スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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1章 リブロ編

俺をイジメた奴らへの罰 2

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 その後、会長が数名の協会職員を連れて、支部長の家を捜索することとなった。
 その間、会長命令によりリブロ支部から誰も出るなと言われたため、観客として決闘を観戦していた冒険者たちもリブロ支部から出られなくなる。

「おい!何で俺もここに居なきゃいけねぇんだよ!」
「俺は悪いことなんかしてねぇ!ここに留まる意味がわからん!」
「どけっ!俺は帰る!」
「そ、それはできません!会長命令ですので……」

 等々言って観戦していた冒険者たちが暴れ出し、出入り口を塞いでいる受付嬢に迫っている。

(支部長はラジハル以外の冒険者の悪行も握り潰してた。だから会長はノワール親子以外の冒険者も出られないよう指示を出したんだろう)

 その結果、会長の家宅捜査の結果にビビってる奴らが暴れてると考える。

(心当たりがある奴らが暴れてるんだ。リブロ支部から出すわけにはいかないな)

 そう思い、俺は受付嬢を守るように暴れている冒険者たちの前に立つ。

「会長から言われただろ。ここから出るなって」
「今回の問題は支部長とラジハルだけだ!俺たちは関係ねぇ!」
「そうだ!俺たちは関係ねぇぞ!」
「いいや、お前たちにも関係ある。支部長の家を調べられたらマズイことに心当たりがあるんだろ?」
「っ!どかねぇなら力ずくで帰る!」
「やれるもんならやってみろよ」

 俺の挑発に乗った1人の冒険者が俺に殴りかかってくる。

 勢いよく俺に特攻してくるが…

(ラジハルよりも遅いな。まぁ、ラジハルの攻撃も遅かったが)

 そのため、殴りかかってきた拳を“パシっ!”と片手で止め、そのまま気絶する程度の力で腹を殴る。

「かはっ!」

 俺に殴られた男が地面に倒れ、動かなくなる。
 その様子を確認してから、後ろにいる受付嬢に話しかける。

「すみません。これって正当防衛だから俺にペナルティはつきませんよね?」

 支部内での暴力沙汰は問題となり、問題を起こした冒険者はペナルティを受ける決まりがある。
 そのため、ペナルティを恐れた俺は受付嬢に確認を取る。

「は、はい。今のは正当防衛なのでカミトさんはペナルティを受けません」
「ありがとうございます」

 その言葉にホッと息をつく。

(まぁ、支部内で俺に暴力を振るった冒険者たちがペナルティを受けたところなんて一度も見たことないけどな。支部長が揉み消してるせいで)

 そのため、会長の家宅捜査でかなりの人数が何らかのペナルティを受けると思っている。

「お、おい!やっぱり強くなってるぞ!アイツ!」
「あぁ!ラジハルを倒したのはマグレじゃねぇ!」
「ってことはオーガを1人で倒したことになるぞ!」

 俺が冒険者の1人を無効化したことでようやく俺の実力を理解した冒険者たちが、俺のことを恐怖の目で見てくる。

「そ、その……い、今まではラジハルの奴に命令されてお前をイジメてたんだ!」
「そ、そうだ!俺たちは好きでお前をイジメてたわけじゃないんだ!」
「あぁ!だから、支部長の家から俺たちがお前をイジメた証拠が出ても庇ってくれ!」

 そして突然、意味不明なことを言い出す。

(コイツら、ラジハルの命令で俺をイジメてたとか言い出したぞ。嬉々として俺のことイジメてたくせに。しかも俺に謝らず庇ってくれだと?ふざけるなっ!)

 俺の実力を知った途端態度が変わり、俺に庇ってほしいとお願いしてくる。
 そのことに怒りが湧いてくる。

「お前ら、今まで散々俺のことをイジメてきたくせに立場が悪くなりそうだから俺に庇ってくれだと?調子に乗るなよ?」
「「「ひぃっ!」」」

 俺は心の底から怒りが湧き上がり、ドスの効いた声で冒険者を睨みつける。

「お前らのしてきたことは一生許さない。だからお前らは会長からのペナルティを受けろ。それが嫌なら、今ここで俺が相手になるぞ」
「「「っ!」」」

 先ほど俺が一瞬で気絶させたことを知ってる冒険者たちが大人しくなる。

「ありがとうございます、カミトさん」

 その様子を見て、これ以上冒険者たちが暴れることはないと思った受付嬢が俺に頭を下げる。

「いえ、これくらい問題ありませんよ。みなさんには普段から助けてもらいましたので」

 俺がイジメられても毎回味方で居てくれる受付嬢たちには感謝しかなかったので、少しでも役に立てたことがとても嬉しい。
 その後は冒険者たちも暴れることはなく、ラジハルと支部長も大人しく会長の帰還を待つ。
 しばらく待つと会長が協会職員を連れてリブロ支部に現れた。

「すまん、みんな。ここに残るよう冒険者たちに言ってくれてありがとう」

 会長が到着早々、俺や受付嬢に一言声をかける。
 そして今度はこの場に残っている支部長やラジハル、冒険者たちに話しかける。

「さて、先程支部長の家を調べたところ、たくさんの不正資料と悪行の証拠が出てきた」
「くっ!」
「くそがっ!」

 その言葉を聞き、支部長とラジハル、それと心当たりのある冒険者たちの表情が変わる。

「よって、クラウスはリブロ支部の支部長を解任し、その息子であるラジハルは冒険者資格を剥奪する。それに加え、2人には被害に見合った賠償金の請求と鉱山行きを命ずる」
「こ、鉱山行きっ!」
「ま、待ってください!」

 会長の言葉に絶望という顔をした2人がすがる様に会長へと近づく。
 鉱山行きとは冒険者協会が管理する鉱山で死ぬまで働くことだ。
 主に冒険者絡みで悪事を働いた者に下され、朝から晩までずっと鉱山で働かされるらしい。
 そして鉱山では冒険者業を引退した元高ランク冒険者が見張をしているため、脱走は不可能だ。

「鉱山行きだけは辞めてくださいっ!」
「B級冒険者である俺の冒険者資格剥奪は損害しかないはずだ!これからは悪事を一切しねぇから鉱山行きは辞めてくれ!」

 鉱山行きだけは避けようと必死だが会長は聞く耳を持たない。

「本当は死刑にしたいところだが、2人とも人を殺してはいないみたいなので死刑だけは辞めてやろう。おい、ノワール親子を連れて行け」
「「はっ!」」

 会長の命令を聞いた協会職員がノワール親子を連れて行く。

「他にも数十名の冒険者に冒険者資格の剥奪とカミトくんへの賠償金を命ずる。以上だ」

 そう言って会長は俺の下に来る。

「すまない、カミトくん。私がもっとはやくクラウスが揉み消した証拠を掴むことができたら、君が不幸な目に遭うことはなかったのに」

 会長は自分のせいだと言って俺に謝る。

「謝らないでください。会長は今日、俺を助けてくれました。しかも支部長たちにしっかりと罰も与えました。俺はこれだけで満足です」
「そうか。カミトくんが満足なら良かったよ」

 会長がホッとした表情をする。

(きっと、俺のことを思って悔やんでるんだ。もっとはやく動いていれば俺が苦しい思いしなかったんだろうと。ほんと、会長は優しい人だな)

 そんなことを思った。
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