
 俺に金貨100枚以上を賠償するとなれば今後の生活に響くと思うが、ノワール親子は鉱山行きが決定してるので遠慮なくいただく。
 また俺をイジメたことで冒険者資格を剥奪された者からも賠償金をいただいた。

「ありがとうございます。会長のおかげで、これからは楽しく冒険者生活ができそうです」
「何度も言うが、助けるのが遅くなって……」
「もうその事は謝ってくれたので大丈夫です!」

 そう言わないと何度も謝ってきそうだったので、会長の言葉を遮る。
 そして話題を変える。

「あ、そうです!俺、会長に聞きたいことがたくさんあるんです!」
「そうだな。アタシもカミトくんとはゆっくり話したいと思っていた。今日はもう遅いから明日、ここで会うことはできるか?」
「はい!」

 そう返事をした俺は頭を下げてリブロ支部から出る。

「うわっ、もう外は真っ暗だ。急いで家に帰らないと」

 こんな時間まで家に帰らなかったことはなかったので、12,000越えのステータスをフル稼働させて家に帰る。

「ただいまー」
「お兄ちゃん!」

 俺がドアを開けて玄関に入ると“ドタドタっ!”とクレアが走ってくる。

「もうっ!心配したんだよ!怪我とかしてないよね!?」
「あぁ。どこも怪我とかしてないから大丈夫だ」

 俺はクレアを安心させるため、腕を回しながら返答する。

「良かったぁ」

 その様子を見てクレアがホッとする。

「ごめんな、心配かけて」
「そうだよ!とーっても心配したんだから!」
「ははっ、ごめんごめん」

 ぷくーっと頬を膨らませるクレアの頭を少し撫でて部屋に上がる。
 するとまだ手がつけられていない料理が目に入ってきた。

「あれ?晩御飯食べてないのか?」
「うん。お兄ちゃんが帰ってくるまで待ってたんだ」
「そんなことしなくていいのに」
「1人だとお兄ちゃんの身が心配でご飯が喉を通らなかったからね」
「そうか。心配かけたな」

 クレアに申し訳ないと思いつつクレアと共に晩御飯を食べる。

「お兄ちゃん、今日は機嫌がいいね。何かいい事でもあったの?」
「お、よく分かったな」
「ふふんっ!私はお兄ちゃんの妹だからね!」

 そう言ってクレアは可愛いドヤ顔を見せる。

「実は今日、すごいスキルを2つも手に入れたんだ」
「えっ!お兄ちゃん、スキルゲットしたの!?」
「あぁ!しかもそのスキルが強すぎてオーガを一瞬で倒せるようになったんだ!」
「おぉ!さすがお兄ちゃんっ!」

 まるで自分事のようにクレアが喜ぶ。

「この力があればもう2度とクレアに不自由な想いをさせることはない。学校のこととか。その……俺のせいで学校に馴染めなかったんだろ?」

 俺の言葉を聞き、クレアが食べるのをやめる。

「……聞いたんだね」
「あぁ。ごめん、クレア。俺のせいで……」
「お兄ちゃんは悪くないよ!」

 俺の言葉を大きな声でクレアが遮る。

「お兄ちゃんは私のために危険なダンジョンに潜ってお金を稼いでくれてたんだもん!お兄ちゃんのせいだなんて一度も思ったことないよ!」
「クレア……」

 「お兄ちゃんのせいで!」と言われるかもと思っていたため、その言葉に内心ホッとする。

「そんなことより悪いのは私の方!だって私はお兄ちゃんがスライムしか倒せなくてリブロ支部では浮いてる存在なのを知ってた!お兄ちゃんがその……暴力を振るわれてるのも……」

 クレアは俺がリブロ支部でどんな扱いに遭っていたのかを知っているのだろう。
 声のトーンがどんどん小さくなる。

「お兄ちゃんが冒険者を続ける限りイジメられると分かってた。でも私は冒険者を辞めるよう勧めることができなかった。しかも、毎日頑張ってるお兄ちゃんに私は何もしてない。だから悪いのは私で……」
「それは違う!」

 今度は俺が大きな声で否定する。

「俺に何もしてないと思ってるなら大間違いだ!俺はクレアがいるだけで頑張れる!クレアの笑顔を見るだけで明日も頑張ろうって思えたんだ!だから自分のことを責めないでくれ!」
「お兄ちゃん……」

 クレアの眼から一筋の涙が流れる。

「むしろ悪いのは俺だ。学校でクレアが馴染めなかったことに全く気づかなかった。しかもその原因は俺だ。クレアになんて謝ればいいか……ごめんな、カッコ悪いお兄ちゃんで」

 そう自分の想いを吐露すると…

「お兄ちゃんはカッコ悪くないよ!」

 と、力強い言葉が聞こえてくる。

「私はお兄ちゃんのことをカッコ悪いって一度も思ったことないよ!」

 その言葉に俯きかけていた顔を上げる。

「お兄ちゃんは昔から私の自慢のお兄ちゃんだよ!小さい頃から私のワガママをなんでも叶えてくれる優しいお兄ちゃんで、お父さんとお母さんがいなくなった時に泣いてた私を支えてくれた!そんなお兄ちゃんがカッコ悪いわけないよ!」
「クレア……」

 本心で言ってることが伝ってきた俺は、その言葉に泣きそうになる。

「ありがとう、クレア。これからもクレアにとって自慢のお兄ちゃんになれるよう頑張るよ」
「うんっ!私もお兄ちゃんを支えることができるよう頑張るからね!」
「ほどほどでいいからな。俺はクレアが隣にいるだけでいいんだから」
「それを言うならお兄ちゃんこそ冒険者は危険なんだから無理しないでね!」
「ははっ。その通りだな」

 そんな会話をしながら俺たちは晩御飯を食べた。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜

妄想屋さん
ファンタジー
 最強の美少女パーティメンバーに囲まれた無能、アルフ。  彼は周囲の人の陰口に心を病み、パーティメンバー達に、 「このパーティを抜けたい」  と、申し出る。  しかし、アルフを溺愛し、心の拠り所にしていた彼女達はその申し出を聞いて泣き崩れていまう。  なんとかアルフと一緒にいたい少女達と、どうしてもパーティを抜けたい主人公の話。

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...