スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

文字の大きさ
上 下
8 / 146
1章 リブロ編

ノワール親子によるイジメ

しおりを挟む
 俺はたくさんの魔石をバッグに詰め込み、リブロ支部へ帰還する。

「バッグがパンパンになったからゴブリンたちの魔石を捨てることになってしまった。もう少し大きいバッグを買おうかな」

 そんなことを思いつつ、ルーリエさんへ話しかける。

「ルーリエさん!ただ今帰りました!それと換金お願いします!」
「はーい……って!これはオーガの魔石!しかも大量に!どうしたんですか!?」

 ルーリエさんの驚いた声が支部内に響き、支部の中にいた人たちが俺たちの方を向く。

「おい、アイツが持ってる魔石ってオーガじゃね?」
「マジだ。ってことはアイツ1人でオーガを倒してきたってことか?魔石の数からして1体だけ討伐したってわけじゃなさそうだぞ?」
「誰かからもらったんだろ。それを自分の手柄にしてるだけだ」
「でもオーガを倒せる奴なんてこの支部には3人くらいしかいないはずだ。しかもオーガの魔石を譲る人なんて聞いたことねぇよ」

 周囲は俺の持ってきた魔石を見て様々な話をしている。

「えーっと、今日スキルが覚醒してステータスが上昇したので8階層のオーガを倒してきました」

 俺は未だに驚いた顔をしているルーリエさんへ説明する。

「あの方が言ってたことは本当だったんだ……」
「ん?」

 俺の説明を聞いてルーリエさんが何かを呟く。

「なにか言いましたか?」
「あ、いえ。何でもありませんよ」

 ルーリエさんの発言は気になるが、そう言われたので気にしないようにする。

「こほんっ!信じられませんが、私はカミトさんが嘘をつくような人だとは思ってません。だからカミトさんが1人で8階層まで行き、オーガをたくさん討伐したことを信じますよ!」
「ありがとうございます、ルーリエさん」

 3年間スライムしか倒してなかった男が突然オーガの魔石を大量に持ってきたら普通は疑う。
 でもルーリエさんは俺の言うことを信じてくれた。

(ホント、ルーリエさんには頭が上がらないな)

 そんなことを思いつつ、ルーリエさんが換金する様子を見る。

 すると…

「きっとオーガの魔石を持っていた奴を襲って奪ったんだ!」

 ラジハルが支部内に響き渡る声で騒ぎだす。

「スライムしか倒せない奴が1日でオーガを倒すことなんてできるはずがねぇ!きっと誰かから奪い取ったんだ!」

 そして俺に詰め寄ってくる。

「言えよ。誰から奪ったんだ?」
「俺は奪ってなんかいない。実力でオーガを倒してきたんだ」
「はっ!そんな言葉信じられるかよ!お前が俺よりもオーガを倒せるはずがねぇ!」

 ラジハルは俺を睨んで威圧してくるが、引いてしまうと認めたことになってしまうため、1歩も引かずにラジハルを睨む。
 するとラジハルが突然笑顔になる。

「あ、そうだ。お前、今換金したお金を自分の物にしようとしてるだろ?」
「当たり前だ。俺が討伐してゲットした魔石なんだから」
「それは違うな。お前はその魔石を奪ったんだ。だから俺が魔石を奪った奴にお金を渡してやるよ」
「………は?」
「お、ルーリエちゃんの換金も終わったようだな。じゃ、俺がそのお金を渡してくるわ。えーっと、金貨2枚か。結構な額だな」

 そう言って無理やりルーリエさんからお金を取る。

「おいっ!ちょっと待て!」

 俺は無意識のうちに力強くラジハルの左手首を掴む。

「痛っ!」

 軽く掴んだだけでラジハルが痛がる。

「っ!痛ってーな!なんか用か!」
「それは俺の金だ!」
「だからこれはお前のじゃなくてオーガを倒した奴の金だろ?」
「違う!それは俺が……」
「むしろお前は俺に感謝すべきだ。魔石を奪う行為は立派な犯罪だ。それを俺が揉み消してやるんだから感謝くらいしてもいいんじゃないか?」
「だからそれは……」
「ごちゃごちゃうるせぇな!」

 そう言ってラジハルは俺が掴んでいない右手で俺の顔を殴ろうとする。
 しかし、ステータスの上がった俺はラジハルの攻撃が見えているため“パシっ!”とラジハルの拳を左手で掴む。

「!?」

 俺に防がれると思わなかったラジハルが驚いた顔をする。

(ラジハルの拳が普通に見えた。それに左手で拳を防いでも全く痛くない。ラジハルって思ってたより弱くね?)

 俺は疑問に思いラジハルを鑑定する。


*****

名前:ラジハル•ノワール
年齢:18
レベル:361
筋力:1149
器用:1006
耐久:1147
俊敏:1133
魔力:1001
知力:985

スキル:【身体強化 Lv.Max】
    【剣術 Lv.4】

称号:なし

装備:高級な剣(筋力:100上昇)
   高級な服(耐久:100上昇)
   高級な靴(俊敏:100上昇)

*****


(なるほど。身体強化と装備、それと【剣術 Lv.4】のスキルでオーガと戦えてるのか。だが、俺は全ステータスが12,000超えだ。ラジハルの数値が弱く見える)

 俺と比べるとラジハルの数値は弱く感じるが、この支部で2番目に強いと自慢してるだけの数値はあり、冒険者の中では勝ち組と言ってもいい数値だろう。

「チッ!離せよ!」
「嫌だ。金を返してくれるまでは離さない」

 俺はラジハルの拳を掴んだまま睨み合っていると、「そこまでだ!」という声が聞こえてくる。
 声がした方を向くとラジハルの父さんである支部長がいた。

「話は聞かせてもらった。カミト、ラジハルにお金を渡せ」
「はぁ!?なんでですか!?」
「それは君が不正な行為で稼いだお金だからだ」
「違う!俺はホントに自分で……」
「いつまで言ってるんだ。スライムしか倒せない君がオーガを大量に討伐できるわけがないだろ。ラジハルは君の不正を帳消しにしようとしてるんだ。だからラジハルに感謝しながらお金を渡せ」
「ほら、支部長もそう言ってるんだ。はやく俺に金を渡せよ。ちゃんとオーガを狩った奴に渡してやるからさ。まっ、見つからなかったら探した手間代として全額貰うけどな」
「オーガは俺が討伐したんです!だからそれは俺のお金です!」

 俺は一歩も引かずにラジハルに言い切る。

「ふむ。そこまで言うならオーガを倒せる実力があるか確認させてもらおう。そうだな……ウチのラジハルとの決闘はどうだ?オーガを討伐できるラジハルに勝つことができたら認めてやろう」

 顎に手を置き、支部長が提案する。

「お、いいね。俺は問題ないぞ」

 その言葉を聞き、ラジハルが不敵な笑みを浮かべながら同意する。

「カミトはどうする?」

 そう問われたが俺の答えは決まっている。

「もちろんやります!」
「分かった。なら決闘の場となる訓練場に案内しよう。それまで金貨2枚は私が預かる」

 そう言って支部長が歩き出す。

「ニ度と冒険者ができないくらいボコボコにしてやるよ」
「それは無理な話だ。俺はオーガを倒せるほど強くなったからな。俺がオーガを倒せる実力を持ってること、証明してやる」

 こうして急遽、ラジハルとの決闘が決まった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜

妄想屋さん
ファンタジー
 最強の美少女パーティメンバーに囲まれた無能、アルフ。  彼は周囲の人の陰口に心を病み、パーティメンバー達に、 「このパーティを抜けたい」  と、申し出る。  しかし、アルフを溺愛し、心の拠り所にしていた彼女達はその申し出を聞いて泣き崩れていまう。  なんとかアルフと一緒にいたい少女達と、どうしてもパーティを抜けたい主人公の話。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

毎日スキルが増えるのって最強じゃね?

七鳳
ファンタジー
異世界に転生した主人公。 テンプレのような転生に驚く。 そこで出会った神様にある加護をもらい、自由気ままに生きていくお話。 ※ストーリー等見切り発車な点御容赦ください。 ※感想・誤字訂正などお気軽にコメントください!

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

処理中です...