スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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1章 リブロ編

俺をイジメた奴らへの罰 1

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「よって、クラウス•ノワールをリブロ支部の支部長から解任し、ただ今の決闘を無効にする!」

 会長の声が訓練場に響き渡る。

「なっ!ま、待ってください!」

 その発言に今度は焦った表情で待ったをかける支部長。

「この支部の実績をご存知ですか!?この支部は他の支部よりも多くの魔石を提供してます!それは私が支部長だからであって、他の方が支部長になっても多くの魔石を提供できません!」
「それは問題ない。クラウス並みの実績を持ってる奴を支部長に任命する予定だ」
「で、ですが……」
「くどいぞ。アタシはお前みたいな奴に支部長を任せられないと思ったんだ。決闘のルールを無視したことは支部長として有るまじき行為。また、先程のカミトくんへの発言内容もヒドイ。この事実だけで支部長を任せるに値しない人だと思った。クラウスがどれだけすごい実績を持ってようが関係ない」
「くそっ!」

 会長の意思は固いようで、支部長の抵抗を全て跳ね返す。

「アタシはクラウスを信頼してたが今の理不尽な判定を見ると他にも悪行があるかもしれん。だから一度お前の家を調べさせてもらうぞ」
「なっ!それはやめて下さい!」

 焦った表情で止めに入る支部長。

「安心しろ。家を調べると言ってもちょっとだけだ。それとも調べられたら困る物でもあるのか?」
「い、いえ」

 実際、調べられたら困る物が山ほど出てくるはずだが、正直に言えない支部長が汗をダラダラかきながら頷く。
 どうやら会長は支部長がラジハルの悪行やここに所属する冒険者の悪行を支部長が揉み消していることを知ってるようだ。
 すると、今まで黙っていたラジハルが騒ぎ出す。

「おい!それこそ理不尽だろ!父さんは真面目に支部長として働いてんだぞ!」
「ほう。お前はクラウスが真面目に支部長として働いてると言いたいのか」
「そうだ!だから家を調べる必要なんかない!」
「なら、尚更家を調べないといけないだろ。アタシの中ではクラウスの信頼は地に落ちている。その信頼を取り戻すためには家を調べて真面目に働いていたという証拠が欲しい。もし、家を調べて真面目に働いてたという証拠を得たらクラウスを支部長に復帰させてやる」
「っ!」

 その言葉に一瞬、返答に詰まるラジハルだが、すぐに声を上げる。

「い、家を調べる以外にも支部長が真面目に働いていた証拠はあるだろ!」
「なんだ?もしかして家を調べられたら不味いことでもあるのか?例えば――お前がリブロ内でやってきた悪行の数々が出てくるとか」
「そ、そんなもんはねぇ!」
「なら調べても問題ないな」
「くっ!」

 会長の言葉に反論できないラジハルが悔しい表情を浮かべる。

「と言うわけで、今回の決闘は審判の理不尽な判定により無効とする。それと家屋調査した結果を踏まえて、再度今後の対応を伝える。あまりにも酷い悪行が出てきた場合は死刑もやむを得ない」
「「そ、そんなっ!」」

 会長の言葉を聞き、ノワール親子は絶望的な顔をする。

「カミトくん。いろいろと話したいことがあるからまた明日、時間を作ってくれないか?」
「分かりました。明日は一日、空けておきます。それと助けいただきありがとうございました」

 俺は会長へ頭を下げる。

「気にするな。元々、クラウスを支部長に任命したアタシが悪いんだ。明日、正式に謝らせてくれ」

 そう言って会長が俺のもとから立ち去る。

「じゃあ、さっそくクラウスの家を調べさせてもらうが、その前に一言言わせてもらおう」

 会長が支部長に視線を移して口を開く。

「お前は冒険者協会の幹部となるために必死にリブロ支部の実績を上げてきた。それは評価しよう。だが、やり方を間違えたな」
「わ、私はやり方など間違ってないと思います。事実、実績は上がる一方で……」
「いいや間違ってるぞ。冒険者の中ではそこそこ強いバカ息子にダンジョンを探索してもらうため、バカ息子に好き放題させたことで今の業績を保ってたみたいだが、それは間違いだ。何故ならカミトくんがラジハル以上に強くなったからだ」
「っ!」

 その言葉を聞き、自分の失態に気づいたかのような顔をする。

「バカ息子をしっかりと指導し、カミトくんがイジメられても守ってあげれば、きっと最強になったカミトくんは支部長のためにダンジョンを探索してくれただろう」
「っ!ちくしょぉぉぉぉ!!!!」

 会長の指摘で自分の愚かさに気づいた支部長が地面に両手をついて悔しがった。
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