スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
12 / 146
1章 リブロ編

俺をイジメた奴らへの罰 1

しおりを挟む
「よって、クラウス•ノワールをリブロ支部の支部長から解任し、ただ今の決闘を無効にする!」

 会長の声が訓練場に響き渡る。

「なっ!ま、待ってください!」

 その発言に今度は焦った表情で待ったをかける支部長。

「この支部の実績をご存知ですか!?この支部は他の支部よりも多くの魔石を提供してます!それは私が支部長だからであって、他の方が支部長になっても多くの魔石を提供できません!」
「それは問題ない。クラウス並みの実績を持ってる奴を支部長に任命する予定だ」
「で、ですが……」
「くどいぞ。アタシはお前みたいな奴に支部長を任せられないと思ったんだ。決闘のルールを無視したことは支部長として有るまじき行為。また、先程のカミトくんへの発言内容もヒドイ。この事実だけで支部長を任せるに値しない人だと思った。クラウスがどれだけすごい実績を持ってようが関係ない」
「くそっ!」

 会長の意思は固いようで、支部長の抵抗を全て跳ね返す。

「アタシはクラウスを信頼してたが今の理不尽な判定を見ると他にも悪行があるかもしれん。だから一度お前の家を調べさせてもらうぞ」
「なっ!それはやめて下さい!」

 焦った表情で止めに入る支部長。

「安心しろ。家を調べると言ってもちょっとだけだ。それとも調べられたら困る物でもあるのか?」
「い、いえ」

 実際、調べられたら困る物が山ほど出てくるはずだが、正直に言えない支部長が汗をダラダラかきながら頷く。
 どうやら会長は支部長がラジハルの悪行やここに所属する冒険者の悪行を支部長が揉み消していることを知ってるようだ。
 すると、今まで黙っていたラジハルが騒ぎ出す。

「おい!それこそ理不尽だろ!父さんは真面目に支部長として働いてんだぞ!」
「ほう。お前はクラウスが真面目に支部長として働いてると言いたいのか」
「そうだ!だから家を調べる必要なんかない!」
「なら、尚更家を調べないといけないだろ。アタシの中ではクラウスの信頼は地に落ちている。その信頼を取り戻すためには家を調べて真面目に働いていたという証拠が欲しい。もし、家を調べて真面目に働いてたという証拠を得たらクラウスを支部長に復帰させてやる」
「っ!」

 その言葉に一瞬、返答に詰まるラジハルだが、すぐに声を上げる。

「い、家を調べる以外にも支部長が真面目に働いていた証拠はあるだろ!」
「なんだ?もしかして家を調べられたら不味いことでもあるのか?例えば――お前がリブロ内でやってきた悪行の数々が出てくるとか」
「そ、そんなもんはねぇ!」
「なら調べても問題ないな」
「くっ!」

 会長の言葉に反論できないラジハルが悔しい表情を浮かべる。

「と言うわけで、今回の決闘は審判の理不尽な判定により無効とする。それと家屋調査した結果を踏まえて、再度今後の対応を伝える。あまりにも酷い悪行が出てきた場合は死刑もやむを得ない」
「「そ、そんなっ!」」

 会長の言葉を聞き、ノワール親子は絶望的な顔をする。

「カミトくん。いろいろと話したいことがあるからまた明日、時間を作ってくれないか?」
「分かりました。明日は一日、空けておきます。それと助けいただきありがとうございました」

 俺は会長へ頭を下げる。

「気にするな。元々、クラウスを支部長に任命したアタシが悪いんだ。明日、正式に謝らせてくれ」

 そう言って会長が俺のもとから立ち去る。

「じゃあ、さっそくクラウスの家を調べさせてもらうが、その前に一言言わせてもらおう」

 会長が支部長に視線を移して口を開く。

「お前は冒険者協会の幹部となるために必死にリブロ支部の実績を上げてきた。それは評価しよう。だが、やり方を間違えたな」
「わ、私はやり方など間違ってないと思います。事実、実績は上がる一方で……」
「いいや間違ってるぞ。冒険者の中ではそこそこ強いバカ息子にダンジョンを探索してもらうため、バカ息子に好き放題させたことで今の業績を保ってたみたいだが、それは間違いだ。何故ならカミトくんがラジハル以上に強くなったからだ」
「っ!」

 その言葉を聞き、自分の失態に気づいたかのような顔をする。

「バカ息子をしっかりと指導し、カミトくんがイジメられても守ってあげれば、きっと最強になったカミトくんは支部長のためにダンジョンを探索してくれただろう」
「っ!ちくしょぉぉぉぉ!!!!」

 会長の指摘で自分の愚かさに気づいた支部長が地面に両手をついて悔しがった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

ハズレ職の<召喚士>がS級万能職に化けました~世界で唯一【召喚スポット】をサーチ可能になった俺、次々と召喚契約して一瞬で成り上がる~

ヒツキノドカ
ファンタジー
 全ての冒険者は職業を持ち、その職業によって強さが決まる。  その中でも<召喚士>はハズレ職と蔑まれていた。  召喚の契約を行うには『召喚スポット』を探し当てる必要があるが、召喚スポットはあまりに発見が困難。  そのためほとんどの召喚士は召喚獣の一匹すら持っていない。  そんな召喚士のロイは依頼さえ受けさせてもらえず、冒険者ギルドの雑用としてこき使われる毎日を過ごしていた。  しかし、ある日を境にロイの人生は一変する。  ギルドに命じられたどぶさらいの途中で、ロイは偶然一つの召喚スポットを見つけたのだ。  そこで手に入ったのは――規格外のサーチ能力を持つ最強クラスの召喚武装、『導ノ剣』。  この『導ノ剣』はあらゆるものを見つけ出せる。  たとえそれまでどんな手段でも探知できないとされていた召喚スポットさえも。    ロイは『導ノ剣』の規格外なサーチ能力によって発見困難な召喚スポットをサクサク見つけ、強力な召喚獣や召喚武装と契約し、急激に成長していく。  これは底辺と蔑まれた『召喚士』が、圧倒的な成長速度で成り上がっていく痛快な物語。 ▽ いつも閲覧、感想等ありがとうございます! 執筆のモチベーションになっています! ※2021.4.24追記 更新は毎日12時過ぎにする予定です。調子が良ければ増えるかも? ※2021.4.25追記 お陰様でHOTランキング3位にランクインできました! ご愛読感謝! ※2021.4.25追記 冒頭三話が少し冗長だったので、二話にまとめました。ブクマがずれてしまった方すみません……!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...